女性のキャリアで変わる「お金の増やし方」【専業主婦編】

公開/2020年8月

芸人としても活躍するファイナンシャル・プランナー(FP)のさんきゅう倉田さんに、女性のライフスタイルに応じたお金の増やし方を紹介してもらう「女性のためのお金の増やし方講座」。はたして専業主婦の場合はどうお金を増やすのか。周りの芸人さんの話も交えて、たっぷり語ってもらいました。

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実は年収500万円くらい? お給料は出ない専業主婦という仕事

専業主婦のイメージ写真

2018年時点では、世帯の3分の1を占める専業主婦世帯(2019年発行「男女共同参画白書」より)。家事や子育て、介護、体調などさまざまな理由から、専業主婦を選んでいる方は多いでしょう。

さんきゅう倉田さんの周りには、どんな専業主婦の形があるのでしょうか。

「ものすごく稼いでいる芸人の奥様は、専業主婦という方が多いです。一方で、稼ぎがまだ少ない芸人の奥様の中には、パートなどに出て家計を支えている方もいますね。その他、家にいる時間を利用して家計を支えている方もいるようです。例えば、今よりお得な物件を調べて引っ越すことで固定費を下げたり、絵が上手な奥様が、夫のSNSに絵を描いてサポートしたりと、夫婦それぞれの形があるようですね」(倉田さん)

専業主婦は一般的に収入がありませんが、実は年収に換算すると約480万2,000円(内閣府「無償労働の貨幣評価」平成30年発行、35〜39歳の場合)という試算もあります。

そうは言っても、現実にはやはり収入がないため、「家で家事と両立しながら、何かしら収入源を持ちたい」という声や、「社会と切り離されている気がするので接点を持ちたい」「いつか仕事に復帰する日に備えて準備をしたい」といった声も聞きます。

専業主婦がお金を増やすには?

家計管理のイメージ写真

家計管理のコツを知る

倉田さんは「まず家計を上手に管理することが大事です」と言います。

「芸人仲間で『お小遣いが3万円で足りない』といって、飲みに行くときにキャッシングする人もいます。芸人は飲み会での出会いが仕事につながることも多いので『お金がないから行かない』というわけにもいかず……。ただ、キャッシングは利息が高くてもったいないので、お小遣いをどう捻出するか、家計をやりくりしながら夫婦で話し合えたらいいですね」(倉田さん)

お金を増やすには、「収入を増やす」「支出を減らす」と、大きく二つの方法があります。

投資やふるさと納税を味方に

「収入を増やすという面では、夫が収入を増やそうとするよりも、専業主婦家庭なら奥様が働きに出ることの効果が高いと思います。夫だけで200万円の収入アップは至難の業ですが、奥様が200万円を得ることの方が現実的ですから。子育てなどで、今は働きに出られない方もいらっしゃると思うので、将来働きに出るときのために準備をしておくほか、投資などによってお金を得るという方法もアリだと思います」(倉田さん)

さらに、支出を減らすという面では、無駄な出費がないかをよく見ることがポイントだと言います。

「家計がいわゆる“ザル”で、無駄な出費だらけという方もいらっしゃいますから。また、節約術として、格安スマホに切替えるという方法もよく言われますが、携帯ショップでのアルバイト経験がある私からすると、スマホの料金設定は本当に複雑なのであまりおすすめしていないんです。それよりも生命保険料を見直すほか、日々の出費で無駄がないかをじっくり見直す方が先決だと思います。

また、ふるさと納税は、食費の節約にもつながるのでおすすめです。地方の生鮮食品などは、東京で買うと高いものでもお得に手に入りますから。ふるさと納税は、税金の支払先を変えるしくみなので、専業主婦家庭の場合は、収入がある夫の名義で申込むことがポイントです」(倉田さん)

専業主婦こそ投資で幸せになれるわけ

さんきゅう倉田さんが語っている様子

家族の楽しみが増える

「専業主婦でも投資をした方がいいですか」と聞かれることがあると、倉田さん。家計状況を伺いながらも基本的には「投資はした方がいい」と答えるそうです。

「iDeCo(イデコ)やNISAなど、税金のメリットがあるしくみに興味を持つ方は多いですね。iDeCo(イデコ)は、所得があれば税金のメリットが大きくなるので、所得がない専業主婦の方のメリットは小さい。なので、奥様が調べて、ご主人に加入を促すのもいいですね。家族の話題も増えますし、早いうちから老後資金の準備をすることで安心感にもつながります」(倉田さん)

「女性の友人で、NISAでテーマパークや家電メーカーの株を買って、株主優待を楽しんでいる人もいます。興味がある分野の企業なら、情報がよく入ってきますし、親しみがありますよね」(倉田さん)

社会の動きを知ることができる

比較的、家で調べる時間がある専業主婦にとっては、ネットなどで「情報収集」をすることも、投資への第一歩といえそうです。

「ただし、よくわからないサイトの記事は要注意。怪しい記事を鵜呑みにして、投資に失敗してしまっては大変です。知っている会社のサイトや、知っている人が書いた記事、取材先や執筆者の名前を出している記事なら、責任を持って書いているはずなので、信頼性が高くおすすめです。」(倉田さん)

