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家計改善に努力は不要!風呂内さんの「なぜか貯まる」のススメ【第1回】


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    老後は2000万円必要だと聞くし、将来に向けて早いうちからお金を貯めたい。そのためには、毎日の我慢や節約が肝心――。そう考える方は多いのではないでしょうか。しかし実は家計改善に日々のつましい努力はあまり必要ありません。むしろ金額が大きな支出に目を向け、頑張らなくてもなぜか貯まる家計にするしくみをつくることが大切です。そこで「フロウチーナ」こと、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、楽して貯める技を教えていただきましょう。第1回は、家計にダイレクトにかかわる固定費に着目します!

    固定費の見直しがポイント

    「貯まる家計にするには日々切り詰めることが大切と思いがちですが、実際にはその逆です。頑張らないほうが長続きして貯まりやすいですし、好きなものも適度に買ったほうがストレスは溜まり過ぎず、我慢し過ぎの反動による衝動買いなどが防げるため、貯まる家計に近づきます」(風呂内さん)

    では頑張らない方法とはどのようなものなのでしょうか。

    「それは固定費の見直しです。固定費とは毎月支払いが生じ、その金額があまり変動しない費目のこと。多くのお宅に共通してかかる『住居費』『保険料』『通信費』の3つが、家計への影響が大きい3大固定費といわれています。一方、食費や日用品費、被服費、交際費など月によって変動する費目を変動費といいます。固定費は一度見直すとその効果が翌月以降も継続するので、特別な努力をしなくても家計はいつのまにか貯め体質に改善されていきます」

    例えば、生命保険を見直して保険料の負担を月5000円減らすことができたとしましょう。これを貯蓄に回すと年間に6万円も貯蓄を上乗せできます。一方、食費などの変動費を頑張って節約して月3万円浮かすことができたとしましょう。しかし、忙しい子育て世代がこれを毎月続けるのは至難の業です。結局長続きせず、頑張ったのはその月だけとなると、年間に上乗せできる貯蓄は3万円だけとなります。努力を伴う変動費の節約には瞬発力はありますが、継続性となると疑問符がつくのです。

    3大固定費を見直すポイントは?

    貯まる家計にするには、先ほど挙げた住居費、保険料、通信費の3大固定費を見直すことが効果的だと風呂内さん。まずはこれらを実際にいくら使っているかチェックしましょう。毎月の支出額は家計簿をつけていなくても通帳(ネットバンキングを利用している人はウェブ通帳など)を見れば確認できます。各費目の見直しのポイントは下記のとおりです。

    《住居費》

    ●持ち家のケース

    住居費の負担を大きく減らすには住宅ローンの借換えが選択肢になります。「借換えを検討する際のチェックポイントは図表1のとおりです。仮に1000万円を借りた場合、2%の金利で10年かけて返済すると総返済額は約1104万円になります。同じ条件で金利が1%となると総返済額は約1051万円となり、50万円くらいの差額があります。借換えには手数料がかかりますが、それを差引いても20万~30万円くらいはお得になる算段です。3つ全てを満たしていなくても有利になるケースがあるので、金融機関のサイトや住宅ローンの比較サイトでシミュレーションをすることをお勧めします」(風呂内さん)

    ●賃貸のケース

    通勤圏内で今より家賃が安い物件がないか探してみるのが1つ。UR賃貸なども礼金や更新料がかからず総額で見ると割安なケースがあると風呂内さんはアドバイスします。「いま住んでいる物件の家賃が付近の相場より割高な場合には、更新時などに家賃交渉をするのも手です。引っ越しシーズンが終わり、物件が動きにくい5月(ゴールデンウィーク後)から7月あたりは家賃交渉に有利な時期。月5000円程度下がったという話はよく耳にします」

    《保険料》

    子育て世代の保険で問題なのは学資保険だと風呂内さん。

    「入り過ぎて他のプランの資金が不足しそうなお宅がよく見受けられます。月2万円ぐらいまでの保険料負担ならぎりぎり許容範囲ですが、それを超える場合は解約したり、払済保険(*)にしたりすることを検討しましょう。保険料として支払っていた分を貯蓄や運用に回したほうが、いざというときに備えたやりくりもしやすくなります」

    (*)保険料の支払いをやめて、その時点での解約返戻金で保険期間が同じ保険に加入する方法。ほとんどの場合保障額は下がるが、以降の保険料負担はなくなる。

    子育て世代は親に万一のことがあっても子どもが教育を受けられるように、死亡保障をきちんと確保しておくことが重要です。ただ過剰な保障額は保険料の負担になります。死亡保障額は各家庭によりますが、ざっくりとした目安は図表2に挙げたとおりです。

    「遺族年金に加えて年収の3倍の保険金があれば、一般的に約5年分の生活費をまかなえる金額になります。5年あれば生活の再建も可能でしょう。1000万円は、これから時間をかけて準備する予定だった子どもの教育費の頭金となる金額です」と風呂内さんは話します。死亡保障額が上記の金額を大きく上回っている場合などは見直しを検討しましょう。

    《通信費》

    「通信費の大半を占めるのはスマートフォン(スマホ)の費用だというお宅は多いでしょう。ここを攻略できると月々の負担を大きく減らせます」

    見直し方法は大きく2つ。1つは大手キャリアから格安SIMへの乗換え、もう1つは契約プランの変更です。「前者は大幅な費用削減が期待できますが、通話が多い人や高価格帯の機種を使う場合にはお得にならないケースもあるので慎重な検討が必要。気軽にできるのは後者です。実際に使っているデータ量に合ったプランに見直すだけでも一定の効果が期待できます」

    一方、子どもにスマホを持たせる場合は「親の端末を譲って格安SIMにするのがお勧め。1人あたり5000円ぐらいカットできることもあるのでかなり負担を減らせるでしょう」

    地域によってはクルマにかかる費用を見直すのも選択肢

    「クルマも大きな固定費の1つです。車両代(年換算)、自動車税、任意保険料、駐車場代、車検費用、ガソリン代、メンテナンス費用などで年間70万~100万円程度かかるのが一般的です」

    生活の足として必要不可欠な地域に住んでいる場合はやむをえませんが、公共交通機関が発達している都市部に住んでいる場合は今後も保有を続けるかどうか、夫婦でよく話し合うことをお勧めします。

    「現在かかっている年間のクルマ関連費を計算し、それを週あたりのタクシー代やレンタカー代に換算してみると、手放すか保有し続けるか、判断の目安になります」。例えばクルマ関連費が年間100万円かかっているなら、週あたりの費用は約2万円となります(100万円÷52週間=1万9230円)。仮にクルマを手放して、代わりにタクシーを利用するとしても週に2万円も乗らないというなら、クルマを手放すことで固定費の削減が図れる計算になります。ご家族の趣味がクルマという場合でも、リアルな数字を目の当たりにすれば、手放すことも検討してくれるかもしれません。

    3大固定費の見直しとクルマ関連費の見直しのポイントを挙げました。1つでも取組めば貯まる家計に一歩前進します。手をつけやすいところからでOKなのでとにかく実行に移しましょう。

    文/萬真知子 撮影/稲垣純也

    プロフィール

    風呂内亜矢 氏

    1978年生まれ。岡山県出身。大手電機メーカー系SIerに勤めていた26歳のとき、貯蓄80万円でマンションを衝動買いしたものの、物件価格以外にも費用がかかることを知り、あわててお金の勉強と貯金を始める。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザーなどの資格を持つ。著書に『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)、『ケチケチせずに「お金が貯まる法」見つけました!』(三笠書房)などがある。

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