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「株と為替の値動き」って具体的にはどういうこと?株価ニュースの見方講座【その1】

公開/2022年8月

テレビでニュースを見ていると流れてくる株価のニュース。「日経平均」や「為替の値動き」について、理解しているようで実は理解できていないなと思ったことはありませんか?この記事では株価ニュースの見方を紹介するとともに、自分の持っている株への影響についてどんな点に着目すれば良いか、『投資の学校 Global Financial School』校長の市川雄一郎さんにお話をうかがいました。

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あらためて「日経平均株価」って何?

日経平均株価は“日本代表企業”の株価を指数化したもの

ニュースを見ていてまず紹介されるのが「日経平均」。
「日経平均株価は、日本の株式市場の代表的な株価指数の一種です。日本を代表する225の大型株(時価総額と流動性が高い銘柄)を加重平均して構成しています。日本の上場会社数は3,800社くらいですが、その中の選りすぐりの225社の株価からなる指数です」と市川さん。
「日経平均の動きを見れば、大きな日本経済の動向がつかめますから、ニュース等でも毎日紹介する株価指標ですね。特徴としては、加重平均なので一部の大型株の動向に引っ張られやすいですね。例えば、ユニクロを経営しているファーストリテイリングは、一時10%近くの影響がありました。他にも、ソフトバンク、KDDI、東京エレクトロン等の影響も大きいです。この点を頭の隅に置いて見てみてください」(市川さん)

上がれば日本経済は好調?日経平均株価をチェックするときのポイント

「日本の株式市場は、7割が外国人投資家と呼ばれる海外の投資家です。日経平均株価は、彼らも注目する指数の一つ。多くの投資家が注目する株価指数なので、全体的な経済の傾向を見ていく上では、大きな目安になるといえます。
初心者の方でしたら、日経平均株価は直近の動きを確認し、トレンドを知るために利用されてはいかがでしょうか。現在の株式市場が下がっているのか、上がっているのかを確認し、状況を把握するのに役立つと思います」(市川さん)

NYダウとナスダックについて

日経平均株価と同じくらいよく耳にするNYダウとナスダック。こちらも、改めて市川さんにご説明いただきました。
「NYダウというと、ダウ・ジョーンズ平均ですね。ダウ・ジョーンズ工業平均株価が一番有名で、たった30銘柄で構成されています。“アメリカの起業家の勲章”とも言われるくらい、最も知名度があり、活躍している企業が選ばれています。
特徴としては、業種の偏りがないように、各業種から1社ずつが選定されています。銘柄入れ替えは大きなニュースになるほど。株価動向にも影響があります。

一方、ナスダックは、IT企業や新興企業が多いのが特徴です。新興企業が多い市場ですが、Googleやテスラなどの大企業や、社会に大きく影響を与える存在になりうる企業、今後の成長企業も隠れています」(市川さん)

NYダウやナスダックをチェックすることで、アメリカ経済の置かれている状況を大まかに捉えることができるわけですね。

日経平均株価、わたしの持っている株や投資信託の価格に影響があるの?

ニュースで聞いた今日の日経平均株価。実際にわたしたちの持っている株には、どのような影響があるのでしょうか。

「保有している銘柄によって違ってきます。大型株をお持ちの場合は、日経平均株価の影響を受けやすいかもしれません。と言うのも、外国人投資家は大型株中心に投資する傾向があるので、日経平均の上下につれて他の銘柄にも同じようなスタンスで投資する可能性があります。もちろん、大前提として、業績、売上、ROE(自己資本利益率)(※)などの投資家へのリターン重視です。
小型株をお持ちの場合は、大型株が下がっている際に、小型株が買われることはあり得ます。小型株は、値上がり重視で投資する投資家が多いので、全体の影響より、個別銘柄の業績などに左右されるからです」(市川さん)

スマートフォンで株価を確認している様子

「日経平均株価」に影響があるのはどんなニュース?

日経平均株価やNYダウについてご説明いただいたところで、肝心のニュースと株価の関係をうかがってみました。一言でニュースと言っても、国内の政府の政策から、災害情報、海外のニュースまで、さまざまなジャンルがあります。どのようなニュースに市川さんは注目されるのでしょうか。

企業業績見通し発表や日本国内の政策(少子化対策、景気対策など)、自然災害も株価に影響が!

