佐藤光の今日から活かせる「テクニカル分析」講座 みなさん、こんにちは!シニアテクニカルアナリストの佐藤光です。テクニカル分析を始めて20年。私が20年かけて学んだ「テクニカル分析」のエッセンスを全12回にわたってお伝えします! 佐藤光の今日から活かせる「テクニカル分析」講座 目次

みなさん、こんにちは!シニアテクニカルアナリストの佐藤光です。テクニカル分析を始めて20年。私が20年かけて学んだ「テクニカル分析」のエッセンスを全12回にわたってお伝えします!

テクニカル指標編 【第6回】エネルギー系指標(質的指標)

見極めの極意

相場の“質”に着目した指標、「質的指標」について解説します!

普段、スーパーなどで買い物をする時に、何を重視していますか?
“価格”でしょうか? “量”でしょうか?? それとも“質”でしょうか???

これらの要素は、どれも重要ですよね。
私も買い物をする時は、この3つの要素をしっかり確認しています。

きっとみなさんも同じではないでしょうか?
普段の買い物で、これらに注意を払うように、投資の時も同じように注意を払いましょう!
これら3方向から株を見定めることで、より有効な投資ができるようになります。

これまでの回で、価格(株価)については、しっかり学んできましたので、
今回は“質”について解説をしたいと思います!

テクニカル指標 第6回目の今日は、「質的指標」について学びましょう!

質的指標とは?

質的指標とは、相場の“質”に着目した指標です。
では、相場の“質”とはいったい何でしょうか?

簡単に言ってしまうと、株式市場において価格や出来高の直接的な変動以外の要因から、“今、上昇相場(もしくは、下落相場)の何合目にいるのか?”ということを把握するための指標を、質的指標と呼びます。

3合目!

代表的な質的指標(1)新高値・新安値銘柄数

新高値・新安値銘柄数とは?

一定期間の中で、それまでの最高値を更新した時、それを「新高値」と呼びます。

また、それとは逆に、それまでの最安値を更新した時は、それを「新安値」と呼びます。
そして、新高値や新安値の銘柄数は、市場全体の過熱感(買われ過ぎ、売られ過ぎ)を判断するひとつの材料となります。

新高値
新高値

「何だ、それだけのことか」と思ったあなた! ここからが重要ですので、油断は禁物です。

4月は要要要注意!

「新高値・新安値」は新聞でも確認していただくことができます。
2017年3月30日の日本経済新聞朝刊を例に見てみましょう!

赤枠で囲んだ部分に注目!

(出所)2017年3月30日付日本経済新聞朝刊

「新値株」と書かれているのが、「新高値・新安値」の銘柄数のことです。
(  )の中に注目してください。 昨年来 と書かれています。

それでは次。2017年4月4日の日本経済新聞朝刊です。

次は青枠で囲んだ部分に注目!

(出所)2017年4月4日付日本経済新聞朝刊

新値株の隣の(  )の中に注目してください。 年初来 と書かれています。
3月と4月で表記が変わっていますね。

これは、2017年1月から3月までの間は、前年の2016年1月からその日までを一区切りとするので、新高値(新安値)を更新した時は「昨年来」となります。
そして、2017年4月から12月の間は、新高値(新安値)を更新した時は「年初来」となります。
つまり、同じ新高値・新安値の銘柄数であっても、4月を境に算出対象期間が大幅に短くなります。それだけ高値(安値)をつけやすくなるので、結果として銘柄数が大きく増えやすいことに注意が必要です。

昨年来 年初来

チャートを確認しよう!
チャートを確認しよう!

市場全体が天井に近くなると新高値銘柄数が増え、逆に市場全体が底に近くなると、新安値銘柄数が増えます。

新高値も新安値も概ね200を超えてくると警戒ゾーンです。

代表的な質的指標(2)先導株占有率

先導株占有率とは?

先導株占有率とは、株式市場(東証1部)において出来高上位10銘柄の出来高が全体に占める割合のことです。
大商い10銘柄占有率」とも呼ばれます。
株価の上昇局面の終盤では、一部のリーダー銘柄に人気が集中しやすくなります。その状況を表現するために、この指標が用いられます。

計算方法を確認して、構造を知ろう!

計算式
先導株占有率 =
出来高上位10銘柄の出来高合計
市場全体の出来高
× 100%
(注)同様に売買代金で計算する方法もあります。

30%を超えてくると警戒ゾーンです。

先導株占有率 = マーケットのリーダー!

先導株占有率」は、新聞でも確認していただくことができます。
2017年4月4日の日本経済新聞朝刊を例に見てみましょう!

赤枠で囲んだ部分に注目!

(出所)2017年4月4日付日本経済新聞朝刊

売買高上位10銘柄の占有率」と書かれているのが、「先導株占有率」のことです。
先導株占有率が高いか、もしくは高まりつつある時は、市場で物色される柱となる銘柄(中心銘柄)が明らかな時で、マーケットをけん引するリーダーとなる銘柄がいるということです。
株式市場の上昇局面の中盤から終盤によく見られます。

逆に、先導株占有率が低いか、もしくは低下し続けている時は、市場で物色される柱となる銘柄(中心銘柄)が不在で物色が拡散している状態を示します。
株式市場の停滞局面か、上昇局面の序盤によく見られます。

チャートを確認しよう!
チャートを確認しよう!

