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2017年4月21日
業界を変えたベンチャー企業社長が考える、「子育ての原則」と「子ども達の未来」

    「世界の食をもっと楽しく」を理念に掲げたベンチャー企業、株式会社フーディソンの代表取締役CEO・山本徹さんは、9歳と6歳の男の子のパパ。起業と経営で多忙な日々を送る身ながら、子育てにも積極的に関わってます。父として日々の子育てで心がけていること、夫婦関係、子ども達の未来への思いを伺いました。

    それは「叱って育てた幼い子どもの表情が険しくなった」反省から始まった

    9歳と6歳の男の子のパパとして子育て奮闘中の株式会社フーディソンの代表取締役CEO・山本徹さん

    ITを活用した水産流通プラットフォームの再構築に取り組む株式会社フーディソンのCEOとして、日本の水産業の流通にイノベーションをもたらしている山本徹さん。私生活では9歳と6歳の男の子の子育て真っ最中で、なんとお子さんと20キロものマラソンをしたり、家庭では魚料理に腕を振るったり、充実した時間を一緒に過ごしています。でも、そんな「父親歴」は初めから順調だったわけではありませんでした。

    「長男が生まれた時、自分の父が礼儀に徹底的に厳しかったこともあって、僕は同じように厳しい子育てをしてしまったんです。すると、3〜4歳の頃、長男の眉間にシワが寄って、険しい表情をするようになってしまった。妻と話して、接し方を反省しました。子どもは親の振る舞いも表情も真似するので、自分の姿を見せられた思いでした」(山本さん)

    思い起こせば10代の頃、厳しかったお父さんの存在から離れたいと思い、家から出ることを目的に北海道大学へ進学。北海道時代に出会った2人の「札幌の父」と思える人の存在に、山本さんは大きな影響を受けました。

    「自分を導いてくれる人との出会いが、人生を豊かにする。両親が僕自身のベースを作ってくれ、その先は社会が育ててくれた。社会に出て行く準備、いい方向へ伸びて行くための基礎を育てるのが親の役割なのだと考え直しました」(山本さん)

    息子さんたちは同じ男子でも、一人目と二人目では個性も自分との関係性も違うのだそうです。山本さんは「おっとりとして大人の様子を伺う長男に比べ、エネルギーの強い次男が生まれたときは、すっかり肩の力が抜けていた。締めるところは締めますが、息子たちとはおふざけの話もたくさんして、自然な姿を見せています」と笑います。

    マラソンへの挑戦で向き合う、親子の関係

    2人のお子さんと一緒に外出先で食事を楽しむ山本さん

    「僕が父と向き合えたのは、自分が子育てを始めてからなんです。大人になるとなおさら男と男で向き合うのは難しいですが、もともとストイックな父は100キロマラソンを続けていて、ちょうど自分もマラソンを始めたので一緒に走ってみた。すると、同じゴールに向かうとこんなにも気楽にコミュニケーションできるのかと、大きな発見がありました」(山本さん)

    つらいプロセスと向き合う時に、本当の部分が見える。努力して達成した体験が自信を生み、ゆくゆくは自分が見たこともないような問題とも対峙することを恐れずに挑戦を続けていける。そう考えた山本さんは、運動が苦手だったお子さんともマラソンを始めました。

    「一緒に走りながら、走ることになぞらえてたくさん話をします。仕事も家族も、どんな未来を目指してなにをやっているのか、子どもにもわかりやすく伝えています。今はこういう時期だからお父さんは遅く帰ってくるんだ、とか。会社のビジョンを達成しても、家族が崩壊していたら意味がない。魚を食べたい人に魚をあげるのでなく釣りの方法を教えるのと同じで、僕がなぜ仕事をし、何を目指しているのかを伝えて、子ども達には自分で走れるようになってほしいんです」(山本さん)

    はじめは走るのが嫌で泣いていたお子さんも、校内マラソンで100何十位だったのが、なんと全校2位へ。今や「得意なのはマラソン」と胸を張るほどになりました。

    家事は事業感覚で、子どもの進路は夫婦で話し合い

    「そうは言っても、家事はほとんどできていないですよ」と謙遜する山本さん。家事分担は、お子さんが小さい頃は頑張っていたけれど、お子さんが成長してからは「なあなあになっちゃって」。それでも、「戦略的に手順を組み立てた」お皿洗いは好きで、魚をおろしたり餃子は買い出しから全て担当したりと、週末料理にも精を出す。お風呂や布団の上げ下ろしなどは自分からだんだん子どもへ役割分担を渡すようになった……などの家事エピソードに、事業感覚が表れます。

    思ったことは言う性格なので、同じくはっきりした性格の帰国子女の奥さんとは時には喧嘩もするそうです。だからこそお互いの子育ての方針を尊重でき、「子どもに中学受験をさせるかどうかも、お互いにいろいろな情報を持ち寄って、夫婦で話し合って決めました」。

    海外育ちの奥さんの教育観を尊重し、家庭でお子さんに英語で話しかけるのも奥さんの役割。「子どもが英検5級に合格したんです。すると今度は『得意なのは英語』とまた新しく自信が生まれました」と、山本さんは嬉しそうに話します。

    そんなお父さんへ、息子さんたちは「よく怒っちゃう時があるけれど、いろいろ教えてくれるのはいいところで、お母さんに一人の時間をあげて、父子で外食をしてお母さんにお花を買って帰るのもいいところ」と褒めてくれるのだとか。

    未来は「好きでやっている人が成功し、幸せになる時代」

    「キャンプでは子どもたちに様々な経験をさせたい」(山本さん)

    「これからは標準的に勉強ができるだけでは生きていきにくい時代。代わりに、ロボットでは計算できないような未来への一歩、非効率な一歩を人間が担う時代になります。世の中に出て改めて思いますが、どんなに努力しても、好きでやってる人には勝てないんですよね」(山本さん)。

    今後の世界では自分が好きなことを見つけてそれをとことん追求し、その強みを生かして社会に貢献できることが重要なのだと考え、「ITのプログラミングや英語は、今後の社会では必須。それに加えて、子どもにはとことん好きになれる対象を見つけられる手助けをしてあげたいですね」と、真剣な眼差しで語ります。

    「事業も家庭も、自分が思い描いた『社会にとって理想的な未来』に向かっているプロセスが幸せだ、と僕は信じているんです。実行する強さを持ち、自分の足でたどり着ける期待感、それが幸福感を呼ぶ。人生も同じ。子どもは親をよく見ていますから、仕事をしたり家庭生活やマラソンを楽しんだり、馬鹿話を子ども達として笑い合ったり、親が人生を楽しむのが大事だと思っています」と語る山本さんの目には、父として、そして一人の起業家として、穏やかな自信が宿っていました。

    <取材協力>
    株式会社フーディソンの代表取締役CEO・山本徹さん
    1978年生まれ。北海道大学工学部卒業後、2001年4月大手不動産デベロッパーに入社、2002年10月合資会社エス・エム・エス入社後、組織変更に伴い、株式会社エス・エム・エスの取締役に就任。創業からマザーズ上場まで経験。2013年4月、株式会社フーディソンを設立し、代表取締役に就任。水産業界に新たなプラットフォームを構築するべく事業運営中。
    文:河崎 環
    写真:今井美奈

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