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2017年7月7日(2018年7月20日更新)
共働き家族は注目!小学生の学童保育の現状とかかるお金
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    2015年から対象が小学6年生までとなった学童保育。子どもを学童に入れられない「小4の壁」はなくなったのでしょうか?
    その現状を厚生労働省の調査結果『平成29年(2017年)放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(2017年5月1日現在)』をもとに紹介します。

    また、学童にお金がかかって、働いても貯蓄できないのでは?
    と不安な方もいるでしょう。子どもが学童保育を利用する小学生時期は、親にとってはお金をできるだけ貯めておきたい時期。その乗り切り方もお伝えします。

    学童保育ってそもそもどんな施設?どのくらい利用されているの?

    学童保育は「放課後児童クラブ」などとも呼ばれ、共働きなどで昼間に親がいない小学生が、放課後や夏休みといった長い休暇中に通う施設のことです。

    現在、学童保育の施設は全国に2万4,573カ所あり、117万1,162人の児童が登録しています(放課後児童健全育成事業として届出をしているクラブのみ)。

    ただ、これは誰でもが入所できる状況ではなく、やはり学童保育に入れない子ども、いわゆる待機児童の問題が起きています。この現状を変えようと、国は受け皿確保に力を入れ、2014年に策定された「放課後子ども総合プラン」に掲げる「放課後児童クラブの2019年度末までの約30万人分の新たな受け皿の確保」を1年前倒しして、現在は2018年度末までの目標達成を目指しています。それに沿った施策の効果なのか、2016年から2017年の1年間でクラブ数は954カ所、登録児童数も7万8,077人増えました(2016年のクラブ数は2万3,619カ所、登録児童数は109万3,085人でした)。

    しかし学童保育の施設は自治体ごとに整備に取り組んできた経緯から、地域によって保育内容や料金、開設場所などのばらつきが大きかったため、厚生労働省は『放課後児童クラブ運営指針』を作り、全国的に一定の質の確保を目指す取り組みを進めています。国も学童保育の質の向上と均質化に本腰を入れていることがわかりますね。

    入りたいけど入れない。待機児童は約1万7,000人

    受け皿確保に力を入れているとはいえ、待機児童も少なくありません。すべての自治体が小6までの受け入れを積極的に行なっているわけではありませんし、まだまだ「小4の壁」がなくなったとはいえない状況です。調査から2016年と2017年の待機児童数を比べてみましょう(図1)。

    小1から小6までの待機児童数の合計は前年から33人減の1万7,170人で、うち小1から小3の待機児童数は前年から492人減の9,465人。小4から小6では前年から459人増の7,705人となっています。

    学年ごとに見ると小1から小4までの待機児童数は減っていますが、小5と小6は増加の傾向にあり、やはり高学年になるほど「壁」が存在しているようです。

    先輩ママたちも困った!「学校外の場所にあるから、移動時の事故が心配」

    学童保育と一口に言っても、通っている小学校の敷地内にあるところもあれば、学校から30分も歩く離れた場所にある、などさまざまです。小さい子どもの体力や事故への不安などを考えると、学童保育の場所も気になりますね。2017年の状況を見てみましょう(図2)。

    通っている小学校内に設置されている学童保育は、学校の余裕教室と敷地内を合わせ全体の54%、小学校の外が約46%で、この割合は2016年からほとんど変わっていません。このため放課後は学校から出て、学童保育のある場所まで移動している児童も少なくないようです。筆者の場合は、学校内に設置されていた学童保育に子どもを預けられたのですが(ラッキーでした)、もし小1の時に放課後自力で別の場所に向かうと考えたら、かなり不安に感じます。

    学外にある場合は、施設の先生など大人が迎えに来て学童保育の場所まで送ってくれる、子どもだけの集団で行くなどのケースのほか、そういった決まりがなく子どもが1人で行くこともあるそうです。

    小学校から徒歩5分の場所にある学童保育に子どもを通わせている、というママからきいた話では、学童に向かう途中の公園で遊んでしまって、「お子さんが来ていない」と連絡を受けて非常に心配したんだそう。学外の場合、こういったことも起こり得るわけです。

    また、設置場所によっては保育スペースが狭かったり、外で遊ぶ場所がなかったりするなどで、子どもが放課後の時間を楽しめなくなり行きたくなくなる……という話も聞いたことがあります。

    解決のヒント

    これから小学校に入学するお子さんがいらっしゃる方は、自治体のホームページに掲載されている、学童保育施設の住所・電話番号などの一覧を確認してください。学校内にあるのか、学外なのか、学外の場合はどのくらいの距離なのか、予約時期はいつなのかなど、早いうちからチェックすることをおすすめします。

    ママが安心して働き続けるためにも、学校内への学童保育設置率が高まっていくことを祈るばかりです。

    先輩ママたちも困った!「18時以降預けられない!」

    共働きにとって、学童保育の終了時刻は非常に重要です。保育園時代は19時までの延長保育や軽食の対応もあったのに、小学校にあがったら18時には学童が終わってしまい、働きづらくなったというママも多いでしょう。

