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2018年7月20日
税金や社会保険料の負担が増える?これから共働き家庭で起きること
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    税金と社会保険料の負担、近年の制度変更でこう変わった

    税金や社会保険料などの負担が増えないよう、パートタイマーなどで働く主婦にとって、扶養の範囲内で働くことはひとつの目安となっていました。しかし2018年から「配偶者控除」「配偶者特別控除」の制度が変わったことなどで、それは過去の常識となっています。

    そもそも「扶養」というのは実は色々な意味があり、きちんと理解している人は少ないもの。今回は、会社員や公務員の夫、パートなどで働く妻の夫婦を例に扶養の意味と、妻の年収と世帯収入による税金や社会保険料の違いを考えてみたいと思います。

    まず、2018年の「配偶者控除」「配偶者特別控除」をはじめ近年の制度変更により、どんな違いが出ているのかをまとめてみましょう。そして記事後半で所得税、住民税、社会保険料などの負担がどのように決まるのかを解説していきます。

    夫と妻の年収が変われば、所得税と住民税、社会保険料等はこう変わる

    ・所得税と住民税
    → 夫も妻も、それぞれが払う所得税と住民税は本人の年収に応じて変わります。ただし夫の所得税・住民税は妻の年収によって変わる場合があります。

    ・年金や健康保険などの社会保険料
    → 会社員や公務員の妻の場合、妻自身が保険料を負担することになるのは (1)従来通り妻の年収が130万円以上 に加え、企業に対する法律に変更があったことで妻の勤務条件によっては (2)106万円以上 と2つの線引きができました。(2)の条件とは「従業員501人以上の事業所に」「週20時間以上」「雇用期間1年以上見込み」勤務し、「月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)」の場合です。

    ・配偶者控除や配偶者特別控除
    → 専業主婦と同額の控除が受けられるのは、2018年から実施の改正で年収150万円以下に変更になりました(2017年までは年収103万円以下でした)。ただし夫の収入要件があり、配偶者控除が受けられるのは夫の所得が1,000万円以下(年収1,220万円以下)となりました。

    ※上記はすべて夫が主たる生計者、妻がパートタイム勤務などの場合です

    税金と保険料の負担が最も重いのは年収130万円から150万円!

    次に夫が会社員、妻がパートや正社員で働き、妻の収入が変化する場合、この夫婦の世帯収入と税金や社会保険料の負担がどうなるかをみてみましょう。

    妻の年収100万円まで…世帯収入全額アップ

    妻の年収が100万円までは、妻自身が所得税や住民税などの税金を払うこともありません(一部自治体では、年収93万円から住民税がかかる場合あり)。妻の収入は全て手元に残ることになります。

    妻の年収103万円から130万円(106万円)まで…税負担あるも世帯収入アップ

    妻の年収が100万円を超えると住民税が、103万円を超えると所得税がかかります。ただ、これらの税金は収入増よりも税負担が増えることはありません。なので、この範囲なら働けば働くほど世帯収入が増えることになります。

    ただし、この世帯収入が増えるのは、妻自身が社会保険に加入することになる130万円(勤務条件によっては106万円)までのことです(106万円となる条件は前掲の通り)。

    妻の年収130万円(106万円)超え…その直後はレッドゾーン

    負担が一番重くなる危険地帯、いわばレッドゾーンは、妻自身が社会保険に加入するタイミング。年収130万円もしくは年収106万円の時です。社会保険料の負担は一時的に大きなものになります。年収130万円(106万円)を超えた直後、手取り収入は減るでしょう。ここは要注意です。

    そのレッドゾーンの幅は20万円ほど。年収130万円から150万円(年収106万円からだと120万円)あたりは世帯収入が増えないことになります。

    妻の年収150万円超え…社会保険料・税負担増えるも確実に世帯年収アップ

    そして年収150万円を超えると、夫の税金計算時に「配偶者特別控除」の控除額の減額が始まります。所得増に応じて段階的に税負担が重くなる仕組みになっていますが、妻の収入アップより税負担を重く感じることはありません。

