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2016年12月2日
どうすればいい?「子どもがつくウソ」への対処法

おしゃべりが上手になるころから、子どもの口から出るようになるウソ。悪意がなくかわいいウソであればほほえましいのですが、成長するにつれて「あれ?」と思うようなウソをつき始める子どもも少なくありません。そんなときは、どうしたらいいのでしょうか。全国で13万部を発行する育児情報誌『miku』の編集長であり、認定子育てアドバイザーとしても活躍する高祖常子さんに、子どものウソへの対処法を教えていただきました。

子どもがつくウソの5パターン

子どもがつくウソには、かわいらしいものから注意すべきものまでさまざま。大きく分けると下記の5つに分類されると高祖さんは分析しています。

1:幼さからくる時系列の勘違い
「ずっと前のことなのに、昨日のことのように言う」など、時間の感覚がまだ発達しきれていないことで、時系列を取り違えて話してしまう場合。全くのファンタジーではなく、自分が見たり聞いたり、体験したことの「いつ」を間違えてしまい、ときにはそれが大人にウソと判断されてしまいます。大人なら勘違いを確認して訂正できますが、子どもは思い込んでいると訂正せず、言い張ることもあります。

2:妄想と現実の区別がつきにくくなることで生じるファンタジー
「こうなりたいな」という期待や、空想世界の出来事を、あたかも現実にあったことのように話すパターン。例えば、「テーマパークに行きたいな」という願望を「テーマパークに行った!」と周囲に話すのがこれにあたります。見栄を張ったり周囲を困らせるためのウソではなく、ファンタジーの世界と現実の区別がつかなくなることで生じたり、ごっこ遊びの延長として、無意識についてしまうウソです。

3:相手を守るためのウソ
大人でもありますが、欲しくないものをもらって喜んだフリをしたり、友達が壊したのに「僕が壊した」と言うなど、思いやりからきたり、周囲の人を守るためのウソです。

4:自分自身を守るためのウソ
大人に知られたら怒られることを隠したり、「私のせいじゃない」と責任逃れをするケース。ゲームなどで負けたくないときに相手をだますようなウソもこのパターンです。

5:気をひくためのウソ
本当はそうではないのに、「かけっこで1位だった」「このテストはクラスで僕だけ100点だった」など、自分を大きく見せることで、親や周囲からの気をひくためのウソです。

悪気のないウソは、あたたかく見守るスタンスでOK

5つのウソのうち、1と2については、親はそれほど気にする必要はないのでは、と高祖さん。このウソをつく年齢の子どもは言葉を自在に使いこなすことができない段階であることがほとんど。そもそも悪気がないですし、成長とともに間違えたり勘違いしたりすることも少なくなり、現実と空想も整理されていくので徐々に減っていくであろうウソだからです。時系列の混乱によるウソの場合は「それは昨日じゃなくて夏休みのお話だよね」とさらっと訂正。ファンタジー系のウソの場合は、子どもが楽しそうに話していたら、親は否定せずに「そうなんだ」「それでどうしたの?」と話しに乗っても大丈夫とのこと。子どもの想像力や表現力がふくらみます。

ただし、「〇〇くんが穴に落ちちゃった」など、内容がエスカレートしてきたり、人を傷つけるような内容なら空想世界から呼び戻してあげるような働きかけを。「落ちちゃったらけがをして、とても痛いよ」「それはちょっとかわいそうだから、そのお話は終わりにしようか」などと話すとよい、と高祖さんからのアドバイスです。

3の相手を守るためのウソの場合は、「あなたの本当のことを教えてね」と、子どもが自分の気持ちを表現できるように促しましょう。「お友達にはこう接してあげるのはどうかな」などの言葉がけを行い、自分を守り、「ウソ」という方法ではなく友だちを助ける方法を一緒に考えるように働きかけてはいかがでしょう。

