お金が増える選択肢(1)~夫のお金、お小遣い制vs必要なタイミングで都度渡し 編~
【お小遣い】と【都度渡し】実際はお小遣い制が多数派!
今回、子どもをもつ女性を対象に、「夫へのお金」に関するアンケート調査を実施。家計から夫にお金を渡すとき、より貯まりやすいと考えられているのは【お小遣い】と【都度渡し】では、どちらなのでしょうか。そして、どちらの方が家計管理においてメリットが多いのでしょうか。
世間の声は?「夫へのお金」アンケートを公開!
意外なことに結果はほぼ半々! どちらのやり方にもメリット・デメリットがあると考えているようです。なぜ貯まりやすいかについては、こんな声が見られました。
《お小遣い制》
●予算内でやりくりしようと意識してくれるので(36歳/商社・卸)
●金額的にダラダラになりそうだから(40歳/医療・福祉)
《その都度渡す》
●家計簿をしっかり付けられるし、お金の管理が簡単だから(36歳/アパレル・繊維)
●あればあるだけ使ってしまうので……(35歳/サービス系)
では、実際は、どのように管理している家庭が多いのでしょうか?
36.9%と、3分の1以上が「お小遣い制」となりました。その他の回答のほとんどは「夫婦別財布のため別々に管理している」という形式。また、少数派としては「妻が夫から生活費をもらっている」「2人のお金をすべて1つの口座に入れて、お互いが必要なタイミングで自由に使っている」という答えがありました。
(出典)※マイナビウーマン調べ。2017年9月に、子どもをもつ25歳~49歳の女性を対象にWEBアンケート。
有効回答数217件
お金のプロに聞いた!理想は予算管理のできる「お小遣い制」が◎
一般の女性へのアンケートでは上記のような結果になりましたが、専門家の見解も聞いてみたいところ。そこで、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢先生に聞いてみました。
家計をグイグイ引き締めたいなら、実は都度渡しが有利!
「今は、ストイックに貯めていきたい!というのであれば、使うたびにチェックが入るため、“その都度渡す”ほうがムダは確実に減ります。夫婦のうちお金の管理能力が高いほうが一元で家計を預かると、しっかり貯められますよ」
でも、常に何に使うのかを明確にしなければならないため、若干息苦しいと感じるのも事実。そのため、長続きしにくいという側面もあります。
「お金が増えないと悩んでいる家庭、新婚で家計が軌道に乗っていない場合は、『何にいくらくらい使っているのか』を見える化させるために、まずは【都度渡し】で使い道を明確にすると良いでしょう」
また、お小遣い制だと金銭管理できずに、月末になると「あれ?足りない……」なんてことになってしまう夫もいるかもしれません。
「お小遣いの追加を求めてしまうようなタイプも、都度渡しで妻が管理したほうが良いでしょう」
●都度渡しのメリット・デメリット
《メリット》
□使途不明金(何に使ったか分からないお金)が出にくい
□お金の管理が得意な方が家計の手綱を握れる
□使い道の情報の共有ができる
《デメリット》
□もらう側のお金のリテラシーがスキルアップしにくい
□自由度が低いため自分磨きに予算をかけにくい。興味や好奇心のあることに先行投資的に使いづらい。
□息苦しさや大変さがあるため長続きしにくい
将来の可能性を広げるならお小遣い制 もしかしたら、収入が増えるかも!?
「最初は都度渡しでも、最終的には自分で予算管理ができるお小遣い制になるのが理想です」と風呂内先生。その理由として1番に挙げられるのが、“未来につなげるお金の使い方”ができるようになること。
「ライフスタイルが変わったのをきっかけに、ランチや通信費も5万円のお小遣いから払ってねと任された男性がいます。その方は、自分で采配できる金額が増えたのを機に、飲み会の出欠の選別をしたり、ランチを節約してスキルアップの本を買ったりと、“将来に対して自己投資する使い方”ができるようになったと話していました。所得を増やしていくなら、自由度の高いお小遣い制に軍配が上がりますね」
ただし、どうしても使う金額が多くなってしまうご家庭もあるでしょう。その場合は、まず「何にいくら使っているか」を一度しっかり書き出してみて、ムダなところを1つずつ削っていくと上手に管理ができるようになるそう。
「ここで注意したいことが1つあります。自分が使っているものって気にならないのですが、相手が使っているものは気になっちゃうんですよね。『こんなにパソコン用品必要?』とか『なんで化粧品にこんなにかかってるの?』というように。もし、引き締めるなら、夫婦で同じ項目数だけ改善すると良いでしょう」
「ココはムダかも?」と引き締める場所が見えてくると、お金の優先順位もおのずとはっきりしてきますね!
●お小遣い制のメリット・デメリット
《メリット》
□自分で工夫をしてお金を割きたいところ・割きたくないところを考えるようになる
□収入を上げるための勉強をするなど、未来の可能性を広げるお金の使い方を意識できるようになる
《デメリット》
□全く金銭管理ができていない人は、予算の範囲でやりくりできない
□使途不明金が出やすい
□夫婦間での情報管理がしにくい
お小遣いっていくらくらいに設定するといいの?
