前回のテクニカル指標編 第1回「移動平均線」では、
移動平均線が「上値抵抗線」や「下値支持線」になることを学びましたが、
今回は移動平均線Part2として、移動平均線の「向き」に注目する方法を学んでいきたいと思います。
この「向き」とは「トレンド」のことです。
「ん? トレンド? 何か聞いたことあるな...」と思われた方!
株価チャート分析編の第2回「トレンドの見極め方」で学んだ「トレンド」を思い出していただけたかと思いますが、
今回注目するトレンドは「株価の動く方向」ではなく、「移動平均線の動く方向」です。
テクニカル分析の基本の「き」とも言える「移動平均線」。
テクニカル指標編 第2回目の今日は、移動平均線と株価の位置関係や移動平均線の向きを見ることで、
売買のタイミングを判断する方法「グランビルの法則」について学びましょう!
グランビルの法則とは、移動平均線を考案した米国のチャート分析家 ジョセフ・E・グランビル氏によって編み出され、株価と移動平均線の組み合わせや位置によって売買のタイミングを判断しようというものです。
このグランビルの法則は、買いのポイントが4つ、売りのポイントが4つの計8つのポイントで構成されています。
それではこのグランビルの法則の出現パターンを確認しましょう!
グランビルの法則~出現パターン~ |
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買いポイントとは、この後株価が上昇する可能性が高いので、買うタイミングを教えてくれるポイントで、売りポイントとは、この後株価が下降する可能性が高いので、売るタイミングを教えてくれるポイントです。
がっかりさせるかもしれませんが、出現パターンのような順番通りに現れることはほとんどありません。そして、1つの波動の中ですべてが現れるものでもありません。ですので、各ポイントをしっかり押さえて転換点に気付けるようになりましょう!
それでは、各ポイントを確認していきましょう!
買いポイント
買いポイント(1)
横ばいもしくは上向きに変わりつつある移動平均線を、株価が下から上に抜いたら買い!
株価が下落傾向の間、移動平均線は概ね株価より上にありますが、株価が上昇傾向に変わってくると、移動平均線も徐々に向きが変わり、株価が移動平均線を下から上に抜きます。
買いポイント(1)は、株価が底打ちして上がり始めたことを判断する際に使います。
トレンドの転換点となるとても大切なポイントです!
ひとつの波動の中で、トレンドの転換点は1回だけの登場です。
<こんな時に使える!> 底値に近いところで買いたい!
買いポイント(2)
上昇中の移動平均線に向かって株価が下落し、移動平均線を下回ったら買い!
みなさんご存じのように、株価は1本調子に上昇することはありません。上昇の途中で押し目を付けることが多々あり、そのような時に買いポイント(2)が出現します。
ひとつの波動の中で何回でも登場するのが買いポイント(2)です。
<こんな時に使える!> 押し目買いしたい!
買いポイント(3)
上昇中の移動平均線と株価が接近したら買い!
株価が移動平均線の上にあって、株価が移動平均線に向かって下落してきた時、移動平均線と交差することなく再び上向きに転じた時は、やはり押し目と判断できます。
この買いポイント(3)も、ひとつの波動の中で何回も見つけることができます。
<こんな時に使える!> 押し目買いしたい!
買いポイント(4)
下降中の移動平均線から、株価が下に大きく乖離したら買い!
株価が大きく低下し、移動平均線の下に大きく落ち込む時は、自律反発が期待できるので買いのポイントとなります。この投資手法を逆張りと言います。
また、株価が移動平均線から離れることを「乖離(かいり)」と呼び、移動平均からどれくらい現在の株価が離れているかを%で表したものを移動平均乖離率と言います。
この移動平均乖離率、「多機能チャート」で簡単に確認することができるので、「オンライントレードにログイン!」コーナーで多機能チャートを使ってご説明します!
ちなみにこの買いポイント(4)も、ひとつの波動の中で何回も見つけることができます。
<こんな時に使える!> 株価の自律反発を狙いたい!
売りポイント
売りポイント(1)
横ばいもしくは下向きに変わりつつある移動平均線を、株価が上から下に抜いたら売り!
移動平均線の上にあった株価が、天井を打って下がり始めると、移動平均線の向きも徐々に下向きに変わってきます。
トレンドの転換点となるとても大切なポイントです!
ひとつの波動の中で、トレンドの転換点は1回だけの登場です。
