失敗しがちな家計節約法の代表例4つ、そのリカバリー法は?
節約を頑張ってもお金が全然貯まらない、いやむしろ減っているのでは……?
そんな悩みを抱えている人は、実は失敗しがちな節約法を選んでいるのかもしれません。そこで今回は「よく耳にするけど実は失敗しがち」という、節約にまつわる間違い・勘違いの代表例を4つご紹介。もし「あ、自分はこのパターンかも」と思ったら、それぞれのリカバリー法を参考に日々の行動を見直して、本当にお金が貯まる節約法を始めてくださいね。
失敗しがち(1)…充実感のある「日々節約」は逆効果かも?
食事や日用品にかけるお金を毎日努力して減らしていると、「日々節約に励んでいる」という充実感がありますよね。でもそれが逆効果のこともあるって知っていましたか?
買い物のたびに出費を減らさなくてはと頑張って、「少し安いからこっちの商品にしよう」と10円、20円の違いを気にして買い物をしても、節約できる金額はさほど大きくありません。逆にこうした努力でストレスがたまってイライラしたり、期間限定のセールなどで少し安くなった商品を、今は不要なのに勢いで多く買い込んだりする危険性もあります。手当たり次第に「何でも節約」、というのは失敗しがちな節約法の代表例なのです。
こうしてリカバリー…「大きく減らせる出費」から節約を検討
節約を意識したら、まず大きく減らせる出費がないかを探しましょう。銀行の通帳やクレジットカードの明細書を参考に家計を見渡して、何となく契約したけど自分にはメリットがない会員制サービス、毎月定期購入しても使い切れていない商品、光熱費、通信費などなど、「定期的な出費で実は不要なもの、もっと減らせるもの」を探すのがおすすめです。家計全体を再検討するのは少し面倒かもしれませんが、一度実行すれば毎月確実に自動的に節約してくれる便利な方法。日々の節約に疲れる前にぜひ実行を。
失敗しがち(2)…節約の王道、「まとめ買い」の落とし穴
「○○個まとめて買えばさらに割引!」というお知らせ、店頭やお買い物サイトでよく見かけますね。こうした「同じ物をたくさんまとめ買いして節約」も、場合によっては失敗するパターンです。まとめ買いをした分だけ保管場所が必要になり、冷凍物や冷蔵物なら庫内のスペースを圧迫。日常の買い物を入れておく場所に苦労したり、しまい込んでいたら消費期限が来て無駄になったり、といったケースも出てくるでしょう。
それにお菓子や日用品などをまとめ買いしておくと、「たくさんあるから大丈夫」と普段より余計に食べたり使ったりする可能性も高く、消費するペースが上がって、結局買い足すことになるなど「何のためのまとめ買い?」と残念な結果になるかも。
こうしてリカバリー…まとめ買いしてOK、NGの公式を持つ
同じ物を複数個まとめ買いして節約するときには、これならOK、これはNGといった基準をもとにまとめ買いをするかどうか決めましょう。
・保管場所があるかどうか。またそれを買ったことで、日常の買い物を置いたり冷蔵庫にしまったりするスペースに支障が出ないかどうか
・賞味期限、消費期限内にちゃんと使い終わる程度の数量かどうか
・まとめ買いしても余計に使わないよう、家族で消費するペースを守れるかどうか
失敗しがち(3)…送料無料の魔力で、逆に出費が増えてませんか?
