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女性のキャリアで変わる「お金の増やし方」【DINKS編】

公開/2020年9月

芸人としても活躍するファイナンシャル・プランナー(FP)のさんきゅう倉田さんに、女性のライフスタイルに応じたお金の増やし方を紹介してもらう「女性のためのお金の増やし方講座」。今回はDINKS(子どものいない共働き家庭)編です。周りの芸人さんの話も交えて、たっぷり語ってもらいました。

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DINKSだからこそ、実は家計のリスクもある!?

DINKSのイメージ写真

ダブルインカム・子どもなしの油断

共働きで子どものいない「DINKS」。ダブルインカムで、夫婦2人でお金を使えるため、一般的にお金に比較的ゆとりがある家庭が多いでしょう。老後資金に不安を抱える人が多いなか、DINKSは子育て費用がかからない分、ついつい油断をして浪費しがちなケースも見られます。また、夫婦それぞれに収入があるため、お財布が別々になり、お互いの貯蓄状況を把握できていない家庭も多いかもしれません。

芸人、ファイナンシャル・プランナー、ライター、ワインエキスパートとたくさんの肩書を持つさんきゅう倉田さんは「さらに、DINKS家庭は、生活水準が上がって、出費が収入ぎりぎりになりがちなので要注意です」とアドバイスします。

「DINKSの方は2つに分かれる気がしますね。『仕事をがんばって、お金を堅実に貯めているタイプ』と『とにかく今を楽しみ、お金のことは後回しのタイプ』。前者なら、仮に夫婦が別々のお財布でも、それぞれがしっかり貯蓄できていれば問題ないと思います。

一方で、後者のタイプは私の知人にもいて、日々の食事やバンド活動(趣味でも仕事でも)にお金をかけすぎて、将来に備えている様子がありません。もちろん、今を楽しむことはすごく大事なのですが、将来の楽しみもちゃんと考えておくべきですよね。 だからこそ、今の楽しみと将来の楽しみを両立する方法を知ることも重要ではないでしょうか」(倉田さん)

想定外は起こる

「今は生活に問題がなくても、もし病気などで夫婦のどちらかの収入がなくなったら生活が成り立たなくなります。一度上がった生活水準を下げるのは難しいので、老後まで見すえて、マネープランを立てていくことが大事だと思います」(倉田さん)

倉田さんのまわりでは、今回のコロナのような突然の事態に直面して、収入が下がり、預貯金もなくて困っている人もいるそう。

「収入はどうしても変動する可能性がありますから、万一下がったときに生活に困らないように、ある程度の資産を持っておきたいですよね。また、マネーの知識も大切。私の芸人仲間で、そもそも国民年金保険料を払っていないのに、60歳から年金がもらえる(※正解は「国民年金保険料をきちんと払っていれば、現状では年金をもらえるのは原則65歳から」)とダブルで勘違いしている人もいました。今の生活がなんとかなっていたとしても、先々のことも考えて準備をしていきたいですね」(倉田さん)

DINKS家庭がお金を増やすには、大きく3つの方法が

お金を増やす方法とは

では、DINKS家庭がお金を上手に増やしていくには、どんなコツがあるのでしょうか。お金を増やすには、まず「収入を増やすこと」と「支出を減らすこと」の2つの方法が考えられます。

副業にチャレンジ

「収入を増やすこと」では、例えば、今の勤務先で昇進・昇給を目指したり、転職をしたり、副業で副収入を得る(※会社によって副業が禁止されている場合もあるため、会社員の場合は就業規則に準じる)といった方法が考えられそうです。「今の仕事が好きな方は、昇進・昇給を目指すのがいいと思いますね」と倉田さん。

「私は、転職をあまりおすすめしません。やみくもに転職をすると、前職のスキルや人間関係をうまく活かせず、生涯賃金がダウンしてしまうケースもよく見られるからです。もちろん、仕事のやりがいを求めるなら転職はありだと思いますけれど、それよりも今の仕事をがんばって収入を上げるか、趣味があれば副収入につなげてみることをおすすめしたいです。その方が、リスクが低いですし、始めやすいですよね」(倉田さん)