さて、どんな夫婦でも最終的にはお小遣い制でやりくりできるといい……というところまでわかりました。ところで、お小遣いの金額はどれくらいが妥当なのでしょうか?
「家計全体でいくと手取り収入の10%くらいに収めると良いでしょう。夫婦共働きの場合は、それぞれの収入の差で配分するのが適当かと思います」
《例》
●手取り月収50万円で、夫30万円・妻20万円の場合
お小遣いの合計→50万円×10%=5万円
夫のお小遣い=3万円
妻のお小遣い=2万円
「この算出方法だと、平均的なお小遣いよりはやや多めになるので、自己投資などは追加予算なしでやりくりしていくと良いかと思います。お小遣いも現金で渡すのでなく、送金・入金のできるお財布アプリや、プリペイドカードなどを上手に使うとより予算管理がしやすいですよ」
貯める額を決めていれば夫婦別財布も問題ナシ
今回アンケートの中に出てきた「夫婦別財布制」。一般的には、最もお金が貯まりにくいとされています。けれども、これも家計の運営の仕方によっては問題ナシと風呂内先生は言います。
「貯める金額を決めていれば、あとは自由に別財布制というのは悪くないと考えています。『きっと相手が貯めているだろう』とブラックボックス化すると問題ですが……。ちなみに、夫婦共働きで子供がいない場合は、手取り収入の20~30%、子供がいる場合は5~10%程度を貯蓄目標とすると良いでしょう」
また、自分の自由にできるお金は、専用の口座に入れておくのがオススメです。「デビットカードやクレジットカードで引き落としできるようにしておくと、何にいくら使ったかを自動で履歴に残せるため管理もしやすいですね。その口座と家計簿アプリを連動させると、夫婦での情報共有もしやすいですよ」
上手に家計をコントロールできたら“投資”にもトライを
「家計を改善して、きちんと貯蓄ができる習慣づくりができたら、投資に向かっていくのもいいでしょう。長期的な資産形成という視点で投資をしていけるのは、家計としてはかなりレベルアップした状態です」
と風呂内先生。「投資は難しそう」と思っている夫婦でも、まず足を踏み入れるならどうするのが正解なのでしょうか?
貯めたお金をいつ使う? 何に使う?
毎月少額でも一定の額を貯金できるようになる。そんな第一段階をクリアしたら、まず、考えたいのが「今、貯めている金額をどう割り振っていくか」ということ。
将来のための備えとして「教育資金」「老後資金」などがありますが、そのほかにも、「家電の買い替え」「マイカー購入」など大きなお買い物で使うこともあるでしょう。
「例えば、毎月3万円積み立てられるようになった場合、そのうちの1万円は教育費として18年間積み立てるけど、2万円は数年後に買い換える車の頭金に……というように、使い道がいくつかに分けられるでしょう。いつ使うかによって運用方法を変えるのも一つの手ですね」
オトクな制度を上手に使おう!
2018年1月からは、『つみたてNISA』が始まります。他にも、金融商品で使える様々なオトクな制度が出ていますので、そのうちの3つを簡単にご紹介しましょう。
●NISA
1年間に投資できる金額……120万円
どこがオトク?………………上場株式や公募株式投資信託の譲渡益(売買益)や配当・分配金にかかる税金(20.315%)が非課税になります
非課税期間………5年間
途中引出し………いつでも可能
●つみたてNISA
1年間に投資できる金額……40万円
どこがオトク?………………上場株式や公募株式投資信託の譲渡益(売買益)や配当・分配金にかかる税金(20.315%)が非課税になります
非課税期間………20年間
途中引出し………いつでも可能
●iDeCo(個人型確定拠出年金)
月々の掛金の上限…専業主婦(夫)の場合2万3000円まで。加入資格によって掛金の上限金額が異なります。
どこがオトク?………………「掛金が全額所得控除になる」「運用益が非課税」「受け取り時に公的年金等控除、退職所得控除が使える」
途中引出し………原則60歳まで引出不可
定期預金などに貯金していても、0.01%程度しか利息がつかない上に、ほんの少しの利息にまで税金がかかってきてしまう現状。運用益にかかる税金が非課税になるのは、長期的な視点で見ると実は非常に大きいです。こういったオトクな制度を賢く利用して、資産形成をしていくと将来の安心に備えられますね。
「毎月の余力を、60歳まで完全に使わないのであれば『iDeCo』。マイホーム購入や子どもの進学といったライフイベントで使う可能性があるなら、『NISA』や『つみたてNISA』を利用すると良いでしょう。特に『つみたてNISA』は、月3000円、5000円といった少額から投資信託やETFを毎月コツコツと購入していけるので、取り組みやすいですよ。また、いつでも下ろせるので自由度が高いところも導入しやすいですね」
オトクな制度を賢く使い、将来に向かって、上手にお金を貯めていきたいものですね。
<専門家プロフィール>
風呂内亜矢(ふろうち・あや)
ファイナンシャルプランナー。自宅マンションの衝動買いを機にお金について学びはじめる。現在は、テレビや雑誌など各媒体で「お金に関する情報」を精力的に発信している。
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