ネットショッピングで「送料無料」の文字を見つけると、何だかお得と感じていませんか。でもよく調べると、商品の価格が他のショッピングサイトに比べると安くないことも…。あるいはその商品は安くても、購入価格が一定額以上にならないと送料が無料にならないといった条件のこともありますよね。そうした無料の魔力につられて、今買わなくていいものまでカートに入れて条件を満たし、「これで送料が節約できた!」と思い込んで購入ボタンを押しても、実は余計なものを買っているに過ぎません。
こうしてリカバリー…ついで買いは時期や場面を明確にして判断
この間違いを防ぐには、商品選びで送料無料を重視するのではなく、「送料がかかっても本当に欲しいか」と考え直すこと。送料がかかるなら要らない、というならその商品はもともと不要だったということ。
最初に欲しいと思った商品、送料無料のためについで買いする商品ともに
・使うタイミングが数カ月以内、または少し先でも使うことが確定している
・こんなときに使うといった利用シーンが具体的に思い浮かぶ
など、商品を使う時期や場面を明確にしてから、無駄なく購入するようにしましょう。
失敗しがち(4)…クレカや電子マネーでの家計管理は出費増の根源
今はいろいろなところで電子マネーが利用でき、しかもスマホのおかげでクレジットカードや電子マネーが気軽に使えて便利になりました。それなら買い物は全部クレジットカードにして、その履歴を家計簿代わりにすればいいし、プリペイドの電子マネーならチャージした額しか使わないから安心。これで家計管理もできて節約に役立つ、と考える人もいるのでは?
そのやり方は確かにアリですが、実はこれも失敗しがちな節約法です。
その理由はお金の出口だけを見て家計を管理しがちになるから。私が家計について取材した中で、スーパーやコンビニなどで電子マネーをよく使っているご夫婦に話を聞いたことがあります。2人で合計すると月10万円近い金額になっていましたが、毎日の出費の積み重ねだから仕方ないとあきらめていたとのこと。電子マネーはお金を使っている感覚が希薄になりがちで、1回あたりの利用は少額でも、積もり積もって大きなお金になるので要注意です。しかも便利だからと「ここもあそこも電子マネーで」と多用し、残額が足りなくなったからと何度もチャージすることに。使うことにばかり意識がいき、月ごとの予算を決めていなければ支出に歯止めがかかりません。
このほかクレジットカードについても、多くは翌月請求、翌々月請求などになるため、手元に現金がなくても買い物ができてしまうなど、電子マネーやクレジットカードで予算を管理したつもりができていないケースもよくあります。
こうしてリカバリー…お金は出口でなく入口でしっかり管理
この失敗から脱出するには、お金の出口ではなく入口に目を向けること。給与やボーナスなど収入があったときに、まず貯蓄分を先に取り分けて貯める「先取り貯蓄」を実践しましょう。給与なら手取り額の1割~2割を貯蓄専用口座に取り分けておけば、細かく家計簿をつけなくても、お金はしっかり貯まっていきます。そして電子マネーもクレジットカードも毎月使っていい金額を決めるなど入口をしっかり管理、が原則です。
忙しい人こそ、できるだけ簡単で効果の高い節約法を
失敗しがちな節約法とそのリカバリー法を見てわかる通り、効果的に節約や貯蓄をするにはシンプルで簡単なルールに従うことが重要です。毎月一定額出ていくお金(固定費)の見直しで節約が続いたり、「先取り貯蓄」で自然にお金が貯まる仕組みができたりと、手間いらずの方法だから長く続けられるのです。このほか「先取り貯蓄」と似た感覚で、毎月一定額を積立形式で投資する方法もあります。
ただ、目的もなく「ひたすら節約する」のは、精神的にもつらくなりますよね。まずは家族でよく話し合って「何のためにお金を貯めたいのか」、そのために「どんなところを削ったらよいのか」という方向性をすり合わせておきましょう。
そして「先取り貯蓄」で貯蓄額がしっかり確保できていれば、「自分ばかり日々節約している」「相手ももっと節約してくれればいいのに」などとイライラすることも減るでしょう。貯蓄がどれだけ増えたかを家族で共有して達成感を味わえば、「毎月の貯蓄額をもう少し増やしたいね」とお互い協力的になれるはずです。
ぜひ、夫婦で話し合いながら進めてみてくださいね。
文:ファイナンシャルプランナー 西山美紀
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