はじめてのFX-外国為替証拠金取引- FX投資を学ぼう ステップ3 上級編

[更新日:2010年05月21日]

第15回
ロスカットってなに?

FXには「ロスカット」といって、損失が大きくなりそうな時でも、未然にポジションを清算することによって、預けてある証拠金を超える損失が生じないような仕掛が作られている。果たして、どこまで損失が膨らむとロスカットが発動されるのか、そこまでポジションを保持するのが正しいのかどうかを考えてみましょう。
登場人物
祥子
大学で国際経済を学ぶ2年生。最近、外国為替市場の面白さに目覚め、FXに関心を持つように。なんでもズバズバ質問できるものおじしない性格の持ち主で、川瀬先生と知り合ったことをきっかけに、大学を卒業したら外国為替ディーラーになろうと思っている。
川瀬先生
国内銀行をキャリアのスタートに、複数の外資系銀行で外国為替ディーラーを経験。チーフディーラーとして名前を馳せた後、祥子さんが学んでいる大学で、国際経済・金融を教えている。外国為替ディーラー時代に鍛えたディーリングの腕前を駆使して、自分のお小遣いをFXで殖やしている。

「いよいよシリーズも最終回。最後にリスク管理のことを考えてみよう」

「リスク管理といえば、やはり損切りということになりますね」

「うん。FXはロスカットといって、損失が一定の水準になると、自動的に今のポジションが清算されるという仕掛が設けられている。そのため、預けている証拠金を超える損失が発生するリスクは、極めて低いということになっている」

「じゃあ、何も心配する必要はありませんね」

「おいおい、それじゃあFXトレーダー失格だぞ」

「だって、証拠金以上の損失が生じないのだから、証拠金を追加する必要がないんでしょ」

「確かにFXの場合には追証という証拠金を追加しなければならない状況になる前にロスカットされるようになっていることが多い。でも証拠金以上の損失を未然に防いでくれるといっても、そんなに安心はできない」

「なぜ?」

「証拠金のほとんどが無くなってしまったら、またトレードに参加しようと思っても、資金面で厳しくなるじゃないか」

「あ、そうか」

「実際、ロスカットの基準がどうなのかを考えてみよう。ロスカットの基準になる数字に有効比率というものがある。これは、有効証拠金額を建玉必要証拠金で割って求められる。有効証拠金額というのは、現在、証拠金として使うことのできる金額のことで、建玉必要証拠金は、実際に建てたポジションに必要な証拠金額のこと。たとえば、証拠金として100万円を預け、このうち1ドル=100円で5万ドルを買ったとしようか。1万ドルにつき2万円の建玉必要証拠金額が必要だとすると、5万ドルで10万円。ということは、100万円を10万円で割った1000%が、有効比率になる」

「なんだか難しいわね」

「で、ここからがポイントになるんだけど、もし1ドル=100円が90円になったら、5万ドルの建玉で50万円の損失が生じてしまうことになる。この損失分は、有効証拠金額から差し引かれるから、この時点での有効証拠金額は100万円−50万円で、50万円になる。でも、建玉必要証拠金は10万円のままだから、有効比率は50万円を10万円で割って500%ということになる」

「半分になってしまったわけですね」

「そう。こうして有効比率が下がっていくと、あらかじめ決められた有効比率に達した時点で、強制的にポジションが清算されるんだ。ちなみにダイワ365FXの場合は、投資家が自分でロスカットとなる有効比率を決めることができる。具体的には50%〜80%の範囲で決めることができ、そこに達した時点でロスカットになるんだ」
証拠金100万円の場合の取引例

「そこまで待っていたら、もう立ち直れないと」

「そういうこと。そこまで損失が膨らんだら、なかなか再起できないでしょ。やはり早めの損切りが大事だということなんだ」

川瀬先生のワンポイントレッスン

追証
「おいしょう」と読む。建てているポジションに損失が生じて、証拠金の担保余力が不足した場合に、追加で証拠金を納めること。

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