    妻自身の社会保険料、税金も増えはしますが、こちらも所得増に応じた増加。妻の収入増は確実に世帯年収のアップを約束しますよ。

    まとめ:「扶養の範囲」「〇〇円の壁」を超えても、負担が重くなるのはほんの一瞬

    妻が自分で税金を支払うようになる「100万円」「103万円」、夫の税金計算時に配偶者控除の減額が始まる「150万円」、妻が自分自身で社会保険に加入する「106万円」「130万円」と色々な壁があるといわれています。この中で「ここを超えたらレッドゾーン!」という本当の壁は、社会保険の「106万円」「130万円」のみといえます(それぞれの壁の理由は後述します)。

    とはいえ、さらに年収で10〜20万円アップすれば、その壁による負担増を感じることはなくなるはず。「○○円の壁」を具体的にみていくと、壁を超えたことによる負担増が続く範囲は意外に狭かったのです。

    自身で社会保険加入のメリットを享受し、年収160万円以上を目指そう

    負担増にばかり目が行きがちですが、忘れてはいけないのが、自分自身で勤務先から社会保険に加入するメリットです。保険料を徴収されて損をしたと短期的に考えてはいけません。会社は加入者の保険料と同額を負担してくれていますから、いわば5割引で社会保険に入ったといえるのです。

    このおかげで、将来受給できる老齢年金は加入した厚生年金によって増額が見込めます。また、けがや病気で働けなくなり給料が得られなくなっても、健康保険から傷病手当金を受給することができます。

    さらに世帯収入があがれば、家計にゆとりがでてきます。貯蓄もスムーズにできることでしょう。人生100年といわれる今、少しでも収入を増やすことが、将来の安心生活設計につながるのではないでしょうか。

    税金と社会保険料における「○○円の壁」を総まとめ

    パート主婦が支払う所得税・住民税の負担は意外に軽い

    まずは、パートタイマーの主婦が払う税金から考えましょう。個人の所得に対してかかる税金は所得税と住民税。これらは年間の所得に応じて課税が免除されるかどうか、そして課税されるときの税額が決まります。

    パートなどの給与所得者では、国に納める所得税は年収103万円から、地方自治体に納める住民税は年収100万円(一部自治体では93万円)から課税されます。ここが税金を払う・払わないの線引きで、所得税・住民税における扶養の範囲内となります。

    といっても、その税負担はまだ軽いもの。例えば、年収110万円になった場合の税額は、所得税3500円、住民税1万円。それぞれの課税の線引きを超えた分以上の税金を払う必要はなく、税負担はさほど重いとは感じられないでしょう。

    社会保険料は年収130万円超え、106万円超えが分岐点

    次は社会保険料(年金・健康保険)です。会社員や公務員の配偶者で年収130万円未満の場合は、被扶養配偶者として国民年金第3号被保険者に、被扶養親族として健康保険に加入することができます。いずれも、新たな保険料負担なしに年金や健康保険に加入することができます。これが、社会保険でいう扶養の範囲内ですね。

    そして年収130万円を超えると、主婦自らが社会保険に加入することになり、保険料を負担することになります。

    また、職場の方から社会保険の加入を促すケースも出てきました。2016年10月より一定の短時間労働者にも社会保険加入が義務づけられたためです。

    その対象は従業員501人以上の事業所で週20時間以上、月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)、雇用期間1年以上見込みの勤務者(学生ではないこと)。これらの条件にあえば、年収130万円という扶養の範囲を超えなくても、社会保険に加入して保険料を負担することになります。

    配偶者控除、配偶者特別控除は年収150万円

    最後に、夫の税金が減額される扶養控除を考えます。所得税や住民税は、扶養している配偶者がいると税額が安くなる「配偶者控除」「配偶者特別控除」という制度があります。主たる生計者の夫とパートの妻である夫婦では、夫の税金が安くなる仕組みですね。これらの控除できる範囲は、配偶者(妻)の年収によって変わります。控除を最大限利用できるのは、妻の年収が150万円以下の場合です。

    夫の所得税、住民税は妻の年収が150万円までであれば、専業主婦同様に控除を受けることができ、税金が安くなるということです。

    ただし、2018年から適用されている配偶者控除・配偶者特別控除では、本人(夫)の収入によっては受けられない、減額されるのでご注意を。本人(夫)の所得が900万円を超えると控除額は減額され、所得が1,000万円超えると控除はなくなります。

    文:ファイナンシャルプランナー 福一由紀

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