住む場所を変える

「支出を減らすこと」では、保険や住宅ローンの見直しによって固定費を下げたり、外食の頻度を減らしたりという方法がありそうです。また、リモートワークが導入されているDINKS家庭なら「居住地を変更することも一案」と倉田さんはいいます。

「リモートワークで出社する必要がなくなれば、都心に住まずに、郊外に引っ越しをして住居費を下げるという方法もありますね。子どもの転校などを考える必要もないので、引っ越しへのハードルは低くなるでしょう。ただし、個人事業主の方は、都心に住む方が、フットワークが軽くなって、仕事を得やすいと思います。芸人である私も、仕事を引退するまでは、今のところは郊外に引っ越しの予定はないかな……。

あとは、住宅ローンや保険についても、見直しをしてみると大きく節約できる可能性があるので、ぜひ一度調べてみてください」(倉田さん)

つみたてNISAやiDeCoなどの投資

その他、「投資」によって、お金を増やす方法も考えられます。元・国税局職員だった倉田さんが、おすすめしているのが「節税」にもつながる方法です。

さんきゅう倉田さんが語っている様子

「つみたてNISAやiDeCoは、投資で出た利益に対して20.315%の税金がかかりませんので、メリットが大きいですよね。さらにiDeCoなら、掛金が所得控除される点も魅力です。収入が高い方は、節税効果がさらに高くなります。

特に会社員の方には、NISA もiDeCoもふるさと納税も、全部おすすめしたいです。あと、売れっ子で税金をたくさん払っている個人事業主の方も!」(倉田さん)

NISA・つみたてNISA・iDeCoの特徴

NISA つみたてNISA iDeCo
対象者 20歳以上 20歳以上 60歳未満
利用限度額 年間120万円 年間40万円 月額1万2,000円〜6万8,000円
(職業によって異なる)
運用時の
非課税期間
最長5年 最長20年 引き出しまで
節税メリット 運用益が非課税 運用益が非課税 1.運用益が非課税
2.掛金が全額所得控除の対象
3.受取時に税制優遇
引き出し いつでも可能 いつでも可能 原則60歳以降
NISA
対象者 20歳以上
利用限度額 年間120万円
運用時の
非課税期間
最長5年
節税メリット 運用益が非課税
引き出し いつでも可能
つみたてNISA
対象者 20歳以上
利用限度額 年間40万円
運用時の
非課税期間
最長20年
節税メリット 運用益が非課税
引き出し いつでも可能
iDeCo
対象者 60歳未満
利用限度額 月額1万2,000円〜6万8,000円
(職業によって異なる)
運用時の
非課税期間
引き出しまで
節税メリット 1.運用益が非課税
2.掛金が全額所得控除の対象
3.受取時に税制優遇
引き出し 原則60歳以降

※制度の情報は2020年9月時点のものであり、今後変更となる場合があります。

※2023年1月1日より「20歳」と記載の箇所は「18歳」となります。

DINKSこそ投資すべき理由

DINKSが投資について語っている様子

投資でトリプルインカム!?

収入がダブルであるDINKSは、子育て中の家庭に比べて、教育費がかからない分、お金に余裕があるといえそうです。とはいえ、まだ投資に踏み出しておらず、「資産はすべて預貯金」という方も多いでしょう。「預貯金だけというのは、私はメリットを感じないです」と倉田さん。

「確かに銀行にお金を預けておけば、家で盗まれないですむ点が安心ですけど……今は金利も低いですしね。『お金を増やしたい』と思ったら、投資をぜひ検討してみてほしいです。相場の動きはありますが、預貯金よりは増える可能性が高いのではないでしょうか。特にDINKSの場合、ダブルインカム+投資収入で、トリプルインカムの可能性もあります」(倉田さん)

ライフスタイル×株主優待で、今も将来も楽しい

「また、株主優待をもらえる株があるのも魅力です。旅行やグルメなど、趣味やライフスタイルに合わせた株主優待をもらうのが楽しいのではないでしょうか。株なら今を楽しみながら将来にも備えることができます。ちなみに、最近うちに届いた株主優待は『メガネの割引券』です。でも、今のところメガネは足りていて、その券はまだ活用できていないですけどね」(倉田さん)

夫婦仲良く世の中の動向を注目

投資に興味を持った方は、証券会社のHPにあるマーケット動画やセミナー情報を見て、基本から学んでいくのも手です。無料で見られる情報も多いので、一度チェックしてみましょう。

