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2018年10月19日
兼業主夫10年の堀込さんに聞いた、「シュフになると妻も夫も幸せになれる」理由
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    堀込 泰三(ほりこみ たいぞう)
    東京大学工学部卒業後、同大学院を経て、大手自動車メーカーでエンジン開発に携わる。現在は在宅での翻訳業務を中心とした仕事に加え、家事や2人の男の子の育児などを担当する「兼業主夫」。長男誕生時に2年間の育休を取得。その後、妻の海外勤務を経て退職し、在宅で翻訳の仕事を始め、兼業主夫と兼業主婦の「Wシュフ家庭」を実践。NPO法人「ファザーリング・ジャパン」所属、「秘密結社主夫の友」主宰。

    「兼業主夫」になったのは自然な流れ。でも妻も自分も幸せになれた

    共働きが当然の時代になり、2010年には新語・流行語大賞となった「イクメン」をはじめ、男性の育児参加が社会にも広がってきたようにも見えます。

    そうした中、堀込さんはイクメンではなく「兼業主夫」の道を選んで10年。研究職の妻と2人でそれぞれ収入を得ながら、協力して家事や子育てを続けてきました。

    堀込さん「兼業主夫といっても、私が昔からジェンダーを疑問視していたとかではないんですよ。妻の記憶によれば、出産前に『子どもが生まれたら仕事を辞めるよね』と面と向かって言ったらしいですから(笑)。でも今は、主夫だって特別な存在ではないと実感していますし、『男性は外に出て稼がなくては』とか、『女性だから家庭のことをやって当然』といった固定観念は一度リセットして、自分たちのベストバランスを見つけるのが、夫婦ともに幸せになる近道だと思うようになりました」

    このように語る堀込さんは、もともと日本の自動車メーカーでエンジン開発に携わっていました。そして子どもが生まれるときになって、育児のために堀込さんと妻のどちらが育休を取るか?という問題に直面したそうです。

    堀込さん「妻は当時、任期付の研究職で長期の育休は取れない状況。一方、私は会社に掛け合って何とか取れたので、こちらが子育てをしようと考えただけなんです」

    その後、妻がスタンフォード大学への研究留学が決まった際には家族3人でアメリカに一時引っ越すなど、夫婦が人生の岐路に立つたびに、その時点でベターと思える選択をしてきたと堀込さん。こうした積み重ねの中、2009年に会社を辞めて兼業主夫となり、現在に至ります。これも当時の状況では自然な流れと堀込さんは感じたそうです。

    堀込さん「会社を辞めて翻訳を中心とした自営業になったことで、子どもといつも一緒にいられるようになり、日々成長していく姿を間近で見られるようになりました。それにうちは男の子2人なので、毎年夏には男3人で1カ月ほど旅に出るんですが、これがもうみんな楽しみで(笑)」

    手伝うスタンスが不満を招く。目指すは「主体的に家事や育児を担う夫」

    今では男性が家事や育児に参加するケースも増えてはいますが、夫の側からは「頑張っているつもりだが、妻はあまり納得していない」といった声も聞きます。

    堀込さんはこの現状に対し、「夫が妻を手伝うというスタンスでは、どれだけ家事や育児をやっても満足してもらえない」とアドバイスします。

    堀込さん「夫が妻を『手伝う』という考えになるのは、『家事や育児は本来そちらの仕事だと思うけど……』という前提があるから。これはたとえ言葉にしなくても、指示待ちなどの態度でも伝わってしまうものです。私が主夫と名乗っているのは、『主体的に家事や育児を担う夫』の意味もあるんですよ」

    会社でいえば、決められた時間に一定の仕事を頼むために雇ったアルバイトと、業務改善の提案なども含め、仕事に主体的に関わっていく社員の違いに似ていると堀込さん。

    堀込さん「家庭を一つの会社やチームと考えたら、妻が社員で夫がアルバイトである必要はまったくなく、妻も夫も社員の立場でいいんです。つまり兼業主夫と兼業主婦がいるということですね。その意識を夫婦で共有できていれば、実際の家事や育児の分担割合はさほど問題ではなくなります。そして他人事でなく自分事と捉えていると、『今日は妻がこれをできないから、代わりにやっておこう』など自ら考えて動けるようになり、夫の側もやらされ感がなくなって、お互いが感謝し合いながら家事や育児をやれるようになると思います。婚活という言葉も生んだ、結婚・恋愛・少子化に詳しいジャーナリストの白河桃子さんも、『兼業主夫の家庭を取材すると、みんな明るくて妻も夫も幸せそうに感じた』と話されていますね」

