TOP

2017年7月7日
共働き家族は注目!小学生の学童保育の現状とかかるお金

    児童福祉法改正によって、2015年から利用対象が小学4年生から小学6年生まで延びた学童保育。それによって「小4の壁」はなくなったのでしょうか。また、一体お金はどのくらいかかるのでしょうか。概要と現状、そして費用について厚生労働省と全国学童保育連絡協議会のデータをもとに紹介します。

    学童にお金がかかってしまい、働いても貯蓄できないと悩んでしまう方もいるでしょう。

    学童保育ってどんなところ?

    学童保育とは「放課後児童クラブ」などと呼ばれるところで、共働きなどで昼間、自宅に親がいなかったり面倒を見ることができる大人がいない小学生が、放課後や夏休みなどの長期休暇中に通う施設のことです。全国に学童保育は2万3,619か所あり、109万3,085人の子どもが入所しています(放課後児童健全育成事業として届出をしているクラブのみ。※1-1)。

    2015年から小4以上の子どもも受け入れるように

    改正前の児童福祉法では、学童保育の対象となる児童について「小学校に就学しているおおむね10歳未満の児童」となっていたため、子どもが小4になると学童保育に預けられなくなる家庭が多くありました。わが子の放課後や夏休みの居場所がなくなってしまう!と「小4の壁」に悩む親はとても多く、塾に行かせるなど、なるべく子どもだけで留守番しなくてすむような工夫が必要でした。

    その状況から法律が改正され、2015年からは対象が「小学校に就学している児童」となり、小6まで利用できる施設が増えてきました。それにより、学童保育に通う小4〜小6の児童数は、2014年のデータで約11万6,000人(総児童数:約343万人)。それに比べ2016年は約17万3,000人(総児童数:約328万人)と、総児童数は減っているにも関わらず顕著に増えています(※2-1)
    しかし、すべての自治体が小6までの受け入れを積極的に行なっているわけではありません。また、優先的に低学年を受け入れるため、高学年が入りきらない場合があるなど、まだまだ「小4の壁」がなくなったとは言えない状況です。

    学童保育に入れない待機児童数は1万7,203人

    学童保育に入りたくても入れない「待機児童」は、高学年だけでなく低学年にも多くいます。その数は2016年5月段階で、小1〜小3で9,957人、小4〜小6で7,246人、合計で1万7,203人も。2014年には全部で9,945人だったのでたった2年で1.7倍とかなり増えています(※1-2)。その要因として考えられるのは共働き世帯の増加です。2014年は1,077万世帯だった共働き世帯数が、2016年には1129万世帯と、約50万世帯も増えているのです(※4)

    また、学童保育がない学区が全体の16.8%(3340校区)もあり、徒歩圏内にないから預けられないと利用を断念する親もいますし、そもそも市区町村に学童保育自体がなくて預けられない(全国の1割弱の市区町村)というケースもあります(※2-2)

    学校から近い?学童保育の設置場所

    学童保育と一口に言っても、通っている小学校の敷地内にあるところもあれば、学校から30分も歩くほど離れているところもあるなど様々。小さい子どもの体力や事故への不安などを考えると、学童保育の場所も気になるところです。

    上記の厚生労働省の調査によると、2016年時点で、通っている小学校内に設置されている学童保育は、学校の余裕教室と敷地内を合わせ全体の約54%。小学校の外が約46%と、放課後は学校から出て学童保育のある場所まで移動している子どもも少なくないようです(※1-3)。親にとっては、できれば小学校内またはすぐ近くに学童保育を設置してほしいもの。実際、国は2014年に「放課後子ども総合プラン」を策定し、新しく開設する学童保育について「学校施設を徹底活用した実施」を推進しています。学校から遠く離れた学童まで通わなければならない地域が、今後減っていくことを期待します。

    学童保育で預かってくれる時間は?

    共働きにとって、学童保育に預けられる時間帯は非常に重要です。保育園時代は19時まで延長できたり、軽食をお願いしてわが子のペコペコのお腹を満たすことができました。しかし、小学校にあがったら18時には学童保育が終わってしまうため、働きづらくなったという親の不満もよく耳にします。また、夏休みなど長期休暇中は、親が家を出るよりも遅い時間からでないと学童保育に預けられないケースも。

    厚生労働省のデータによると、全体の24.6%の施設が17時〜18時、23.1%の施設が18時〜18時半、44.5%の施設が18時半〜19時まで預けられるようです。しかし、19時以降も開いているのはわずか7.3%となり、親の仕事によっては公営の学童保育を諦め、もっと遅くまで預けられる民間の保育施設を選ばざるを得ないママもいるかと思います(※1-4)

