芸人としても活躍するファイナンシャル・プランナー(FP)のさんきゅう倉田さんに、女性のライフスタイルに応じたお金の増やし方を紹介してもらう「女性のためのお金の増やし方講座」。令和のキャリア女子はどうお金を増やすべきか。多彩な肩書を持つ倉田さんの視点で語ってもらいました。
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自分らしく生きる 令和のキャリア女子

新しい時代を生きる“令和のキャリア女子”とは、どんなイメージでしょうか。「キャリアを順調に積み上げている人」「本業で成果を出し、出世をして趣味も楽しんでいる人」といったイメージがある人もいるでしょう。独身女性なら、自分のやりたいことを積極的に追求し、既婚女性なら、自分のやりたいことと家事や子育てとの両立を目指すなど、幅広いチャレンジをしている人も当てはまるかもしれません。
「好きなことに幅広く取組むと、それだけインプットも増え、本業にも必ず活きてくると思います。以前は芸のみを極める人が多かった芸人でも、最近は趣味や特技を活かして売れる人も増えてきているんですよ」と倉田さん。
「幅広いことに挑戦しているキャリア女子って素敵です。人生について賢く考え、余裕があると感じます。幅広い知識や興味がある方は、話も自然と盛り上がります。私の周りの友達でも、アパレルでバリバリ働いて海外勤務になったり、飲食店を経営してオンオフを全力で楽しんでいたりと、人生を楽しむ女性が増えていると感じます」(倉田さん)
自分磨きにもなる、お金の増やし方は?

今や芸人さんもコツコツ貯蓄!?
仕事に趣味にと、自分の好きなことを実現させるためには、“貯蓄”や”投資”も欠かせません。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」の[単身世帯調査](2019年)のデータによると、金融資産保有額は20代で106万円、30代で359万円、40代で564万円です。「年代によっては、こんなにたくさん貯めているの?」と思った方もいるかもしれません。
「昔は、芸人は貯金ゼロ!というイメージでしたが、今は将来を考えて、アルバイトなどの副業で貯蓄している人も多いです。貯蓄があまりに多い後輩には『バイト入れすぎだろ…芸人ならその時間でもっとネタを考えろよ!』と思うこともありますけどね(笑)」(倉田さん)
投資はますます身近な存在に
キャリアップや結婚、子育て、などさまざまなことにチャレンジしていきたいキャリア女子にとって、“自分の資産”をしっかり増やしていくことも大切です。その方法としては、資格取得や転職、副業、起業などの“自己投資”や、“金融商品への投資”が考えられます。「最近、投資に興味がある女性も多いですよね」と倉田さん。
「以前は『節約する』『ポイントを貯める』という守りの姿勢が主流だったと思います。でも最近は『株を始めた』と話す女性の声をよく耳にするなど投資が身近になってきた印象です。講演活動などをしていても、自分磨きをしてキャリアアップをしつつ、『投資も始めてみたい』という感想も多いですね」(倉田さん)
キャリア女子は投資向き?

株主優待でグルメや美容を楽しむ
では、投資をする際にはどんな方法が良いでしょうか。
「私は、興味があれば株を買うことをおすすめします。気になる株主優待から選んで、株を買うという方法もあります。銘柄を選ぶのが難しかったり、資金が少なかったりしたら、少額から始められる投資信託を積立てていくのもいいでしょう。まずは身近な人に相談してみては」(倉田さん)
株を買うことで、好きな会社を応援しながら経済の勉強になったり、数字に強くなったりという効果もあります。また株主優待では、グルメや美容、旅行に関するアイテムもあり、生活をより楽しむことにもつながります。
とはいえ、投資のことがよく分からず「身近に相談できる人がいない!」と不安になっても大丈夫。証券会社のHPなどで公開されているマーケット動画を見たり、セミナー情報をチェックする方法もあります。
30年で770万円も増える!?
投資は大きなお金が必要なイメージがありますが、実は小さな金額でも始められます。スタートが早ければ早いほど、雪だるま式に増えていくことが期待できます。長期保有で、長い目で考えて値上がりを期待するのも良いでしょう。
もし30歳から投資を始めたとして、月に3万5,000円(年率3%)で60歳まで続けるとどうなるでしょうか。以下のシミュレーションサイトによると、なんと2,030万円になる計算です。同じ金額を普通預金(金利0%と仮定)で30年間貯めても1,260万円です。その差は770万円以上と歴然です。
やりたいことが多く、日々忙しいキャリア女子は、少しでも早く投資をスタートして、時間を味方につけてお金を増やしていくのが向いているでしょう。
令和のキャリア女子の投資の始め方