注意が必要な2つのウソは、子どもからの“サイン”ととらえて丁寧に向き合って

ウソの5つのパターンのうち注意が必要なのは、4の自分を守るウソと5の周囲の気をひくためのウソですが、「ウソをついてはいけません」とピシャリと叱るのは正しい対処法とはいえません。この2つのウソに共通するのは、実は子どもからのなんらかのSOSサインでもある点。子どもとの関係性に小さな変化が起きているタイミングかもしれません、と高祖さんは注意を促します。

ただし「ウソをついた」という行動と、その時の気持ちは分けて考えてあげてください。「なんでウソをつくの!ダメでしょう!」と言いがちですが、まずは気持ちをしっかりキャッチして「そんな気持ちになったんだね。うんうん、わかるよ」と共感したうえで、「寂しかったんだね」などそのときの気持ちを言語化してあげましょう。子どもは大人以上に「なんだかわからないけれどモヤモヤする」という気持ちになることは多いもの。自分の気持ちに「悲しかった」「イヤだった」と名前がつくことで、その気持ちを言葉で伝えられるようになります。気持ちを否定されないからこそ、親に本心を伝えやすくなり、ウソをつくことも少なくなっていくでしょう。

これらのタイプのウソをつく根本的な原因は「本当のことを言ったらお母さんに叱られるかもしれない」「できないとばれたら、お父さんががっかりするかもしれない」など自分を否定されることへの恐れからくることがほとんど。これはむしろ、どんなことがあっても本当のことを打ち明けられる信頼関係を築くチャンスでもあります。ウソをついてその場を逃れるよりも、正直に話して一緒に解決したほうがよいことをわかってもらえるように話をしてみてください。

とはいえ、気持ちを素直に話すのは、親子であっても難しいのではないでしょうか。そんな場合は、面と向かって話をするよりも、横並びで立って料理を手伝ってもらっているときや一緒にお絵描きをしているときのほうが本心を引き出しやすいもの。子どもから「ママ、あのね」と話をしてくれるシーンを普段からさりげなくつくるのもおすすめですよ、と高祖さん。

子どものウソは、それをきっかけにそのときの子どもの正直な気持ちを知り、子どもの成長をサポートしたり、親子の関係性をより良いものにしたりするためのきっかけにもなります。ぜひ、丁寧に向き合ってあげましょう。

失敗は誰にでもあることを話すのもよい方法のひとつ。ダメなところがあってもいいし、100点満点じゃなくてもいい。ありのままの自分を受け入れてくれる、困ったことは一緒に解決していけるとわかれば、子どものウソも減っていくはずです。

私たちが子どもにつくウソが子どものウソの悪い見本にもなります

子どもが駄々をこねるのが面倒だから、どうせすぐ忘れるから……。そんな理由で「今度、買ってあげる」「今度○○に連れて行ってあげる」などと、ついついてしまう子どもへのウソ。多少の罪悪感はあっても、さほど気にせずに口にしている方も多いのではないでしょうか。

親子の信頼関係をしっかり築くためにも、できるかぎり子どもへのウソはつかないにこしたことはありません。子どもは親を見本に成長するので、親がウソを不用意に口にしないことは大切なことです。子どもとの約束を守れなかった場合は、理由を説明し、「じゃあ、○日にしよう」などと可能なら代替え案を出しましょう。その場合は、今度はちゃんと守るように心がけましょう。大人が子どもを尊重して、丁寧に向き合うことで、親子の信頼関係が育まれ、またそれが周囲の友だちや大人など他者への信頼関係のベースになっていきます。他人を信頼できるということは、一緒に物事を成し遂げたり、困ったときに頼れる関係を作れるという、子ども自身の生きる力にもつながります。

<取材協力>
高祖常子
進学情報誌副編集長を経て、現在は育児情報誌『miku』の編集長として編集・執筆を行うほか、児童虐待防止全国ネットワークやタイガーマスク基金、ファザーリング・ジャパンなどのNPO法人で理事を務める。子ども虐待防止と家族の笑顔を増やすための講演活動を全国で行っている。3児の母。

文:ライター 小林博子

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