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2016年11月18日
子育て中のイライラは誰のせい?
ママの怒りの特徴とそれを未然に防ぐ心理テク

イライラと怒りは、一体どこからやってくる?

「私がこんなにイライラするのは、あなたのせいよ!」と指を突きつけたものの、さした指をよく見ると、人差し指の1本だけが相手に向けられていて、残りの中指、薬指、小指は自分に向けられていた……。これまでにこんな話を聞いたことはありませんか? 私たちはイライラすると、その原因を相手や状況に向けがちですが、心理学では、私たちの内面が大きく関わっているとしています。

これまでの心理学の研究で証明されているのは、言動に「must」「should」が多い人はストレスを抱えやすいということです。日本語でいうと、

●すべきだ
●すべきでない
●しなくてはいけない
●してはいけない

の4つがそれに当たります。実際に声に出したときだけでなく、心の中でつぶやくことでも同じような影響があります。方向性は2つあり、自分に対し「〜しなくてはいけない」と繰り返せば、それは焦りや不安感に変わります。また、他者に対して「〜すべきだ」と思えば、それは怒り、イライラへと変わるのです。

ママの怒りの共通点とは?

たとえば、ご主人やお子さんに対し、こう思ったことはありませんか?
「ごはんだよと言ったら、すぐに着席すべきだ」
「脱いだものを、そのままにしておいちゃダメ!」
「何としてでも、3歳までにはオムツを取らなくては」
「パパなのだから、もっと育児に関わるべきだ」

しかし、こう思ったところで、なかなか思う通りにはいくわけではありません。ご主人が気づいてくれなかったり、子どもが言うことを聞かなかったりすることはよくありますよね。その瞬間に、ママの怒りスイッチはONになります。

「私が○○すべきだと思っているのに、やってくれない!」

これが、ママの怒りに共通するポイントです。相手に求めたハードルが、いとも簡単になぎ倒されることで、ママのイライラが勃発するのです。

ならば、相手がきちんとハードルを跳び越えてくれればいいのですが、そう簡単にはいきません。なぜなら、それはママが設定したハードルであって、パパにはパパの、お子さんにはお子さんのハードルが、それぞれ存在するからです。私たちは、自らの行動を律することはできても、相手の行動まですべて思い通りにコントロールすることはできません。「〜すべき」「〜しなくちゃダメ」は、相手が行動を起こさない可能性を想定していないので、それが叶わなかったときの反動が大きく、「ありえない!」と怒りとなって返ってきてしまうのです。相手への要望なのに、肝心の相手には届かず、自分に舞い戻ってきてしまう、しかも「イライラ」という形で……。これでは、たまったものではありません。

ママのイライラや怒りを助長する大きな存在とは?

ただ、このようにママが「ああすべき、こうすべき」と思い詰めてしまう背景には、日本の子育てに関する独特の社会風潮が影響していると考えられます。「子育て心理学で『3歳児神話』を検証!」でも触れましたが、日本は、母親への期待が世界でも群を抜いて高い国。それにより、ママたちは、世間の期待に沿うようにと、「頑張らねば」と思うことが増えてしまうのです。

日本と海外の両方で子育てをした日本人ママに聞くと、
「日本では周りの目がとても気になったが、海外ではそれに縛られなくなった」
「日本ではよく罪悪感や自己嫌悪に陥っていたが、海外暮らしではそれがなくなった」
「海外だと、母親としてのプレッシャーが圧倒的に少ない」
「日本にいたときには、もっとイライラしていた」

と言います。同じママが、数年、いえ、わずか数か月で、このような心の変化を感じるということは、確実に、「社会の目」が、ママのイライラや焦りに影響を及ぼしているということでしょう。また、心の変化を感じるのはママだけではなく、パパも同様のようで、みなさん、「パパが変わった!」とおっしゃいます。日本にいた頃には、「育児はママにお任せ」だったパパも、育児をするのが当たり前の社会に浸かると、自然と変わっていくようなのです。子育てに積極的になるだけでなく、ママに対しての接し方も変わり、ねぎらいの言葉をかけたり、夫婦だけで食事に出かけたり……。社会風潮が変われば、パパも変わる、ママもイライラしなくなる。このポジティブなサイクルをいかに生み出すかが、今後の日本の子育て問題の課題と言えそうです。

ママが今日から取り組みたい、イライラ対策のための自己改革

とはいえ、「社会の目」は、一朝一夕で変わるものではありません。それと並行して、ママは自分を守る策として、ご自身の「ハードル設定」を改革していくことをおすすめします。

日本と海外の子育てを比べると、そのハードルの高さに違いがあることに気づくのですが、日本は、「何でもよくできる子」を目指すために、どうしても「ああすべき、こうすべき」が増えてしまいます。しかし、筆者がこれまで暮らしてきたフランスやオランダでは、「その子の個性、強み」に重きを置いた子育てをしているため、子どもに絶対的なものを求めません。もっと、ゆるく育児をしている、そんな印象です。

「ゆるく」というとイメージが悪いかもしれませんが、これは「サボりましょう」という意味ではありません。「子どもには子どもなりの望みがあるんだ」「パパにはパパのやり方があるんだ」ということを理解してあげるということです。そうすることで、相手に対し、「ああすべき、こうすべき」と求めることが理不尽なことだと思えてきます。そこまで行ったら、「すべき」を、次のようなゆるやかなフレーズに置き換えるようにしてみてください。

●「〜できたらベストね」
●「〜したらラッキーだわ」
●「できれば、〜できるといいな」
●「〜ならば理想的ね」

家族へのハードルをほんの少し下げると、逆に、「パパが優しくなった」「子どもが言うことを聞くようになった」という嬉しい変化が起こります。少しの失敗も許されないピンと張り詰めた空気がなくなることで、家族みんなが動きやすくなるのです。次に、もし心が「すべき」とつぶやきそうになったら、どんどん追い払っていきましょう。

文:育児相談室「ポジカフェ」主宰 佐藤めぐみ

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