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自分らしい銘柄の選び方【株式編】

公開/2022年2月

これから株式投資をやってみたい人も、ひとまず口座開設までは済ませた人も「どの銘柄を買ったら良いの?」と悩むケースは多いはず。そんなときに役立つ「自分らしさ」を生かした銘柄選びの方法を、投資の始め方などをテーマに講演・執筆活動も行なうファイナンシャル・プランナーの横山利香さんにアドバイスしていただきました。

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「自分らしい」銘柄選びをお勧めする理由

株の銘柄選びに悩んでいるなら、“自分のお気に入り”や、“自分が生活の中で気づいたこと”など、「自分らしさ」をもとに考えてみては?と横山さんは言います。

「自分の大切なお金の投資先ですから、SNSなどで得た根拠がはっきりしない情報で、知らない企業の株を買うより、自分が納得できる銘柄を選ぶ方が良いと思いますよ」(横山さん)

では、どんなふうに「自分らしく」銘柄を選べば良いのでしょうか?横山さんにあげていただいた3つの視点を紹介します。

“好き”を大切に!自分のお気に入りから銘柄を選ぶ

「もともと自分が好きだったり、興味を持っていたりする商品、サービスなら、その良さや業界内でのポジションもつかみやすいと思います。企業の業績も少し調べれば見通しが立てやすいのではないでしょうか。もちろん、自分が好きな企業の株を買うことはその企業の応援にもつながりますよね」(横山さん)

例えば愛用している服や化粧品のメーカー、趣味のアウトドア用品に関連した企業などの銘柄も投資先になるかもしれません。一方でこんな注意点も…。

「株価は、長期的には企業の業績に連動すると言われています。しかし、企業への愛情が強すぎると、業績が落ちて株価が下がりそうな銘柄でも、『そんなはずはない』『これから持ち直すだろう』など過大な期待で買ってしまうかもしれません。好きな商品やサービスは糸口と捉え、企業の業績なども考慮して、これからも成長が期待できる銘柄を選ぶようにしてください」(横山さん)

趣味のアウトドアを楽しんでいる様子

親近感を重視!身近な業界や会社から銘柄を選ぶ

「仕事やプライベートでよく利用する企業など、自分に身近な業界や企業から銘柄を選ぶのも良いでしょう。ただし、自分がよく知っているというだけでなく、業界の中でどんな強みがあるのか、社会的な期待はどうかなど、広い視野からも検討することが大切だと思います」(横山さん)

近くにある食品スーパーや飲食店の業績に、長引くコロナ禍や食品値上げなどがどう影響するのか?といった視点のほか、最近テレワークで使うことが増えたITサービス、自宅で楽しめる動画配信サービスの成長なども銘柄選びのヒントになるかもしれません。

社会の期待に注目!これから伸びてほしい銘柄を選ぶ

「SDGs(持続可能な開発目標)、カーボンニュートラル※といった言葉を、テレビや新聞で見かけることが増えたと感じませんか?このような社会的な話題の中で自分が気になったキーワードをもとに銘柄を選ぶ方法もあります。ただ、先進的な取組みは結果が出るまでに数々の困難も予測され、時間がかかることも考えられます。初めての株式投資なら、経営が安定した企業を中心に検討した方が良いと思います」(横山さん)

例えば日本の自動車メーカーが進めるカーボンニュートラルの取組みも、会社によってさまざま。企業のホームページなどから情報を集めて、自分が共感できる取組みをしている銘柄を選ぶ必要があります。

「社会的な課題以外に、多くの人が支持し、ほしいと思っている商品やサービスを探してみると、自分の身近なところで今後の成長が期待できそうな銘柄が見つかると思いますよ」(横山さん)

※カーボンニュートラル=二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすること。日本は2050年までにカーボンニュートラルを目指すと宣言しています。

自分向きの投資スタイルや気になる“お得”から銘柄をチェック!

また、株の投資スタイルは「短期トレード型」と「長期保有型」に大別できますが、銘柄によって向いている投資スタイルはあるのでしょうか?

「値動きが大きくなりやすく、大きな成長が期待できると同時に赤字転落等のリスクも考えられる新興市場の銘柄は、長期保有よりは短期トレードが向いていると思います。一方、日本を代表するような企業の株は、長期保有でじっくり成長を待つ方が良いのでは?」(横山さん)

女性が株価の値動きを確認している様子

さらに、短期トレードにはタイミングを見て売買する決断力が必要と横山さんは言い、それが難しい人には、長期保有の投資スタイルで考えてほしいとのこと。

「短期トレードは、1日のうちに何度かは株価のチェックをして、必要なときは取引の指示を出さないといけません。仕事が忙しい人はそんな余裕はないと思いますし、日中に株価のことがいつも気になって本業がおろそかになっては本末転倒です」

一方、株を長期保有すると、「配当」や「株主優待」をもらえる銘柄もあることから、「これらを目的に株式投資を始める人も多いですね」と横山さん。

株で得られる利益には、買った価格よりも高く売ったときに得られる「売却益」と、保有しているときに所定の条件を満たすと得られる株主優待と配当があります。すべての企業が株主優待や配当を行なっているわけではありませんが、株を持っていると得のできる銘柄があるのはうれしいポイントです。

定期的な収入に期待!配当から銘柄を選ぶ

「配当とは企業が得た利益の一部を株主に配分するお金のこと。分配のタイミングは年1回から数回と企業によって違いますが、定期的な収入が期待できるため、配当の多さを銘柄選びの基準にする人もいます。ただし、配当は企業の業績によって金額が増減する場合もあり、毎回確実にもらえるとは限りません」(横山さん)

