ライフプランコラム「知っトク!働くあなたの税金」(2026年5月15日)賞与の「手残り」をどう活かす?合理的分配とリスク管理

2026年度の新年度がスタートし、多くの企業では夏季賞与(ボーナス)の支給時期が近づいています。本年度は税制改正により毎月の手取り額に変化を感じている方も多いのではないでしょうか。賞与という臨時収入を前に、「どのように資金を配分すべきか。」は多くの方が悩まれるポイントです。目先の支出だけでなく、将来の手残り(可処分所得)を着実に高めつつ、現在の生活の安全を損なわないための、合理的な資金配分の優先順位をご提案します。

賞与における公的負担の再認識

賞与の支給にあたって、まず理解しておきたいのが、社会保険料と税負担の仕組みです。賞与からも毎月の給与と同様に、健康保険料、厚生年金保険料、および所得税が差し引かれます。一般に、支給額のおおよそ2~3割程度がこれらの負担として差し引かれるため、実際に自由に使える金額を正確に把握することが、健全な家計管理の第一歩となります。

優先順位❶ 日常の支払い・緊急時の備え(生活防衛資金) 流動資産

資産形成において、まず最優先すべきは投資ではなく「すぐ使えるお金」を確保すること、つまり流動性の確保です。不測の事態に備え、生活費の3〜6ヵ月分程度を即座に引き出せる「預金形式」で保持することが推奨されます。非課税枠を意識しすぎるあまり、手元の現金を過度に投資に回してしまう「流動性リスク」を避けるためにも、まずは足元の土台を点検する必要があります。

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優先順位❷ 制度的メリットの最大化(持株会・企業型DC) 福利厚生資産

生活防衛資金の土台が整った段階で、次に検討したいのが、所属組織の制度活用です。例えば、持株会の「賞与拠出」における奨励金は、拠出した瞬間に一定の利益を確定させる極めて効率的な仕組みです。また、企業型DC(確定拠出年金)の活用は、拠出時の税軽減効果に加え、将来の受取時にも優遇があるため、長期的な「手残り」を増やす上で非常に有効な手段となります。

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優先順位❸ 非課税制度(NISA)による補完 運用資産

最後に、さらなる余剰資金がある場合に検討するのがNISAなどの非課税制度です。運用益に対する課税を回避できるメリットは大きいものの、あくまで「余剰資金」の範囲で活用することが重要です。投資は継続性が重要です。一時的に多額の投資を行うよりも、積立を安定して継続できるだけの「現金のクッション」を確保しておくことの方が、長期的な資産形成に寄与します。

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区分 役割 推奨されること 優先度
流動資産 日常の支払い・緊急時の備え 銀行普通預金 最優先
福利厚生資産 会社補助(奨励金)の享受 持株会・企業型DC
運用資産 税制優遇を活用した中長期形成 NISA・iDeCo

おわりに

私たちは税務のプロとして、皆様の大切な資産を単に増やすだけでなく、税制の仕組みを正しく利用して効率よく守る視点を持っていただきたいと考えています。今一度ご自身の資産を流動性(すぐ使える)と収益性(将来増やす)のバランスで整理し、ご自身に合った最適なキャッシュフローの構築をおすすめします。

辻・本郷・税理士法人 × 大和証券

本資料は、大和証券が作成日現在(2026年5月14日)把握している情報を基に作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。今後、法令・制度等が変更された場合、記載内容が変更となる可能性がありますので、予めご了承ください。

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