    長期休暇中のスタート時間についても、全体の70.4%が8時台。親の通勤時間帯よりも学童保育のスタート時間が遅い場合は、親は先に出かけ、子どもに鍵を持たせて自力で学童保育に行ってもらうことになるかもしれません(※1-4)

    利用料は月4,000〜6,000円のところが多い

    ほとんどの学童保育が利用料を徴収していますが、その金額は施設によってまちまちです。

    4,000円〜6,000円未満が28%、6,000円〜8,000円未満が24%と、全体の約半分の学童保育が月額料金を4,000円から8,000円未満としていますが(※1-5)、下表のように運営主体によっても料金に差が生じます。

    市区町村が運営している学童保育は5,535円と低いですが、保護者が立ち上げ運営している場合は1万872円と全体平均の7,371円より約3,500円高くなっています。とはいえ上記は2012年調査で、それぞれの平均月額となりますので、お住まいの地域の学童保育については確認してください。

    また、生活保護を受けていたり、ひとり親だったりする場合は、利用料を減免しているクラブが全体の8割以上あります(※1-6)

    学童保育にかかるお金の考え方

    中学以降どんどん負担が重くなる教育費に対して余力を残しておくためにも、できるだけ小学校時代は出費を抑え貯金に励むのが基本的な考え方です。本コラムで紹介した公営の学童保育であれば、その多くが月額8,000円以内で済むため最も経済的ですが、データで見てきたように、預けられる時間帯や場所といった利便性、費用などの点で、すべての共働き家庭が安心して預けられる状況にまではまだ整備されていません。望んでも入れない場合や、「学校から遠いところにあるので心配」「残業が多く遅くまで預かってほしい」といった理由で、高額な民間企業の施設に預けざるを得ないケースもあります。

    こういったケースでは、学童にお金がかかってしまい、働いても貯蓄できないと悩んでしまう方もいるでしょう。しかし、働くことを簡単にあきらめないで下さい。習い事費用や他の生活費を節約するなど工夫をすると同時に、高額出費が短期間で済むように、子どもに留守番の練習をさせるなどして親子で乗り切って下さいね。

    (出典)
    ※1:厚生労働省『平成28年放課後児童健全育成事業(放課後学童クラブ)の実施状況』(2016年5月1日現在)
    ※1-1:上記資料P1 放課後児童クラブ数 登録児童数
    ※1-2:上記資料P3 クラブ数、登録児童数及び利用できなかった児童数の推移
    ※1-3:上記資料P4 設置場所の状況
    ※1-4:上記資料P10 平日の終了時刻の状況および長期休暇等の開所時刻の状況
    ※1-5:上記資料P19 放課後児童クラブにおける利用料の徴収の状況
    ※1-6:上記資料P19 放課後児童クラブにおける利用料の減免等の状況
    ※2:全国学童保育連絡協議会『2016年5月1日現在の学童保育実施状況調査』
    ※2-1:上記資料P3 調査結果2 学年別の入所児童数と割合の推移(人) 下段表 4〜6年合計
    ※2-2:上記資料P4 調査結果3 地域に学童保育がなければ、入所を申し込むこともできません(「潜在的な待機児童」)
    ※3:全国学童保育連絡協議会『2012年5月1日現在の学童保育実施状況調査』
    ※3-1:上記資料P12 運営主体別でみた保育料の平均月額(個別調査より)
    いずれの調査も施設(支援の単位)数および入所人数には、民間企業がビジネスとして開設している施設は入っていない
    ※4:厚生労働省『労働力調査(詳細集計)』2014年および2016年
    いずれも「妻の年齢階級,妻及び夫の就業状態・農林業・非農林業・従業上の地位・月末1週間の就業時間・就業希望の有無・仕事からの収入(年間)・夫の求職理由,世帯の家族類型別夫婦のいる世帯数(世帯の家族類型4区分)」夫:雇用者×妻:雇用者の数

    文:ファイナンシャルプランナー 鈴木さや子

    <関連記事>
    投信積立+ジュニアNISAで教育費上昇に負けない運用を!
    子育て世代のカンタン資産運用〜投資信託選び3つのポイント
    家族のお金を増やしたい!上手に投資を始めてみるには

    <関連キーワード>
      人気キーワード
      新規口座開設で最大30,000円キャッシュバックキャンペーン 新規口座開設はこちらから

      関連サイト

      • 大和証券
      • プラチナくるみん