ネットのフリマやオークションも活用!「リセールバリュー」の視点で節約しながら暮らしを楽しむ
普段の買い物を「リセールバリュー」の視点で見直す
着なくなった洋服や使わなくなったグッズは、ネットのフリマやオークションなどを利用して、誰でも簡単に売ることができる時代。家や車を買うときだけでなく、服や雑貨など普段の買い物も、最初から「リセールバリュー(再販時の価値)」を考えて商品を選ぶのも節約方法としてアリかもしれません。これを実践して好きなファッションを楽しみ、生活を豊かにしている男性に、その秘訣を伺いました。加えて家計管理に詳しいファイナンシャル・プランナーの西山美紀さんから「リセールバリューの上手な生かし方」もアドバイスしてもらいました。
インタビュー:「好きな洋服を買うために、20年ほど前からネットオークションを利用」
会社員のSさん(39歳・妻子あり)は、学生時代から洋服が大好きで、シーズンごとに新しい洋服を何着も購入していたそうです。
「大学生のときはアルバイト代の大半を洋服につぎ込んでいたくらい。ちょうどその頃、ネットオークションを使って、新しい洋服を買うために、着なくなった昨シーズンの服などを売るようになったのが、リセールバリューを意識するきっかけになりました」
たとえば、その頃気に入っていた裏原宿系ブランドのダウンジャケットは、正規店で10万円で買ったものが、1年後にネットオークションに出したところ10万円で売れ、元手がすっかり回収できたとのこと。
「最初の頃は、買った時より高く売れるものもあったりして、それがうれしくてやりだした感じですね。たとえ買った時より安くなっても、少しでもお金が入れば、そのお金でまた新しい洋服が買えますから」
新しいものが欲しくなったら、古いものや着なくなった服を売って資金を捻出する。そうすれば、欲しいものをさほど我慢する必要もなく、学生時代の少ない資金でもファッションを楽しむことができたというわけです。
インタビュー:「今では新品を買うとき、フリマの出品からチェックすることも」
個人間取引の楽しさを知って約20年、これまで着なくなった洋服だけでなく、使わなくなったケータイやスマホの端末、パソコン、アウトドアグッズなども、ネットのフリマとオークションを利用して売却してきたそうです。その一部はこんな感じです。
結婚して子どもが誕生してからは着られなくなったベビー服や、不要になったベビーグッズなども売却したそうです。また、ネットのフリマやオークションで新品も販売されることがあるため、新しいものを買う時も価格をチェックして相場を確認しており、実際にオーディオ用品などは購入もしているといいます。
利用者の特徴をつかみ、フリマとオークションを使い分ける
Sさんは現在、ネットのフリマとオークションを利用して、月に平均2~3品を出品していますが、売りたいものによってサイトを使い分けています。
「ネットオークションは男性の利用者も多く、30代から40代の人が中心なので、意外に高額なモノなども売りやすいですね。知る人ぞ知るブランド品などにも向いています。一方、フリマアプリは若い人も多いため、子ども服やベビー用品などもよく売れます」
このように、各サイトの利用者と特徴をつかんで出品することを勧めています。
「ただし『後で売るときの価格=リセールバリュー』を考えたら、洋服などは極端に派手な色や独特なデザインは売りづらいかもしれません。どんな服にも合わせやすい色柄の方が確実に売れますし、ベビー用品やグッズはシンプルな方が高く売れます。買う時にどっちがいいか迷ったら、売却しやすい方を選ぶのも方法です」
「それと、自分が好きなブランドのことは詳しくなるので、『これならいくらぐらいで売れるだろう』というのがわかるのは強みですね。自分が詳しいジャンルやブランドがあれば、それに関するものを出してみるといいのでは。ネットオークションは落札相場が出ているので、初めての人はそれを参考にすることもできます」
リセールバリューで買い物の楽しみを広げ、満足度もアップさせる
このような個人間取引や「リセールバリュー」の考え方について、ファイナンシャル・プランナーの西山さんはこういいます。
「購入したものを使用後に売却すれば、実質的な出費は少なくて済みます。高くて手を出しにくいと感じていたものでも、再販を想定して購入を検討できればハードルは低くなります。それによって欲しいものを手に入れられたり、買ったもので新たな体験ができたりするなど、自分の世界が広がるメリットもあります」
ただし、以下の様な注意点もあるといいます。
「再販のことを優先して購入を考えると、自分の好みより売りやすいものを重視し、買い物の満足度が下がってしまうことも。さらに『後で売ればいいや』と不要なものにまで手を出して、節約どころか逆に余計な出費につながることもあります」
また、予想以上に高額で売れて利益を得るような場合は、税金にも注意が必要です。フリマやオークションで稼いだお金は雑所得になり、収入から経費(仕入れ代や手数料など)を除いた所得が年間で一定額を超えると、確定申告が必要な場合もあるからです。申告が必要な所得ラインは、その人の職業や他にも収入があるかどうかで異なりますから、国税庁HPの確定申告のページや税務署で確認しましょう。
「上手な利用法としては、例えば『安いけれど人気のないA』と『人気が高めのB』という商品があった場合、自分はBが欲しいのに、節約のために我慢してAを選んでいたとすれば、リセールバリューの考え方で見直すのもいいですね。高めのBを購入して一時的に出費が増えても、後で欲しい人に譲ることでお金の一部が戻ってくる。結果として出費はAを買った時とあまり変わらずに、買い物の満足度を高められる可能性があります」(西山さん)
今の価格だけで判断するのではなく、リセールバリューという長い目で見て買い物をすることで、家計の出費を減らし、欲しいものを手に入れるよい買い物ができることもあると西山さん。
「シェアの仕組みが広がった今だからこそ、うまく活用すれば買い物の選択肢はさらに広がるのではないでしょうか」
ちなみにSさんは結婚後、共働きの妻と家計を1つにまとめ、貯蓄と生活費の枠を決めてから、自分が自由に使えるこづかいとして、毎月一定額を確保。この範囲で、フリマやオークションを活用して好きなものを購入し、生活を楽しんでいるそう。「自分のものは、買ったものの半分くらいは売っている」と笑います。妻にとっても、洋服好きの夫が家に服をためこまず、購入&売却で上手に回転させてくれれば、家計にとっても負担は少なく、部屋の収納という観点からも助かるかもしれませんね。
実践者のSさんと西山さんの話を参考に、個人間取引の活用とリセールバリューを考えた買い物の仕方を、生活の一部に取り入れてみてはいかがでしょうか。
取材協力:ファイナンシャル・プランナー 西山美紀
取材・文:光田洋子
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