    気になる学童保育の終了時刻の現状を見てみましょう(図3)。

    2017年は18時以降まで預けられる施設が全体の77.3%と、2016年の74.9%に比べ、やや増えていることがわかります。しかし、19時以降まで開いているのはほんの7.2%であり、仕事によっては公営の学童保育をあきらめて遅くまで預けられる民間の保育施設を選ばざるを得ないママも多いのではないでしょうか。

    解決のヒント

    仕事の関係でどうしてもお迎えに行けない場合は、地域のファミリーサポートセンターや民間の託児サービスに登録して、送迎シッターさんにお迎えをお願いしている人もいます。最初からあきらめず、ほかのサービスと組み合わせて学童保育を利用する方法を検討してみましょう。

    先輩ママたちも困った!「利用料が高くて、捻出が大変!」

    次は、やはり気になる利用料について。2016年は84.4%、2017年は82.6%といずれも全体の8割強が利用料を徴収していますが、その金額は施設によってまちまちです(図4)。

    全体の約半数の施設が月額4,000円〜8,000円の範囲に収まっていますが、少数とはいえ月額1万6,000円以上のところもあり、施設によって大きな開きがあることがわかります。2016年と2017年を比較してもこの傾向に大きな違いはないようです。

    また、半数以上の施設では月額利用料以外にも以下のように実費徴収も行なわれています(図5)。

    もし利用料が月額8,000円、実費が月額2,000円だった場合、年間の支出は12万円。公立小学校に通う子どもを預ける学童保育なら利用料もお手頃では?
    と思っていた人にとっては意外と高額な出費となり、予定以上の経済的負担になる可能性もあります。

    解決のヒント

    もし通っている小学校に、「放課後子供教室」があるなら、子どもの学年や性格に合わせ、活用を検討してみてください。「放課後子供教室」は厚生労働省の学童保育(放課後児童クラブ)とは別に国が推進してきた施設で、文部科学省が中心となっています。

    筆者もこの施設に子どもを預けていた時期がありました。施設の狙いは、すべての子供を対象に、地域の方々の参画を得て、学習や様々な体験・交流活動、スポーツ・文化活動等の機会を提供する取組ですが、子どもたちを見守ってくれる大人がいる場所で、18時くらいまで自由に過ごすことができます。学童保育と異なるのは、共働きでない家庭でも子どもを預けられること。仲良しの友達との遊び場所として活用している子も少なくないと思います。費用も筆者が利用した時は年額3,500円と大変お財布に優しい設定でした。

    ただし2014年から「放課後子ども総合プラン」として学童保育=放課後児童クラブ(厚生労働省)と放課後子供教室(文部科学省が主導)の一体型・連携型の運営が進められていて、それぞれの特色を生かしつつ同じ場所で運営されるケースも増えているようです。

    小学生時代を乗り切るために心がけたいポイント

    共働き家庭にとって欠かせない学童保育ですが、希望しても入れない場合や、「学校から遠いところにあるので心配」「残業が多いので遅くまで預かってほしい」などの理由で、高額な民間企業の施設に預けざるを得ないケースもあります。保育料も自治体によって差が大きく、負担が重い場合、学童保育に預けることもままならない場合もあるでしょう。

    こうした出費に加え、中学以降の教育費負担はどんどん重くなる一方。そのときに備え、小学校時代はできるだけ出費を抑えるのが鉄則ですが、「働き続けるために必要なお金はかけてよいのだ」という割り切りも必要です。

    働くママにとって大変な小学生時代を乗り切るために心がけたいポイントを、ファイナンシャルプランナーとして、また、子育てを経験した先輩ママとしていくつかお伝えします。

    ・費用・場所・内容のバランスを子どもの学年を考慮して考える。例えば低学年のうちは安全面を重視、高学年になったら費用を重視など。

    ・学童保育の送迎時間が合わないときなどは、ファミリーサポートや民間託児サービスを併用し、安心できる環境を作る。

    ・学童費用も含めた月額教育費の予算を決め、場合によっては習い事をしばらく減らすなど教育費全体で調整していく。

    ・小4からは受け入れ先不足などで学童保育に預けにくいケースも多いため、働き続けるためにも、子どもに早いうちから留守番の練習をさせる。

    ・保育園と違い、専業主婦家庭もいる小学校にあがると「なんで働くの?」と感じる子も。ママが働く理由や意味もぜひ伝えて。

    ・学童保育などのお金には目をつぶりつつ、将来かかる教育費の貯蓄をするためにムダなお金をかけているものはないか、家計を見直す。

    誰でも学童に気軽に預けられる環境が整うには、まだ時間がかかるかもしれません。住んでいる地域での状況も刻々と変わりますので、新しい情報をチェックして、小1の壁や小4の壁も乗り越えられるよう、準備しておきましょう。子どもにも協力をあおいで、親子で乗り切ってくださいね。

    出典:厚生労働省『平成29年(2017年)放課後児童健全育成事業(放課後学童クラブ)の実施状況』(2017年5月1日現在)

    文:ファイナンシャルプランナー 鈴木さや子

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