先導株占有率が30%を超えてピークアウトする場合、相場全体も反落することが多いので注意が必要です。

先導株占有率は、日々の変動が激しいため、通常は5日(1週)移動平均線もしくは25日(5週)移動平均線を用います。

代表的な質的指標(3)騰落レシオ

騰落レシオとは?

騰落レシオとは、株式市場全体の値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率から、市場の過熱感を見る指標のことです。
値上がり/値下がり銘柄数の偏りから、買われすぎ、売られすぎを判断することができます。

計算方法を確認して、構造を知ろう!

計算式
騰落レシオ(25日) =
値上がり銘柄数の25日間合計
値下がり銘柄数の25日間合計
× 100%

騰落レシオは、株式市場の取引期間を一定の期間(25日を用いることが一般的です)で区切り、その期間の毎日の値上がり銘柄数の合計を値下がり銘柄数の合計で割って求めることができます。

値上がり銘柄数と値下がり銘柄数が同じなら、騰落レシオは100%になります。
値上がり銘柄数が多い時は、騰落レシオは100%を超え
値下がり銘柄数が多い時は、騰落レシオは100%を下回ります。

ご参考

140% かなりの買われ過ぎ。大きな過熱感のある水準ですが、株価はすぐには下がらないこともあります(後述)。
120% 買われ過ぎ。株価が高値圏。
70% 売られ過ぎ。株価が底値圏。
60% かなりの売られ過ぎ。絶好の買い場と見る人が多い。

25日騰落レシオは、短期〜中期的な投資タイミングの判断に活用できます!

チャートを確認しよう!
チャートを確認しよう!

東証1部の場合、過去の平均的なボトム水準は70%、ピーク水準は120%と言われてきましたが、最近では、ピークが120%を大きく上回ることが多くなってきました。

それではここで、とても大切な法則をお伝えしたいと思います。

上記のチャートでも示されていますが、騰落レシオが120%を大きく上回る場合、株価のピークは騰落レシオのピークから遅れて(最大で1カ月も!)くる傾向があります。
この法則、覚えておいて損はないと思います!

株価のピークを狙いたい時は、騰落レシオをチェックしてみましょう!

関連ワード

オンライントレードにログイン!

それでは本日の締めくくりに、本日解説した“騰落レシオ”を確認しましょう!
大和証券のオンライントレードの「多機能チャート」には、テクニカル分析に強くなる機能がたくさん揃っています。

step1

大和証券オンライントレードにログイン

 
step2

検索窓から銘柄を検索
※4桁の銘柄コードでも銘柄名でも、どちらでも検索できます。

 
step3

多機能チャートをクリック

 
step4

ダイワの多機能チャートなら、本日解説した“騰落レシオ”を簡単に表示することができます!
<騰落レシオ>

テクニカル指標編【第6回のまとめ】

質的指標は、株価と違って、いつも気にしておかないといけないものではありません。

私は天井を見極める時に使います。

「もう売ってしまったほうがいい?」
「まだ持っていても大丈夫?」
と心配になった時に、使っていただける指標です。

私のおすすめは騰落レシオです!
みなさんも困ったときに使えるように、多機能チャートで使い方を確認しておいてくださいね。

テクニカル分析講座もいよいよ次回が最終回です。
最後までどうぞよろしくお願いします!

「質的指標」について理解していただけましたか?次回もお楽しみに!

本ページは、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する最終決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
本ページは当社が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されていますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
また、本ページに記載された意見や予測等は、ページ作成時点の当社の判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。
市場区分についてはページ作成時点での情報です。

お取引にあたっての手数料等およびリスクについて

手数料等の諸費用について

  • 株式等の売買等にあたっては、「ダイワ・コンサルティング」コースの店舗(支店担当者)経由で国内委託取引を行う場合、約定代金に対して最大1.26500%(但し、最低2,750円)の委託手数料(税込)が必要となります。また、外国株式等の外国取引にあたっては約定代金に対して最大0.99000%の国内取次手数料(税込)に加え、現地情勢等に応じて決定される現地手数料および税金等が必要となります。

ご投資にあたってのリスク等

  • 株式等の売買等にあたっては、価格等の変動(裏付け資産の価格や収益力の変動を含みます)による損失が生じるおそれがあります。また、外国株式等の売買等にあたっては価格変動のほかに為替相場の変動等による損失が生じるおそれがあります。
  • 信用取引を行うにあたっては、売買代金の30%以上で、かつ30万円以上の委託保証金が事前に必要です。信用取引は、少額の委託保証金で多額の取引を行うことができることから、損失の額が差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

ご投資にあたっての留意点

  • 取引コースや商品毎に手数料等およびリスクは異なりますので、上場有価証券等書面、契約締結前交付書面、目論見書、等をよくお読みください。
  • 外国株式の銘柄には、我が国の金融商品取引法に基づく企業内容の開示が行われていないものもあります。

このページの先頭へ