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2016年8月5日
自分の年収はオープンにすべき? 30代・共働き夫婦のお金の話

共働き夫婦は、それぞれのお金事情をどこまでオープンにするべきなのでしょう? することのメリット、しないことで起こる得るリスクを、20年以上にわたるコンサルティング経験を基に、ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに教えていただきます。

共働き夫婦はお金の情報公開をしていない!

共働きが増え世帯年収はアップしているはずなのに“一世代前の片働き世帯よりも、お金が貯まっていない共働き家庭が増えている!”と、30代共働き夫婦の家計管理に警鐘を鳴らすファイナンシャルプランナーの深田晶恵さん。

まずは、単刀直入に聞いてみました。共働き夫婦はお互いにお金事情を公開すべきなのでしょうか?

「基本的には、現在の収入、いまの貯蓄額、1年間で貯めるお金はオープンにすべきです」と、きっぱり。この明快な答えは「あまりにも、オープンにしていない家庭が多い」という理由から。あくまで深田さんの実感値ではありますが、共働き夫婦でお金について話し合っているのは2割程度ではないかといいます。

貯蓄もダイエットと同じ。現状を“見える化”しないと成功しない

夫婦ともに収入があり、支出は分担することで家計が回っているのなら、あえて収入を公開する必要はないようにも思えます。

「お金は“見える化”しないと貯まりません。貯蓄はよくダイエットに例えて語られるのですが、スポーツクラブなどへ行くと、最初に体組成やサイズなど知りたくないことまで数値化して現状把握をしますよね。貯蓄もこれと同じ。収入がいくらあって、何に使っているのかということを明確にしないと、貯められるお金がわかりません」と深田さん。

夫婦それぞれが、自分の収入だけを管理しているのでは独身時代と同じ。これが貯まらない原因だというのです。

お金が貯まる最大のモチベーションは“危機感”

結婚・出産を機に妻は専業主婦になることが多かった世代は、それをきっかけに収支を世帯で考えるようになり、家計管理も工夫するようになったものです。

「30歳くらいで結婚し、年収が500〜600万円程度だと手取り額は400万円台。これで家族が暮らして少しは貯金もしなくては……と考えたら“やりくり”の必要が生じます。なぜなら、油断しているとお金が足りなくなってしまうから。この危機感が、節約スイッチを押すのです。夫婦ともに“結婚したんだから”と、これまでのように頻繁に飲みに行ったり、洋服を買ったり、ボーナスのたびに海外旅行をしたりという行動を控えるようになります。ところが共働きだと、毎月ふたりの給料がありますから、貯蓄はできなくても生活費が足りなくなることはありません」と深田さん。

確かに、妻が働いていると“共働きだから”“忙しいから”と、支出が膨らむことを許してしまう言い訳がいっぱい。これでは、お金は貯まりません。

貯まらない以上の危機が来る! その1.妻のストレスが爆発

家賃や光熱費といった固定費を夫、食費や日用品費などの変動費を妻、とするのが平均的な共働き夫婦の分担方法。夫婦2人のときはこれが問題のない方法に見えますが、子どもが生まれるとそのバランスが崩れてきます。


子どもが生まれると、夫婦の家計担当割合でバランスが崩れる

「妻は出産をすると産休、育休と勤務状況が変わるため、収入が減ってしまいます。にもかかわらず子どもにかかる支出が増えるため、自分の貯蓄を取り崩すなどしてやりくりするようになります。その一方で夫は、収入は減るどころか増えていくでしょうし、支出も固定費ですから変わりません。妻は夫が子どもにかかる費用の負担を申し出ないことに不満を募らせますが、男性はよくいえば“おおらか”、悪く言えば“ぼんやり”ですから自分からは気づかないのです」。

そんな妻に、深田さんはどうアドバイスするのでしょう。

「まず、保育料など子どもにかかるお金を紙に書き出します。これと一緒に収入が減っていることもオープンにし、費用は収入按分で出して欲しいと伝えましょう。男性には感情に訴えず、数字にまとめ“仕事モード”で伝えるとスムーズに話が進むものなんです。夫の収入や貯蓄額についても女性はまじめなので“お金のことはプライバシーだから聞いてはいけない”と思っている人もいますが、夫に話してみると“聞かないから言わなかっただけ”と、あっさり話が進むケースも多いようです」。

貯まらない以上の危機が来る! その2.住宅購入、教育費、老後資金がない?

住宅購入を機に、深田さんのところへコンサルティングに来る夫婦も多くいます。

「たとえば結婚3年のご夫婦に『1000万円の貯蓄がありますが頭金はどれくらいにすればいいでしょう』と質問されたとします。普通に考えれば、200万円は手元に残し、300万円を諸経費、頭金は500万円というのが妥当です。問題なのは、貯蓄1000万円の内訳です。結婚してからの3年間で貯めたものならいいのですが、結婚する前の貯蓄と住宅購入にあたって親から援助してもらったお金が大半で、結婚してからはほとんど貯まっていない場合があります。住宅ローンは家賃との相殺で支払うことができても、これでは教育費や老後資金など大きなお金が必要な時期への準備ができないということになります」。

将来への不安を口にしつつ、貯められていないのが30代共働き夫婦。人生の大きな支出へ備えるには“貯めながら使う”のが基本です。

貯まらない以上の危機が来る! その3.転職や病気などで収入減に

毎月、決まった日に決まった金額の給料が振り込まれる……。会社員を続けていると当たり前のことですが、いまの時代、収入がダウンしたり、働けなくなるといった不測の事態がいつ起きるとも限りません。

「私の本を読んで住宅ローンを組んだという方に、セミナーでお目にかかったときの話です。『会社の事情で転職することになったとき、深田さんの“家計の危機のときこそ決算書に向き合ってください”という言葉を思い出し、改めて決算書を書いてみました。このままだと住宅ローンの返済が負担になりそうだったので、割増でもらった退職金を繰り上げ返済に充てることで毎月の支払い額を半分にできました。転職先はその金額を払いながら貯蓄もできる年収を目安にして探したところ、すぐに見つけることができました』とおっしゃるのです。不測の事態が起きたときこそ、家計をオープンにし、お金としっかり向き合うことがいかに大切かということを象徴するエピソードだと思いませんか」と深田さん。

【まとめ】30代共働き夫婦が「貯まる家計」になる3つのポイント

これまでお話ししてきた内容をふまえて、30代共働き夫婦が「貯まる家計」になるための3つのポイントをご紹介します。

1.「収入」「現在の貯蓄額」「1年で貯めるお金」はオープンにする
2.家計を「見える化」することで、支出が膨らむことを防ぐ
3.家族が増えるごとに、夫婦の生活費分担を見直す

いかがでしたか? お金の話を忌憚なくできる夫婦になることは、人生に必要なお金への最大の備えといえそう。そのためにも、まずはそれぞれの収入をオープンにして貯蓄目標を立てることから始めましょう。

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●関連サイト
お金を学ぶ(大和証券)

◆プロフィール
深田晶恵さん
ファイナンシャルプランナー(CFP・1級FP技能士)、生活設計塾クルー取締役
マイホームの資金計画や資産運用の考え方、家計運営のアドバイスなど、生活に密着したライフプランのアドバイスに定評がある。新聞や雑誌、WEBで執筆するマネーコラムやセミナーなど、わかりやすいお金の話が人気。著著に『共働き夫婦のお金の教科書〜やらないと絶対にソンをする「貯め方」「使い方」のルール』(講談社)

文:鈴木弥生

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