    そして子どもも成長すれば、このチームの一員に加わることが考えられます。

    堀込さん「うちは男の子2人ですが、ときどき何も言わないのに自ら動いてくれて、それがとてもうれしいですね。両親がそれぞれ主体的に家事をやる姿を見て、自然にまねるようになったのではと思っています」

    家事と育児は責任者制。ただ自分ができないときは相手に頼むのもアリ

    ところで兼業主夫+兼業主婦だという堀込さんのご家庭では、家事や育児をどのように手分けしているのでしょうか。

    堀込さん「うちは家事や育児を事前にきっちり分担するのではなく、責任者制という考えにしています。家庭によるとは思うのですが、実際にやることまで細かく分担してしまうと、『負担の重さを考えたらこの割合はおかしい』など責任の押し付け合いになる気がします。一方、気づいた方がやる仕組みでは、お互いが気づかない合戦になるのでは?」

    そうした懸念から、堀込さんたちは日々やることを「子育て全般」「食事の提供・後片付け」「掃除」「洗濯」それ以外の「名もなき家事」と5つに大別して、それぞれの責任者を決めるやり方にしているのだとか。今のところは子育て、食事、それと銀行に行ったり日用品の買い出しをしたりといった名もなき家事は堀込さん、掃除と洗濯は妻が責任者になっているそうです。

    堀込さん「例えば食事なら私が作ることもあれば、何か買ってきたり、外食を提案したりすることもありますし、場合によっては、『今日は難しいから代わりにお願い』と妻に頼むのもアリです。これは会社で自分が責任者になった仕事の一部をメンバーに頼むのと同じだと思います」

    実は「家計の責任者」の不在が発覚!今さらながら再計画中

    今のところ家事や育児は良好という堀込さんですが、2年ほど前に重大な問題が見つかったのだそう。それは教育資金について。
    堀込さん「上の子が学童保育が終わる年齢になり、友だちがみんな塾に通い出したことで、自分も塾に行きたいと言い始めたんですね。本人から2カ月以上も熱烈なプレゼンを受け、やりたいことを最初から否定するのも何だからと塾の説明会を聞きに行ってビックリ! こんな金額をどうやって捻出しようと頭を抱えました」

    その後は何とかやりくりして、塾の費用を払ったという堀込さん。このときに家事や育児の責任者は決めたものの、家計の責任者を決めていなかったと気づいたそうです。

    堀込さん「上の子が小学校に入学した頃、中学、高校、大学まですべて私立だと○○万円かかるといった話は聞いたんですね。うちは私立に行く予定はないとスルーしたのですが、あのときもっと真剣に考えて家計の責任者を決め、少しずつお金を貯めておけば塾の費用くらいはすぐに出せただろうと反省しました」

    現在は自身の増収を目指して、これまで続けてきた翻訳の仕事以外にも少しずつ手を広げているのだとか。

    堀込さん「今でもお金の貯め方や増やし方には非常にうといので、この取材を縁にSODATTEを見て少し勉強しようと思いました」

    最後に、どうやって家事や育児に関わっていくかを模索している男性の皆さんに向けて、堀込さんからアドバイスをもらいました。

    堀込さん「すでにやっている方もまだこれからの方も、今日からは自分が主体的に関わるという意識で家事や育児に臨んでみてください。私はたまたま会社を辞めて自営業になりましたが、会社に勤めたままでも兼業主夫は十分可能です。『この家事(育児)は自分が責任者になる』とご家庭で主夫宣言することで、これまでやらされ感でやっていたことが少しずつ減らせると思います。また、これから生まれるというご家庭なら、男性もぜひ数カ月は育休を取って、家事や育児に主体的に関わってみてください。おそらく最初の1カ月は何だかわからないまま過ぎると思いますが、2カ月、3カ月と経って、子どもがにっこりと笑いかけたくれたら、それだけで一気に幸せな気持ちになれるはず。この『胸キュン』を経験したら、ずっと主夫を続けたくなると思いますよ」

    取材・文:SODATTE編集部

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