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2016年9月2日
国公立と私立とでは10倍以上の差にも!? 実際いくらかかる?医学部・薬学部の学費

学校の成績ではトップクラスの生徒たちが目指すのが医歯系学部。ただし、気になるのは、そのための進学費用です。最近人気の薬学部と合わせて、学費の現状を紹介します。

医歯系の大学費用は、国公立と私立では8〜10倍の差

「将来は医師になりたい」と子どもが望むなら、まずは大学の医学部に進むことが必要です。歯科医師なら歯学部、医薬品の研究開発や薬剤師を目指すなら薬学部という選択になるでしょう。中でも医歯系学部の受験には、全国の名だたる進学校の中から、さらに飛び切り優秀な生徒が集中するため、かなりの学力が必要です。と同時に、親の経済力・資金力も不可欠になります。

まずは、医学系の3つの学部の進学に必要な学校納付金の平均額を見てみましょう。


文部科学省「平成26年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額」
「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年三月三十一日文部科学省令第十六号)」より執筆者作成

大きなポイントは、国公立大学の場合、授業料は学部に関係なくすべて同じであるため、平均的な会社員家庭でも手が届く金額だということです。ただし、これらの学部は、修業年限が最低6年(薬学部は学科により4年制もある)のため、基本的には6年分の学費で考える必要があることに注意してください。

国立大学はどの学部でも入学料と授業料を合わせて初年度納付金は約82万円、6年間の合計は約350万円で、この金額は過去数年変わっていません。公立の大学も学校ごとに若干の違いはあるものの、ほぼ同水準です。

しかし、私立大学では学校・学部ごとに学費の違いが大きく、初年度の平均額は医学部で約699万円、歯学部で約513万円です。6年間では医学部が3543万円、歯学部は2775万円となり、国公立とはケタ違いの金額になっています。

一方、薬学部は理科系学部に分類され、初年度が約217万円、6年間では1127万円となり、4年間で平均600万円弱という理科系学部のなかでは、最も負担が重くなります。

私立医学部の間でも、学費の高いところと低いところでは2倍もの開きが!

同じ私立の医学部でも、大学によって学費の違いが大きいことも知っておきましょう。医学部の場合、歴史が古くて人気の高い難関大学ほど学費は安く、逆に比較的歴史が浅い新設校などは学費が高いという傾向があります。

ちなみに、学費の高い医学部の代表例は以下のようになっています。

A大学 初年度1050万円 6年間合計4550万円
B大学 初年度1100万円 6年間合計3950万円(委託徴収金込み約4054万円)
C大学医学部 初年度900万円 6年間合計3890万円
D大学医学部 初年度約892万円 6年間合計約3750万円
*学費は年度によって異なることもあります。

反対に、学費の安い大学医学部の例としては初年度300万円弱〜400万円台、6年間の合計は約2000万〜2300万円程度です。

このように、私立大学の医学部では最低でも6年間で2000万円、進学先によっては、その2倍の4000万円くらいかかることもあることを覚悟してください。

歯学部も同様の傾向があり、数年前には定員割れなどにより地方の新設大学で納付金を大幅に値下げしたところもありましたが、それでもかなりの負担であることは事実。また、同じ大学でも入学年度が数年違うだけで6年間の負担が異なるケースもあり、今後も状況によって学費は変動するものと考えましょう。

仕送りをしても、地方の国立医学部のほうが私立より負担は軽くなる

一般的に、私立大学でも文系学部や理工学部などの場合、学費の不足分は奨学金で補い、生活費はアルバイトで工面している学生も大勢います。しかし、医学部などは日々の実験・実習に時間を取られ、アルバイトをしている時間はないといわれています。

ですから、自宅外通学になる場合には、生活費の仕送りが欠かせません。最近は学生寮なども充実していますが、かりに月10万円の仕送りとすると、年間では120万円、6年間では720万円の負担が家計にのしかかります。自宅外通学の私立医学部に進むなら、学費のほかに、この分も考慮しておくことが大切です。

しかし、国立大学なら学費は安く、仕送りをしても学費と合わせた年間の負担は180万円程度のため、私立大学の年間の学費より親の負担は軽くなります。したがって、医学部を目指すなら、地方の国立大学を狙うのも1つの方法といえるでしょう。

ただし、忘れてはいけないのは、医学部を受験する場合、通常は高校1年のときから医学部受験専門の予備校や塾に通う必要があることです。

医学部受験のための予備校代は、年間70万〜500万円くらい

医学部を目指す場合、大手予備校の医学部コースか、医学部受験に特化した専門予備校に通うのが一般的です。その費用は、大手予備校の一般的な医学部コースで年間70万円台ですが、特別指導や個別指導を組み合わせれば200万〜300万円になることもあります。

一方で、医学部専門予備校の場合、少人数クラスや個別指導が中心のため、年間費用は300万〜500万円くらいになるといわれています。

さらに、医学部合格実績の高い都内の有名予備校に通うため、地方出身者は高校時代から寮生活や下宿暮らしをするケースもあります。人によっては、高校時代から予備校代のほかに仕送りなどが必要になることもあり、浪人すれば、さらに負担は増すということです。

これらの現状を考えれば、医学部・歯学部を受験し、医師になるための国家資格を取得するまでには、かなりの教育費がかかることは間違いありません。それでも、親とすれば「医師になれば年収も高く、将来も安心」と考えがちですが、そうとは限らないことも……。

現在は、地方の医師不足などを解消するために、国は医学部の定員を増やし続けていますが、20年後、30年後には人口が減少していくため、医師不足どころか、余剰になることも考えられます。

子どもの将来の可能性を広げるために、親が経済的に援助し支えていく覚悟は大切ですが、将来の進路は子ども自身の希望や適正・能力、そのときの社会に求められる職業といったことも含めて、親子で話し合っていくことが重要でしょう。

文:光田洋子

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