<こんな時に使える!> 天井を付けたことを確認してから売りたい!
売りポイント(2)
下降中の移動平均線に向かって株価が上昇し、移動平均線を上回ったら売り!
みなさんご存じのように、株価が1本調子に下落することはありません。下落の途中で一時的な上昇(戻り)があることが多々あり、そのような時に売りポイント(2)が出現します。
ひとつの波動の中で何回でも登場するのが売りポイント(2)です。
<こんな時に使える!> 戻りが来たところで売りたい!
売りポイント(3)
下降中の移動平均線と株価が接近したら売り!
株価が移動平均線の下にあって、株価が移動平均線に向かって上昇してきた時、移動平均線と交差することなく再び下向きに転じた時、売りポイント(3)が出現します。
戻り場面でも、その力があまり強くないと、移動平均線の付近で株価の戻りが止まることがよくあります。
この売りポイント(3)も、ひとつの波動の中で何回も見つけることができます。
<こんな時に使える!> 戻りが来たところで売りたい!
売りポイント(4)
上昇中の移動平均線から、株価が上に大きく乖離したら売り!
移動平均線が上昇している場合でも、株価が移動平均線とかけ離れて大きく上昇した場合、反動で大きく下がってしまうことが多々あるため、売りのポイントとなります。
また、この場合も買いポイント(4)と同様に「乖離(かいり)」という見方を使うので、「オンライントレードにログイン!」コーナーで多機能チャートを使って詳しくご説明します。
ちなみにこの売りポイント(4)も、ひとつの波動の中で何回も見つけることができます。
<こんな時に使える!> 株価が自律反落する前に売りたい!
グランビルの法則を使う際には、以下のことに気を付けてください!
出現パターンで見たような順番通りに、各ポイントが現れることはありません!
残念に思われるかもしれませんが、出現パターンのような順番で各ポイントが現れることはありません。
そして、1つの波動の中に買いポイント(1)~(4)、売りポイント(1)~(4)が全て出るというものでもありません。出るかどうかは別!としても、各パターンに出会った時に気付けるようにしておきましょう。
チャートを確認しよう! |
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各ポイントの特徴(買い・売り共に共通)をしっかり押さえましょう!
買いポイント(1)、売りポイント(1)は、トレンドの転換点で、ひとつの波動に1回だけあるもので、とても重要ですが、きれいに現れるとは限らず、判断が難しいポイントです。
買いポイント(2)~(4)、売りポイント(2)~(4)は、波動の中に何回でも見つけることができます。
買いポイント(4)、売りポイント(4)は、以前紹介した移動平均乖離の考え方と同じです。
チャートを確認しよう! |
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200日移動平均線を使って判断しましょう!
法則の発祥の地アメリカでは、伝統的に200日移動平均線を使って判断します。私も、200日移動平均線を使用しています。
ですので、みなさんもぜひ「200日移動平均線」を使ってみてください。
「向き」を判断するには、週とか月だと粗すぎて「向き」の判断には向きません。
200日(40週間、9~10ヵ月程度)移動平均線の期間の長さが丁度良いです。
チャートを確認しよう! |
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それでは本日の締めくくりに、移動平均乖離率を確認しましょう!
大和証券のオンライントレードの「多機能チャート」には、テクニカル分析に強くなる機能がたくさん揃っています。
大和証券オンライントレードにログイン
検索窓から銘柄を検索
※4桁の銘柄コードでも銘柄名でも、どちらでも検索できます。
多機能チャートをクリック
ダイワの多機能チャートなら、「移動平均乖離率」を簡単に表示することができます!

銘柄や期間によってこの法則が当てはまる、当てはまらないがありますので、
多機能チャートを使って確認してみましょう!

テクニカル指標編【第2回のまとめ】
移動平均線の「向き」に注意を払いましょう。
上を向いてるのか?下を向いているのか?
それによって「買いと売り」どちらに動けばいいのかが変わってきます。
移動平均線を味方に、相場を正確に読む力を付けましょう!

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