家計

子育て世代こそ活用したい!定額制・使い放題の「サブスクリプション」


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    昨今サブスクリプション、略してサブスクが各メディアで取り上げられています。でも「何となくイメージできるけれど、よく分からない」「使ったことがない」という人も、まだまだ多いようです。これはもったいない!サブスクの商品やサービスの中には、多忙な子育てママパパの毎日をラクにしてくれるものがいっぱいあります。そこで今回は、KDDI総合研究所の沖賢太郎さんに、サブスクとは何かを解説してもらいましょう。

    <取材対象者紹介>
    株式会社KDDI総合研究所 フューチャーデザイン2部門 2グループ シニアアナリスト
    沖 賢太郎さん

    サブスクリプション第3の波が日本を席巻中

    サブスクリプションとは、商品やサービスの継続的な利用・購入のこと。最近出てきたビジネスモデルのように思われがちですが、「実は昔からあります」と、沖さん。

    「新聞や雑誌の定期購読も一種のサブスクです。賃貸住宅の費用、水道料金や光熱費、携帯電話の料金などもそうです」

    月々払う生命保険などもこの方式に該当するとのこと。

    このような旧来のサブスクに対し、「2015年頃から新たな波が日本に上陸しました」と、沖さんは続けます。新たな波とは、デジタルコンテンツのサブスクです。

    「『Apple Music』や『Amazon Prime Music』、『Spotify』などの音楽ストリーミングサービス、『Amazon Prime Video』『Netflix』などの動画配信サービスのように、定額でデジタルコンテンツの視聴やダウンロードができるサービスが、2015~16年に日本で次々と始まりました」

    そういえば3、4年前に会員になった、という人も多いのではないでしょうか。

    「さらに2017~18年にかけて第3の波が生まれ、現在徐々に普及が進んでいます。今回の波は、非デジタル領域のサブスク化。その浸透に伴い、あらゆるものの急速なサブスク化が起こっています」

    従来、買いたいときにその都度買うということが当たり前だった服やバッグ、同じく必要に応じて利用していた美容室やカフェなどの領域において、サブスクリプション方式での提供が続々と登場しています。服やバッグの場合、月額に応じて定期的に数点が送られてくるというサービスが中心。美容室やカフェの場合、定額で利用し放題のものもあれば、回数券やクーポン券として利用するものもあります。

    ニューウェーブの特徴はプロによる目利き

    第3の波が日本を席巻する背景を、沖さんはこう分析します。

    「企業側にとって最大のメリットは、サブスクによって消費者との長期的な関係を築ける点。継続利用が前提であるサブスクにおいては、企業はその消費者の好みや特徴を理解しやすくなるからです。企業はアプリやアンケートなどを介して、その消費者が自社のどの商品をどれくらい使ったか、反対にどの商品が気に入らなかったのかなどのデータを日々蓄積することができます。そのデータを活用することで、より消費者の期待に応えられるような商品やサービスの提案を継続していけるわけです。結果として、売り上げも継続的なものになり、業績の安定化も期待できます。これらのサイクルは売り切り型のビジネスとは大きく異なります。さらに近年は企業向けにサブスクのシステムを提供する専門企業が出てきたことも、新たにサブスクを始める企業が増えている背景になっています」消費者側の拡大背景としては「シェアリングサービス利用意向の高まり」を挙げます。

    「新しいサブスクでは、洋服やバッグをレンタルして使って返却するというように、シェアリングをベースにしたサービスが目立っています。このシェアリングに対する消費者の抵抗感が、ここ数年でなくなってきたことが理由の一つにあると考えられます。加えて第2の波で、サブスクに慣れたという面もあると思います」

    さらに、共働き世帯が増えていることも背景にあるといいます。

    「今は、消費者が考えて選ぶという手間を削減することにフォーカスしているサービスが増えています。それが家事と仕事に忙しい現代の共働き世帯にマッチしているのでしょう。実際に、ある女性向けのファッションレンタルサービスの利用者を見てみると、平均年齢が36歳。その94%が働く女性です」

    選ぶ手間を削減するとは、どういうことでしょうか。

    「洋服なら、プロのスタイリストが利用者の体型やニーズ、着ていくシーンなどに合わせて選んで箱詰めします。食材とレシピを配送するミールキットのサブスクも、多くは栄養士が献立をつくっています。消費者は、選ぶ手間や買いに行く時間をかけずに、プロが厳選したものを利用できるのです」

