個人型DC

  • 個人型DCとは
  • メリット・活用法

個人型確定拠出年金(個人型DC)とは

確定拠出年金(以下、「DC」)は公的年金の上乗せとなる私的年金で、自己責任に基づく制度です。

日本人の平均寿命は長くなり、退職後のセカンドライフ長期化が見込まれる中、政府は国民の自助努力も含めて、リタイア後のセカンドライフへの充分な備えを行なうことができるよう促しています。
60歳から80歳までに公的年金で賄えない生活費はサラリーマンで約2,700万円とも言われています。

これまでの個人型DCは自営業者や企業年金のない企業にお勤めの会社員などに加入対象が限られていましたが、2016年6月3日に公布された改正DC法により、2017年1月からは公務員や専業主婦(夫)の方、企業年金のある企業にお勤めの会社員なども、個人型DCへ加入できるようになります。

今後はNISA同様、政府が後押しする資産形成のための税制優遇制度として、急速に普及することが見込まれます。

この機会にぜひ個人型DCの制度を学び、使い方を理解していただいた上で、毎月の積立を始めていただければと思います。

少額からコツコツと、セカンドライフへの備えへ!早く始めた方から個人型DC制度の恩恵を享受することができるのです。

個人型DCの概要

DC法改正のポイント 〜個人型DC加入可能者の拡大〜

DC法改正に伴い、2017年1月1日より個人型DCの加入可能者が拡大されます。
これにより、日本にお住まいの20歳以上60歳未満のほとんど全ての方がDCの加入対象者になります。

  • ※1 国民年金基金と個人型DCの併用は可能です。
  • ※2 企業型DCと個人型DCの併用は規約で定めた場合に限ります。

個人型DCのしくみ

個人型DCは、(1)加入者自らが掛金を拠出し、(2)拠出した掛金を自らの責任で運用し、(3)60歳以降に掛金と運用益の合計額を受け取る制度です。

掛金拠出時、資産運用時、受取時にそれぞれ税制優遇があります。60歳まで引出制限があるかわりに、他に見ない優遇制度の恩恵を享受することができます。

60歳以降に個人型DCで積み立てた資産を受け取る際は、(1)年金で受け取る、(2)一時金で受け取る、(3)年金と一時金の組み合わせで受け取る、の3つから本人が選択します。

公的年金と個人型DCの比較

年金財政逼迫により受給年齢引上が憂慮される公的年金と異なり、個人型DCは受給開始年齢が法律で60歳と定められ、通算加入者等期間が10年未満の場合のみ受給開始が61歳以降となります。
公的年金同様、障害・死亡などのケースを除き受取開始年齢まで引出はできません。

老齢給付金は60歳まで受け取ることはできません。

他の企業年金や退職手当からの資産移換がある場合
これまでの他制度の加入(勤続)期間は、確定拠出年金の通算加入者等期間に算入されます。合算して10年以上であれば、60歳から老齢給付金を受け取ることができます。

個人型DCの税制メリット

個人型DCは様々な税制優遇が受けられ、DC制度で運用した際の運用益が非課税になるだけでなく、所得がある場合は所得税、住民税の控除などを受けることも可能です。

掛金は全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)

課税所得500万円の方が個人型DCに加入した場合

所得控除による年間の税制メリット(イメージ)
課税所得 税率
(所得税・住民税)
月額掛金
68,000円 23,000円 12,000円
税制メリット額
(年額、千円未満切り捨て)
195万円以下 15.105% 12.3万円 4.1万円 2.1万円
195万円超〜
330万円以下
20.210% 16.4万円 5.5万円 2.9万円
330万円超〜
695万円以下
30.420% 24.8万円 8.3万円 4.3万円
695万円超〜
900万円以下
33.483% 27.3万円 9.2万円 4.8万円
900万円超〜
1,800万円以下
43.693% 35.6万円 12.0万円 6.2万円
1,800万円超〜
4,000万円以下
50.840% 41.4万円 14.0万円 7.3万円
4,000万円超 55.945% 45.6万円 15.4万円 8.0万円

運用時に運用益非課税

運用益は非課税です。
運用益に課税されず全て再投資されるため複利効果を最大限に活かすことができます。
複利投資と非課税の効果は積立期間が長くなるにつれて拡大します。

資産額の推移(イメージ)

給付時に税制優遇

給付金 税制優遇
老齢給付金

年金で受け取る場合

雑所得扱いとなりますが、公的年金等控除が適用されます。

一時金で受け取る場合

退職所得控除が適用されます。

障害給付金 所得税、住民税は課税されません。
死亡一時金 所得税、住民税は課税されません。ただし、相続税の課税対象となります。
(法定相続人1人当たり500万円まで非課税枠があります)

個人型DCの加入資格及び掛金

  • ※20歳以上60歳未満の居住者の方が対象になります。
  • ※公務員、専業主婦(夫)、企業年金のある企業の会社員の方は平成29年1月1日から新たに個人型DCに加入できるようになります。ただし、企業型DCと個人型DCの併用は規約で定めた場合に限ります。
  • ※自営業者の上限額は、国民年金基金の掛金、付加保険料との合算枠になります。国民年金基金と個人型DCの併用は可能です。

個人型DCと企業型DCの比較

個人型DCは加入者自らが掛金を拠出し、その拠出金額が全額所得控除となることで注目をされていますが、一方の企業型DCは事業主が掛金を拠出する制度となります。
拠出した掛金を自らの責任で運用し、60歳以降に掛金と運用益の合計額を受け取るという点、運用時非課税で受取時に優遇制度があるという点は両制度に共通しています。

手数料について

個人型DCは政府の後押しする年金制度ですが、国民年金基金連合会運営管理機関事務委託先金融機関といった複数の機関が関わって成り立つ制度となっていて、運営管理機関が加入時から運用時そして将来の給付金の受給まで加入者をしっかりサポートします。
これらのサポートにはコストがかかりますので、加入手数料や、加入期間中の口座管理手数料などの費用が発生します。

個人型DCについて動画で詳しくみる

NISAとあわせて使う

複数の積立投資を上手に使いわける

政府が後押しする資産形成のための税制優遇制度の利用機会を最大限活かし、個人型DCとNISAを、あわせてご自身の将来の資産形成への有効な手段としてご活用いただければと思います。

DC積立シミュレーション

毎月5万円(年間60万円)を年利1%で5年間運用した場合の比較

課税所得500万円の方が、毎月5万円を積み立てて年利1%で5年間運用した場合を比較すると、一般的な積立では運用益に約20%課税されるため、投資元本300万円に対し、運用益は61,579円となります。一方、NISA積立では運用益が非課税となりますので、運用益は77,156円となります。

さらに毎月5万円の投資金額のうち、12,000円(公務員の上限金額を参考までに利用)を個人型DCに拠出し、残りの38,000円をNISAで積み立てたケースでは、運用益がそれぞれ非課税となるのに加えて、個人型DCは掛金の全額が所得控除となるメリットがありますので、個人型DCの管理料を差し引いても、5年間の運用益と税制メリットは266,720円となります。

個人型DCには原則60歳まで資産を引き出すことができないという制約や掛金の上限がありますので、このようにNISA積立と組み合わせることにより、一定の流動性を確保しながら老後の資産形成に備えるという使い方も有効となります。

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