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2017年8月4日
2020年から大きく変わる小学生の英語教育事情。学校任せで大丈夫?

    2020年から小学校の教育が大きく変わる予定です。文部科学省が公示した新学習指導要領(各学校で教育課程を編成するときの基準)によると、英語が小学校5、6年生では算数や国語と同じ「教科」の扱いになり、成績評価も行なわれるそうです。具体的にはどのような変更になるのか?事前に準備すべきことは何か?などの疑問や不安を解消するため、英語教育の専門家である清水万里子さんに詳しく教えてもらいました。

    清水 万里子 さん
    児童英語教師歴32年。(株)エデュシーズ代表。保育園や大学などで非常勤講師を務めるほか、岐阜県可児市「英語コミュニケーション事業」アドバイザー。中日新聞「中日こどもウイークリー」英語学習執筆。近著に『はじめての親子英会話』(アスク出版)。All About「子供の英語教育」ガイド。

    すでに二十数年の試行錯誤が!小学校の英語教育の歩み

    2020年から変わる小学校の英語教育の狙いを知るため、まずこれまでの流れを振り返ってみましょう。今では小学校で英語授業があるのは当たり前ですが、清水さんによると英語教育が5、6年生を対象に必修化されたのは2011年からとのこと。また、必修化までは長い道のりだったようで、なんと小学校の英語教育のスタートは1992年だそうです。

    25年の時を経て、いよいよ5、6年生の英語が本格的な「教科」となるわけですが、これまでと一体何が変わるのでしょうか。

    清水さんによると、5、6年生での違いは主に3つとのことです。
    1)学習時間数が現行35時間から70時間へと2倍になる
    2)現在の教育内容「聞く」「話す」に「読む」「書く」が加わる
    3)成績評価がされるようになる(通知表にも載る)

    特に「読む」「書く」が加わることが大きな変更といえますが、清水さんからは以下のアドバイスが。

    「読むこと・書くことが加わったといっても、今後も聞くこと・話すことを大切にした学習内容であることに変わりはありません。また、小学校での英語はコミュニケーション能力の育成が本来の目的ですから、4技能の習得だけを急がず、コミュニケーションを楽しむ子どもたちを育てることが大切です」

    さらに3、4年生から初めて「外国語活動」が導入されますが、清水さんはあまり心配の必要はないといいます。この年代では楽しく英語に触れられるようカリキュラムが考えられており、アルファベットの文字に親しむ時間が設けられるほか、英語絵本が副教材として用意されるなどが予定されています。

    「3、4年生の発達段階は、英語で楽しく活動できるとても良い学年です。私も小学校の教壇に立つことがありますが、子どもたちの反応も吸収もとても良いと感じています」

    小学校の英語教育のために準備することは何?

    小学校での英語教育が本格的に始まると聞いて、自分の子どもがそれについていけるか、逆に学校の勉強だけで英語に親しめるのか、不安になる人も多いでしょう。5、6年生での英語教育が始まる前に何をすべきなのか、対策を伺いました。

    清水さんによると、小学校の「総合的な学習の時間」に英語教育が導入された2002年頃から、やはり同じような不安を感じた親が子どもを英語教室に通わせることが増えたといいます。しかしそれから十数年経った今、子どもたちの英語力が格別伸びたとは思えないとの指摘も。

    「当時も今も、小学校の英語はコミュニケーション能力の養成が目的です。私が小学校で教えた経験などもふまえて考えると、子どもたち自身も『外国人の先生が話していることがわかった』『英語の絵本を読んでもらって、お話がわかった』など、英語を聞いて理解できたことに喜びを感じているケースが多いのです。また、『先生にHelloと言ったらHelloと返事をしてくれた』『習った英語でI'm hungry.と言ったらお菓子をもらった』など、英語でのコミュニケーションを楽しみ、それを素直に喜んでいます」

    英語力には4技能(聞く、話す、読む、書く)がありますが、コミュニケーションの基礎として、幼児・小学生時代に身につけておきたいのは「聞く力」「伝える力」だと清水さんはいいます。しかも特に聞く力は幼少期に大きく伸びるので、良質な英語にふれる機会を持つのは大切だそう。

    「また、英語の勉強を続けていく上では、『英語が好きという気持ち』と『外国人の存在を知り、興味を持つ』ことも重要です。親御さんには、これらの力を育てるための英語環境を整えてほしいと思います」

    清水さんがいう英語環境とは、英語に自然に慣れ親しめる環境のこと。例えば好きな英語の歌や英語の絵本を、繰り返し聞いたり、見たりすること。教材は有料のものでなくても、テレビ番組やインターネットの動画などを活用すると良いそうです。このほか、朝出かける準備をする間に英語の歌を流したり、一緒にお風呂に入ったときに子どもと英語の歌を歌うなど、毎日少しずつでも英語にふれる環境を整えてあげれば、子どもの英語への興味・関心が高まり、英語力の向上に期待できるといいます。

    「一方で英語教室に通う場合は、教育内容以外に子どもの英語学習生活サイクルが整うこと、三日坊主になりがちな親のモチベーションが維持できること、英語教育の相談ができる相手がいることなどがメリットです」

    子どもの英語教育にかけるお金、どう捻出する?

    とはいえ、英語教室には下表のようにそれなりのお金がかかることも事実。今でさえこれからかかる教育費が不安なのに、これ以上英語教育にお金をかけるなんて、一体どうすればいいのでしょう。

    ポイントは2つあります。
    まず、将来の教育費として積み立てているお金は絶対に手をつけないこと。例えばインターナショナルプリスクールに通わせるためと貯蓄から学費の不足分を出したり、積み立てをやめてしまうのは本末転倒です。教育費は子どもが成長するほど高くなり、並行して貯めていくことが難しくなります。今貯めているお金を崩してしまったら将来の資金がなくなることは明白です。

    また、プリスクールに通った後、英語教育に力を入れている私立小学校に進ませたり、サマースクールや留学なども検討するといったように、お金をかけようと思えば、いくらでもかけられるのが英語教育。安易な気持ちで貯蓄を取り崩さないようにしましょう。

    さらに英語教育を含む習い事の費用に、しっかりと予算額を設定することも大切です。家計の中で比較的コントロールしやすい項目が習い事費とレジャーなどの娯楽費です(外食が多い家庭では外食費も入るでしょう)。逆に言えば、意識しないとつい増えてしまう項目ともいえます。

    これらについて、1カ月でどのくらい使っているかをノートなどに一度書き出して、その合計額が適切なのかを見直してみましょう。住居費等も含めた毎月の生活費のほか、大学までの教育資金、自分たちの老後資金として貯蓄する分も必要ですから、習い事費とレジャー費の合計額は、最大でも手取り額の1割程度に抑えられるといいでしょう。

    そして一度これらの合計額を決め、それを超えないよう予算配分を検討するのです。例えば英語教育に力を注ぎたいなら少し遊びに行くのを減らそう、といった対策も考えられます。また、予算が足りないとなれば、英語教育も無料で利用できるメディアやアプリの活用なども検討する気になりますね。

    必要となる期間が長く、しかも子どもが大きくなるにしたがって負担が増すのが教育費です。大学を卒業するまでの期間、家計から出し続けていけるかどうかも考慮しながら、「我が家の家計に見合った」英語教育を考えていきましょう。

    文:ファイナンシャルプランナー 鈴木さや子

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