「企業業績のニュースは、業績見通しを大きく上方修正する等のニュースで、株価が上がりやすくなりますが、予定通りの場合は、“失望売り”となることも。一方、国の政策の影響は、分かりやすくて重要です。日本がどの方向に向かっていくのかを示すものだからです。例えば、これから政府が大型投資をするとなれば、日本の経済が好景気となり、株価が良い方向へ向かう可能性があります。政策が分かりやすければ、海外投資家も含めて投資を計画するからです。例えばアベノミクスの際は、“3本の矢”という分かりやすいスローガンが評価され、日経平均株価は上がりました。

また、東日本大震災などの大災害も、株価に大きな影響がありました。一時的に1,000円前後の暴落は珍しくありません。大災害には、政府がしっかり対応を進める場合が多いので、多少時間がかかっても株価は災害前の水準まで戻していくことが多いようです」(市川さん)

「日経平均株価」に影響がある海外ニュースは、『経済カレンダー』で先読みチェック!

ロシアのウクライナ侵攻で日経平均株価が大きな影響を受けました。海外の戦争など、外国要因の不安要素は、どのようなニュースに注目すべきでしょうか。

「そうですね、外国人投資家が7割を占めますから、日経平均株価は海外のニュースの影響を受けやすいと考えて良いでしょう。そこで提案ですが、『経済カレンダー』という各種指数の発表日などのお知らせサイトがあります。こちらを定期的にチェックするのはお勧めです。各種指数の発表前後には、株価が大きく動く可能性があるからです。
先ほどもお伝えしたように、GDPに占めるアメリカの個人消費は70%にものぼり、個人の消費が経済を支えているところがあります。大きな買物である、住宅の販売件数を発表する『新築住宅販売件数(米国)』、消費マインドの傾向がつかめる『ミシガン大消費者信頼感指数(確報値)』は要チェックです」と市川さん。
「景気が良くなれば、家を買う人が増えますし、同じ意味では、『自動車販売台数(米国)』も注目です。アメリカでは、日本車販売の割合も高いので、日本の景気にも影響があります」(市川さん)

為替や金利の変動は、株価に大きな影響が

「為替相場の動きは株価変動に大きな影響を与えます。例えば、トヨタ自動車は、1円の円安で、数百億円利益が上振れすると言われているように、輸出企業にとって円安はプラス要因の一つです。日経平均株価の構成銘柄には輸出企業が多く採用されているため、教科書通りにいえば、円安に振れると、日経平均株価はプラスになりやすいということになります。
ところが現在は円安ながら、例外的な状況で、原油が高騰していることでコストが高くなり、株価に影響が出ています。円安の状態のまま原油が安くなれば、日経平均株価はプラスになる可能性が高いでしょう。

また、政府が決める『政策金利』が上がると、原則として、お金を借りて設備投資をする企業にとっては金利分出費が増えるので、業績にはマイナスとなる可能性が高いです。反対に、金利が下がる場合は、プラスとなります。
日銀は金融緩和でゼロ金利を継続中ですが、アメリカをはじめ、欧州もインフレ対策に金利を上げてきています。投資を考えるなら、アメリカのドル預金等をしておけば2〜3%のリターンが得られる可能性が高いです。金利格差がどんどん広がり、為替相場に大きな影響が出はじめています」(市川さん)

金融データ処理と株式チャートのイメージ写真

為替とは?株価にはどんなふうに影響するの?

為替相場という単語が出てきたので、あらためて為替についておさらいしましょう。

為替(外国為替)とは、外国為替市場において異なる通貨が交換(売買)される際の交換比率のこと

外国と貿易をしていると、それぞれの国で使用している通貨が異なります。そのままでは取引ができないので、通貨の交換比率が外国為替市場で決まってきます。例えば、最近は1ドル=130円台です。
「為替相場は、誰かが一方的、恣意的に決めるわけではありません。市場での需要と供給のバランスによって決まります。今、円安が進んでいるのは、日本は金融緩和を継続中でゼロ金利である一方で、アメリカをはじめ外国では金融引き締め政策へ転換しているので、金利差が生じているからです。金利が高い資産(現在の米ドルなど)で運用したほうが金利収入をたくさん得られるので、円を売ってドルを買う動きが強くなって、結果として、円の価値の下落につながるのです」(市川さん)