投資は単にお金を増やすことだけが目的ではなく、例えばSDGs(※)に取り組んでいる企業の株を買うことで、間接的にSDGsにかかわることになり、社会貢献にもつながります。また、夫婦ともに仕事があって忙しいと、会話のタイミングも減り、すれ違いが起こってしまうこともありますが、投資を始めると、「今日、この株が上がったよ」「それはきっと、○○という理由なのかな」などという具合に、夫婦の会話も増えるのではないでしょうか。

「投資をすれば、夫婦で政治や経済の話をする機会が増えて、夫婦円満になることもあるかもしれませんね。また、世の中の動きを知ることで、今の仕事にもきっと役立つと思います」(倉田さん)

※2015年に国連にて採択された「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))」のこと。貧困や格差の解消、教育や保健の充実、ジェンダー平等の実現など、世界中で取り組むべき重要な目標とされ、注目を集めている

DINKSの投資の始め方

DINKSが投資を始めている様子

まずはチャレンジ

では、DINKS家庭が投資をしようと思ったら、何から始めたらよいのでしょうか。「いやいや、身構えずに気軽な気持ちで始めていいと思いますよ」と倉田さん。

「自分のお小遣いで投資する分には、『バッグを買うのと同じような感覚』で、特にパートナーにじっくり相談しなくてもいいのでは、と思います」(倉田さん)

楽しい目標を立ててみる

「ただし、夫婦共有の財産で投資をする場合には、勝手に投資して何かあったら大変ですから、しっかり話し合いたいですね。『今後大きな出費がありそうか』『どんなことにお金を使っていきたいか』を夫婦でイメージして、それらに必要な貯蓄と、投資にまわしていくお金を考えていきましょう。

私の知り合いの夫婦で、『投資をして増えたら、旅行をしよう!』と夫婦で楽しみながら投資をして、実際に何度も旅行に行っている人がいますよ」(倉田さん)

どれくらいのお金を投資にまわしたらよいか、投資のお金をどこから捻出したらよいかなど悩んだら、マネー記事を参考にして家計を見直すのもよいでしょう。

「すぐに投資を始めたいならNISAで株や投資信託を買うのもいいですね。少額で積み立てていきたいと思ったら、つみたてNISAが選択肢になるでしょう。DINKSは投資資金も比較的多いと思いますので、『複数の株と投資信託』といった具合に、投資先や投資方法を分散させるのもおすすめです。

ただし、全然知らないところの株を買おうとすると、調べるだけでものすごく労力がかかってしまいますから、最初は『自分がよく知っている会社の株』から始めてみるといいと思います」(倉田さん)

情報が充実している大手証券会社

投資初心者さんにとっては、実際にどこの証券会社で投資を始めるかについても悩みどころでしょう。大手証券会社なら、「安心感があり、“規模の経済”が働くのもメリット」と倉田さんは言います。

「大手証券会社のHPは、詳しい用語解説を読めたり、投資をした場合のシミュレーションができたりと、情報が充実していますよね。“規模の経済”といって、規模が大きければ、コストが下がる効果が働いて、サポートサービスなどの充実にもつながっていると思います。

何より、全然知らない証券会社だと、『ここの会社で投資を始めても本当に大丈夫か……?』と不安になりますよね。その心配がいらないのもポイント。忙しいDINKSの方は、大手の証券会社なら手間をかけずに安心して始められるのも魅力でしょう」(倉田さん)

投資をすることで、お金を増やすだけでなく、夫婦のコミュニケーションが増えたり、株主優待などを楽しんだりと、人生の幅が広がっていくことも期待できそう。気になった方は、HPで情報をチェックしてみてはいかがでしょうか。

取材協力

さんきゅう倉田さん
さんきゅう倉田さん

芸人、ファイナンシャルプランナー、ワインエキスパート

大学卒業後、東京国税局に入庁。約2年勤務したのち退職。NSC(吉本総合芸能学院)東京校に入学。現在は、税金や確定申告を題材にした芸風で講演会を行なう他、関連する書籍、ネットでの連載記事等の執筆も多数。常に向上心を忘れないために“日本で2番目くらいにおもしろいFP”を自称。

取材・文/西山美紀

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