お給料の数%を投資に
もし、投資をしようかどうか迷っているという人がいたら、「私は100%すすめると思いますね」と倉田さん。
「もちろん投資は失敗する可能性もありますが、何事もやってみないと分からないですから。今すぐ商品を売買するのが難しいと思ったら、証券会社に口座を開いて、勉強しておくだけでも前進できますよ」(倉田さん)
いざ投資をしたいと思ったら、やみくもに投資をするのではなく、ステップを踏んでいくことが必要です。女性は今後のライフプランによって、必要なお金や準備しておきたいお金は異なるもの。まずはそのイメージを膨らませて、必要な時間やお金についてじっくり考えてみましょう。
「例えば『数年後に結婚したい』『このくらいの時期にマンションを買いたい』などの希望を考慮してから、余ったお金を投資にまわすのもいいですね。その資金が足りない方は、少額から、例えば毎月のお給料の何パーセントかを積立てていくという方法もいいと思います」(倉田さん)
投資は経済の勉強にもなる
投資金額が決まったら、好きな会社を調べてみましょう。例えば社会課題の解決に興味があるのなら、SDGs(Sustainable Development Goals「持続可能な開発目標」)に取組む会社を応援するのもいいですね。資産運用だけでなく、経済や社会の勉強にもなるので、きっと今後のキャリアに役立つでしょう。
「また、つみたてNISAやiDeCoは国が進めている制度で税制メリットがとても大きいので、ぜひ活用したいところです。以前Twitterで家計診断を募集したところ、応募してくださった女性の相談で多かったのが、『NISAやiDeCoって実際どうなんですか?』というものでした。みなさんの興味が高まっており熱心に情報収集されています」(倉田さん)
NISA・つみたてNISA・iDeCoの特徴
NISA | つみたてNISA | iDeCo | |
---|---|---|---|
対象者 | 20歳以上 | 20歳以上 | 60歳未満 |
利用限度額 | 年間120万円 | 年間40万円 | 月額1万2,000円〜6万8,000円 (職業によって異なる) |
運用時の 非課税期間 |
最長5年 | 最長20年 | 引き出しまで |
節税メリット | 運用益が非課税 | 運用益が非課税 | 運用益が非課税、 掛金が全額所得控除の対象 |
引き出し | いつでも可能 | いつでも可能 | 原則60歳以降 |
NISA | |
---|---|
対象者 | 20歳以上 |
利用限度額 | 年間120万円 |
運用時の 非課税期間 |
最長5年 |
節税メリット | 運用益が非課税 |
引き出し | いつでも可能 |
つみたてNISA | |
---|---|
対象者 | 20歳以上 |
利用限度額 | 年間40万円 |
運用時の 非課税期間 |
最長20年 |
節税メリット | 運用益が非課税 |
引き出し | いつでも可能 |
iDeCo | |
---|---|
対象者 | 60歳未満 |
利用限度額 | 月額1万2,000円〜6万8,000円 (職業によって異なる) |
運用時の 非課税期間 |
引き出しまで |
節税メリット | 運用益が非課税、 掛金が全額所得控除の対象 |
引き出し | 原則60歳以降 |
※制度の情報は2020年5月時点のものであり、今後変更となる場合があります。
※2023年1月1日より「20歳」と記載の箇所は「18歳」となります。
商品量や情報量が多い証券会社がおすすめ
証券会社選びについては、取扱商品や情報量が多く、気軽に問合わせがしやすいなど、自分にとって利用しやすいところが良いでしょう。
「HPにある投資情報や問合わせ窓口など、証券会社には無料で利用できるものがたくさんあるので、どんどん活用したいですね。キャリア女子の方は、これまで仕事が忙しく『投資が気になるけれど、まだ始めていなかった』という方も多いと思います。最近は在宅勤務が増えている方も多いので、時間を見つけて、投資について少し調べてみることをおすすめしたいです」(倉田さん)
取材協力

さんきゅう倉田さん
芸人、ファイナンシャルプランナー、ワインエキスパート
大学卒業後、東京国税局に入庁。約2年勤務したのち退職。NSC(吉本総合芸能学院)東京校に入学。現在は、税金や確定申告を題材にした芸風で講演会を行なう他、関連する書籍、ネットでの連載記事等の執筆も多数。常に向上心を忘れないために“日本で2番目くらいにおもしろいFP”を自称。
取材・文/西山美紀
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