今すぐ投資を始めるというのはハードルが高いという人は、証券会社のHPなどにあるマーケット動画やセミナー情報などで勉強しておくのも手です。好きな会社の業績を調べたり、株主優待を探したりと、一歩ずつ進んでいくことができそうです。

収入源を複数持てる

収入が2つある共働き家庭とは異なり、専業主婦家庭では、収入が夫1人に集中しているため、収入源を増やしていくことが重要といえそうです。投資の知識を得て、実際に投資をすることにより、夫の収入が万一下がったときのリスクヘッジにもなるでしょう。

「芸人仲間でも、自分の収入が大きくダウンしたときに、『それまでやっていた投資で少し利益が出て、急場をしのげた』という人もいます。投資は必ず成功するものではありませんが、収入源が複数あれば、いざというときの安心につながりますね」(倉田さん)

専業主婦の投資の始め方

専業主婦が家計診断をしている様子

記事などを参考にわが家の現状を把握

では、いざ専業主婦家庭が投資をしようと思ったら、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。「夫婦の共有財産で投資を始めるのであれば、夫婦でしっかり話し合いたいですね」と倉田さん。

今後住宅を買う場合はどれくらいの費用をかけるか、子どもの教育費はどれくらい必要かなど、今後の暮らしについて夫婦でイメージしながら、必要な貯蓄と、投資にまわせる金額を考えていきましょう。

わが家の家計で見直すべきところがないか、マネーに関する記事等を参考にするのもよいでしょう。また投資を始めるにあたって無料でプロの家計診断(応募形式で選ばれた場合のみ)をしてくれるサービスなどもあります。

積立投資でフレキシブルに

「投資できるお金が充分にあって、すぐに投資を始めたいならNISAで株や投資信託を買うのもいいですね。少額から積立てで始めたい方は、つみたてNISAが選択肢になると思います」(倉田さん)

少額から始められる積立投資なら、大きな出費があるときは投資金額を減らし、家計に余裕がありそうなときは投資金額を増やすなど、フレキシブルに対応できるのもメリットといえそうです。

NISA・つみたてNISA・iDeCoの特徴

NISA つみたてNISA iDeCo
対象者 20歳以上 20歳以上 60歳未満
利用限度額 年間120万円 年間40万円 月額1万2,000円〜6万8,000円
(職業によって異なる)
運用時の
非課税期間
最長5年 最長20年 引き出しまで
節税メリット 運用益が非課税 運用益が非課税 1.運用益が非課税
2.掛金が全額所得控除の対象
3.受取時に税制優遇
引き出し いつでも可能 いつでも可能 原則60歳以降
NISA
対象者 20歳以上
利用限度額 年間120万円
運用時の
非課税期間
最長5年
節税メリット 運用益が非課税
引き出し いつでも可能
つみたてNISA
対象者 20歳以上
利用限度額 年間40万円
運用時の
非課税期間
最長20年
節税メリット 運用益が非課税
引き出し いつでも可能
iDeCo
対象者 60歳未満
利用限度額 月額1万2,000円〜6万8,000円
(職業によって異なる)
運用時の
非課税期間
引き出しまで
節税メリット 1.運用益が非課税
2.掛金が全額所得控除の対象
3.受取時に税制優遇
引き出し 原則60歳以降

※制度の情報は2020年7月時点のものであり、
今後変更となる場合があります。

安心できる会社を選ぼう

初心者の方がいざ投資を始めてみると、わからないことがたくさん出てくるもの。大手証券会社ならサポートが充実していて、質問も気軽にできる点が安心です。サービス内容もHPなどに詳しく書いてあります。

「投資を始めることも、情報収集も、やはり知っている会社の方が安心でしょう。私は芸人ですが、吉本興業という、みんなから知られている事務所に所属しているからこそ信頼していただけるのかなと思います。逆に私が発注する立場だったら、どこの誰だかわからない芸人だと、『本当に取材や収録に来てくれるのか……?』、そんな不安でドキドキでしょうから。もちろん私自身は収録も取材もしっかり参加していますよ(笑)」(倉田さん)

家計管理も家事のひとつと考えたとき、やはり楽しく効率的にしたいですよね。悩んでいる方はぜひ新しい一歩を踏み出してみてください。

取材協力

さんきゅう倉田さん
さんきゅう倉田さん

芸人、ファイナンシャルプランナー、ワインエキスパート

大学卒業後、東京国税局に入庁。約2年勤務したのち退職。NSC(吉本総合芸能学院)東京校に入学。現在は、税金や確定申告を題材にした芸風で講演会を行なう他、関連する書籍、ネットでの連載記事等の執筆も多数。常に向上心を忘れないために“日本で2番目くらいにおもしろいFP”を自称。

取材・文/西山美紀

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