為替相場の動きで、日経平均株価に影響が出ることも

「基本的には、円高になれば輸出企業にとってはマイナスになりやすい一方で、輸入企業はメリットが大きいと言えるでしょう。企業の業績にも影響がありますので、為替相場の日経平均株価に対する影響は大きく出ることも。ところが、経済は複雑で、基本通りにはいかない場合もあります。現在は、例外の状況です。原因は、原油高の影響が大きく、コストが為替の利益を圧縮しているからです。

原油相場は、必ずチェックしてほしい指標の一つです。ものを生産し流通させる経済活動において、なくてはならない原油ですが、日本はその99.7%を輸入に頼っているため、為替の変動は企業業績に大きく影響するからです」と市川さん。

米国の新聞と地球儀

為替相場はどんなときにどう動く?株価への影響はどうなの?

為替相場が動くニュースはどんなもの?

「ダイレクトに影響があるのは、金利政策のニュースです。例えば先日のアメリカの金融引き締めニュース※は、引き締め幅が大きく、サプライズの面もありました。影響が大きく出た結果、急激な円安・ドル高となっています。日銀は金融緩和を継続中のため政策金利を引き上げた米国との間に金利差が広がり、ドルへお金が流れやすい状況となり、円安状態となっています。円安・ドル高で、輸出企業の株価にはプラス要因です。

一方、円安で国内物価が上昇してきている面があります。例えば、小麦粉はほぼ輸入なので、小売り価格に転嫁され、コンビニのパンも値上がりしています。日銀はインフレ率2%を目標としていました。現在インフレ率は2%を上回ってきていますが、一過性のものだという考えで、金融緩和を継続しています。国内物価が上がり、消費者が買い控えを始めるようになると、企業の業績が悪くなり、株価が下がる可能性があります」(市川さん)

※アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)は2022年6月15日、約30年ぶりとなる0.75%の利上げを発表

為替変動に強い投資商品はある?

為替の変動が大きいときに持つべき商品はあるのでしょうか。市川さんは、外国通貨建ての商品を持ってみては、とアドバイス。
「日本円だけ、などの一国の通貨だけで資産を持っているのは、お金の価値が変動している場合にも気づきにくいからです。例えば、世界の中心で動いている通貨である、米ドルは持っておくべきでしょう。現在なら、外貨預金や外国通貨建て投資信託等はいかがでしょうか。積立投資にすれば、為替変動の影響も緩和されます。

例えば、外国の株を買うために外国通貨の準備をする、というアプローチもありますね。米ドルだけでなく、詳しく知っていたり、“旅行に行きたい”などの興味がある国の通貨は管理しやすいはずです。興味があるということは、情報が入りやすいからです。逆に、『周りの人が買っているから』などの理由で投資する通貨を選ぶと、その後のフォローが心配です。外貨投資も、しっかり調査を怠らないようにしましょう」と市川さん。

女性が朝刊を読んでいる様子

まとめ

株価変動は大きな一つのニュースだけで決まるのではなく、さまざまな要因(為替や金利の動向、原油価格、消費、経済、政治動向など)が連鎖的に影響を及ぼすようです。世の中のさまざまなニュースに耳を傾けることで、株価の動きの方向性をあらかじめ考えてみてはいかがでしょうか。

「リスクを分散するためにも、米ドル積立預金などで、米ドルを持っておいても良いのではと思います。まだ『ちょっと投資できないな』という方は、少額の外貨預金からでも、投資を始めてみましょう!」(市川さん)

取材協力

市川 雄一郎さん

CFP (日本FP協会認定)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士 (国家検定資格)、証券外務員二種の資格を持つ。現在、顧客相談業務、講演業務、講師業務、金融機関へのアドバイザーなども行ない、メディア活動も多い。共著本は多数あるが、初心者向けの「はじめての資産運用」(日本経済新聞社)は改訂版を含めて計10刷まで増刷された。独自の視点で経済を読み解き、難解な経済用語をわかりやすく伝えることに定評がある。

取材・執筆/大倉 愛子

※取材は2022年6月24日に行いました。記事で紹介している株価や為替相場については、インタビュー当時の内容となります。

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