企業ごとの配当が多いか少ないかを比較する指標の一つが、予想配当利回りです。証券会社のホームページや投資関連の雑誌のホームページなどでは、銘柄別の予想配当利回りを提供するサービスを提供している場合もあるので利用してみましょう。

女性が株主優待を受け取っている様子

暮らしをお得に!株主優待から銘柄を選ぶ

「株主優待は、一定以上の株を保有している株主への優遇として、自社の製品・サービスなどを提供する制度です。優待を重視した銘柄選びで注意したいのは、自分や家族にとって利便性の高い優待がもらえるかどうか。もちろん自分が好きな商品やサービスの優待ならうれしいと思いますし、食品関係も人気の高い優待です。逆に居酒屋の割引券を優待でもらっても、小さなお子さんがいるご家族では利用しづらいかもしれません。最近は自社の製品・サービスに限らずQUOカードやネットカタログなどを優待として送る企業も多いですから、どんな優待が使いやすいのかを考えて銘柄を選ぶのが大切です」(横山さん)

こうした株主優待も、企業の業績や方針によって内容が変更されたり、廃止されたりすることがあります。そうなったときは、「配当や株主優待を主目的に買った株なら売却して、別の銘柄を探した方が良い」と横山さんはアドバイス。

「企業が株主優待の廃止を発表すると、株価が一気に値下がりする場合もあります。優待や配当が目当ての銘柄でも、業績が傾いて株価が下がりそうといった状況などを早く察知するためにも、定期的に株価や企業の業績をチェックしてください」(横山さん)

知っておこう!銘柄選びのカギになる数字とは?

自分の好き・興味や社会的な期待、配当、株主優待などの切り口で選んだ銘柄に投資するときは、企業の業績を知るための数字など詳しい情報の集め方、株価の動きを把握するチャートの見方も知っておきましょう。「好きというだけでは投資しない」といった冷静な判断や、優待廃止につながるような業績の動向を知るのに役立ちます。

業績など企業の“体調”を知るにはこの数字に注目!

「企業の業績では、本業での『売上高』や利益が重視されます。利益には、売上高から原価と営業に関する諸経費を引いた本業でのもうけを示す『営業利益』、本業以外のお金の収支も加えた『経常利益』などがあります。こうした数字を以前の実績と比較することで、業績が良くなっているのか、悪くなっているのかを知る手がかりにできます」(横山さん)

業績にかかわる数字は、企業が業績のまとめを行なう『決算』を終えた後に発表する各種の資料に書かれていますが、横山さんは「まずは会社四季報などで調べて、さらに詳しく知りたい場合は企業のホームページにあるIR(投資家向け情報)ページで『決算短信』を読んでみてほしい」と言います。

「決算後の企業が、なるべく早く概要を発表するための『決算短信』の1ページ目には、とても重要な数字が並んでいます。それらの意味をネットなどで調べながら理解を深めることで、業績の見方が身に付いてくると思います」

また大和証券など証券口座を開設していると、無料で会社四季報が見られるサービスもあります。企業の“体調”を知るとっかかりとして積極的に利用してみましょう。

株価のチャートを確認している様子

たくさんある株価のチャート、どれを見たら良い?

「株価の動きなどをグラフ化したチャートにはさまざまな種類がありますが、これから株式投資を始めるという人なら『買ったときの株価の○%、または○円値上がりしたら、売って利益を出す』などの基準を決めたり、チャートを細かく見ずに、1年間ずっと値下がりしている株は買わないなどの判断をし、取引した方が良いと思いますよ」(横山さん)

では売買するのに慣れてきた場合は、どうすれば良いのでしょうか?

「株価の動きなどをグラフ化したチャートにはさまざまな種類がありますが、まず『移動平均線』をチェックしてください。移動平均線は、例えば5日間や25日間といった一定期間の終値(市場の取引が終わったときの株価)の平均値を毎日計算してグラフにしたもので、株価の動きの方向性を示すとされています。株価を見ているだけでは、それが安いのか高いのか、値上がり傾向にあるのかなど、値動き全体までは判断できません。しかし、移動平均線を見ると、どのように推移して今の株価になったかの流れを捉えることができます」(横山さん)

基準をもとに売買をし、「自分らしく」投資を始めよう

女性が自分らしく投資をしている様子

もう少し後に売ればもっと利益が出た、といったケースがあっても、それは「たられば」の話だと割り切ることが大切。逆にずっと持っていたら値下がりして、「最初に決めたタイミングで売っておけば」と後悔するかもしれません。自分が決めた基準をもとに売買する方が、自分で納得でき「自分らしく」投資ができるやり方といえるでしょう。

「株式投資を始めると企業や業界、社会の動きに詳しくなって知見も広がり、利益が出れば楽しく、優待が届けばうれしいなど、人生を豊かにしてくれます。それに普通に働くだけでは老後資金が足りないのなら、投資でお金を増やすという選択も、今のうちから検討してみては。投資は早く始めるほど知識が吸収しやすく、柔軟な発想で銘柄を選ぶことができると思います。自分らしさを生かした株式投資をこれから始めてみませんか」(横山さん)

取材協力

横山 利香さん

国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)、日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー。自身の投資体験をもとに株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行なう。All Aboutでは「投資をはじめてみよう」ガイドをつとめる。著書に『リスクが嫌いな人のお金の教科書』(WAVE出版)他多数。

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