ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.27(2018年12月7日)投資とギャンブルの違いって、何でしょうか?

前回のコラムで、NHKの朝ドラ『半分、青い。』の草太くんのセリフを引用したところ、コラム読者から以下のようなご指摘がありました。

「草太くんは、正確には『お姉ちゃん、岐阜県民は保守的や。借金も賭け事も投資もしん。』と言ってたんですよ。前回コラムで、“データでみると、岐阜の人は投資好きだけど借金嫌い”と指摘されていましたが、草太くんのセリフは、言ってみれば、『半分、正解。』ということですね。」

参りました(苦笑)、おっしゃる通りです。私はつい、“投資”という言葉だけに反応したものですから、“借金も賭け事も…”というセリフは耳に残っていませんでした。実は、次の日(9/21)の放送でも、律くんが「岐阜県人は借金に弱いんです」と言っていましたので、よっぽどなんでしょうね、岐阜の人の借金嫌いは。

そして、草太くんのセリフを聞いてみて改めて思ったのは、一般的には、賭け事(いわゆる“ギャンブル”)と“投資”を同じモノのように考えている、つまり、「投資なんてギャンブルと同じでしょ!」と思っている人がまだまだ多いだろうな、ということです。投資とギャンブルの違いって、何でしょうか?

私はいつも「投資とギャンブルの違いは、胴元がいるかいないかの違いですよ」と答えています。宝くじでもパチンコでも、競馬や競輪でもそうですが、ギャンブルには事業者や国といった場の主催者(=胴元)がいる、ということです。そして、主催者は集めたお金から、運営料(=胴元の取り分)をまず差し引いて、残りを当選者等に分配することになります。したがって、ギャンブルから期待できる収益率は、参加者全体の観点から計算すると、実はマイナスになるのです。例えば、パチンコは▲10〜20%程度、競馬や競輪等の公営ギャンブルは▲25%程度、そして、宝くじやサッカーくじは▲50%程度です。つまり、宝くじは買った瞬間に半分お金が取られている、ということになるのです。

一方、投資にはお金を出した瞬間に運営料を差し引くような胴元はいません。投資先の企業は集めたお金を事業に投じ、その企業活動を通じて利益を生み出していくことになります。うまく利益が出れば、投資家は配当を得たり、値上がり益を享受することができます。もちろん、うまく行かない場合は投資家も応分の損失を負担しますが、最初から運営料を差し引かれて、かつ、勝つ確率が極めて低いギャンブルに比べると、一般的に投資で期待できる収益率は高い、と言えます。

政府は「貯蓄から投資へ」というスローガンを長年に渡り掲げながら、一方で、景気浮揚策としてカジノを含む統合型リゾートの開発を推し進めています。今後は「投資とギャンブルの違い」といったことについても、国民に理解が広まることを期待したいですね。

大和証券 確定拠出年金ビジネス部
2018/9/27作成

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