    加えて、自分で選んでいないからこそ得られる、「何が届くのだろう」というワクワク感や、「そうきたか!」という発見も魅力といえそうです。

    子育ての“困った”を軽減するサービスが続々

    沖さんに、子育て世代にお勧めの商品・サービスを紹介してもらいました。

    「忙しくてご自身の服を選んでいる時間がないという方には、やはり洋服のサブスクはお勧めです。また、絵本や知育玩具のサービスも良いと思います。それぞれの専門家が子どもの月齢・年齢に応じたものを選んで定期的に届けるサービスで、複数の企業が展開しています。インターネットには多くの情報が掲載されていますが、情報があふれ過ぎて、かえってどれを選んだらよいかわからないという方も多いので、絵本やおもちゃのサブスクはお母さんに喜ばれています」

    絵本の場合は購入型のサービスが主流ですが、おもちゃは一定期間遊んだら返すというスタイルが中心だそうです。子どもの成長に従い、「遊ばなくなったおもちゃをどうしたらいいの?」という悩みも出てくるものですが、このサービスならモノがあふれる心配は無用。もし気に入れば、買取りも可能です。

    「小さいお子さんのいるご家庭なら、育児で困ったとき、医師や専門家に相談し放題のサービスもお勧めです。乳幼児期のお子さんがいると、夜中に高熱が出て夜間診療窓口に行くべきか悩むとか、咳がおさまらないけれど受診の必要があるのか迷うといったことがあるものです。そんなときにオンラインで相談すれば、朝9時から夜24時までなら30分以内に医師や歯科医師などの専門家から返信がきてチャット形式でやりとりできます」

    もちろん、大人の悩みも相談できます。何かと自分のことを後回しにしがちなママやパパも、自身の不調について気軽にアドバイスを受けられそうです。

    「子育て中は自由に使えるまとまった時間を持つことが難しいもの。そういう時期には、すき間時間で映画が見られる動画配信サービスもいいのではないでしょうか。まだ子どもが小さくて映画館に行けないという家庭にもお勧めです」

    「現在は、カテゴリー別に分類されていて探しやすいポータルサイトもあります。何かを購入したい、利用したいと考えたときは、一度のぞいてみることをお勧めします」

    使い過ぎに注意! キャンペーンやお試し期間の上手な活用を

    サブスクリプション利用時の注意点はあるのでしょうか。

    「ケースによっては提供されるサービスの選択肢が限られます。例えばファッションサブスクリプションサービスでは、特定のアパレル企業が運営している場合、送られてくるのはその企業が展開する服に限定されます」

    また、サブスクは一件当たりの月額料金が低く済むことが多いため、何件も申込んで、気付くと高額になっているというケースがあるといいます。

    「アメリカでは、サブスクリプション契約を一括で管理でき、解約もそこからできるという家計簿アプリが広く使われています。日本でも近いうちに普及しそうです」

    さらに、購入するよりもトータルでは高額になるケースがあることも覚えておくべき。

    「自動車のサブスクはまさにそうです。現在は月の支払いが新車だと5万円くらいします。10年間で600万円。軽自動車を長く乗るスタイルでいいという場合は、購入したほうがずっと安く済む。ですから、買い物全般にいえることですが、自分の趣味嗜好やライフスタイルに合った選択をすることが大事です。また、サービスの設定期間が2年や3年と長く、設定期間中に解約すると手数料が発生するプランもあります。申込むときにそうした制約についても注意してください」

    では、自分に合ったモノやサービスを賢く利用するには、どうしたらいいのでしょうか?

    「まずはどんなものか試してみるといいですね。キャンペーンや無料お試し期間などをどんどん活用してみましょう。最初の1カ月は無料とか、最初は低価格で体験できるといった機会を多くの事業者が用意しています。不要だと思ったらすぐやめればいい。例えば、デジタル系のサブスクだと、容量制限付きの無料版があります。こういうサービスも利用するといいと思います」

    サブスクは、ほとんどのケースがインターネットからの申込みになります。その際にポータルサイトなどで他社のキャンペーンや無料プランなどもチェックしてみましょう。

    「今現在はサブスク化が難しいものも、テクノロジーの進化により、やがてサブスク化できると考えられます。もちろん競争の中で淘汰される事業も出てきますが、サブスクが普及する動きは止まらないと思います」という沖さん。今は興味がないという人も、いずれは自分にマッチした商品やサービスが見つかるかもしれません。

    (文/松田 慶子 カメラ/棚橋 亮)

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