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2016年7月1日
「生きる力」を育む子どものマネー教育、いつから始める?

生きるうえで必要なお金の知識は、家庭でベースが作られる

私たちが社会で生きるために、最低限必要な知識をあげるとすれば、昔から言われてきた「読み、書き、そろばん」の3つに尽きるのではないでしょうか?

この場合の「そろばん」とは、文字通りの算盤(そろばん)を指すのではなく、広い意味でのお金の勘定ということです。お金の勘定ができれば、人に騙されることもなく、かしこい消費者になることができます。またモノやサービスを提供する人、そうした場で働くときにも重要な要素です。これが、現在でいうところのマネー教育の原点でしょう。

今では、「読み、書き、そろばん」の多くは学校での教育に委ねられ、「そろばん」はいつのまにか算数や数学にとって変わられました。しかし、10年くらい前から、日本でも金融教育の重要性が再認識され、学校教育の中にも組み込まれるようになっています。

とはいえ、家庭での絵本の読み聞かせなどで、子どもは自然に言葉を覚え、読み書きができるようになるのと同じで、お金に対する基本的な知識や使い方も、家庭での日々の暮らしで身につけたものが、その子どもの土台になっていくことが多いでしょう。

そういう意味でも、お金の話は家庭内でもタブー視するのではなく、逆に偏見や誤解を生むことがないように、ふだんの会話の中から親が自然に教えていくことが大切です。

小学校に入学したら、小遣いなどで金銭感覚を身につけさせる

子どもは親と一緒に外出したり、買い物に行ったりするたびに、親がサイフからお金を出して支払うところを見ています。そのため、物心がつく3〜4歳ごろから、お金に興味を示すこともあるでしょう。そんなときは、お店でモノを買うときや、電車やバスに乗るときにもお金が必要なこと、このお金はお父さんやお母さんが働いて稼ぐものなので、大切に使わなくてはいけないことなどを、話して聞かせるのはいいことだと思います。

しかし、マネー教育として意識するのは、子どもが小学校に上がってから、お小遣いをもらい、自分でそのお金を使うようになってからでいいでしょう。

「子どものくらしとお金に関する調査」(平成23年6月・金融広報中央委員会調べ)では、小学生の約8割、中学・高校生の9割弱が小遣いをもらっていると回答。ただし、小学生の低学年では「ときどきもらっている」が6割弱と最も多く、中学年でも「ときどき」が43.9%で、「月に1回」が34.3%です。高学年になると「月に1回」が52.2%と最も多くなり、「ときどき」は30.6%と逆転します。

小学生でも低学年のうちは、特に決まった額の小遣いは与えず、祖父母などがときどきあげるという家庭が多いようです。

いつ頃から親が決まった金額の小遣いを与えるかは、ご家庭の方針にもよるので、正解はありません。ただ、小遣いを与えるときは、マネー教育を始めるいいチャンスです。

低学年のうちは週に1回、高学年になったら月に1回などと、渡し方と金額を決めて、お金の使いみちについても親子で話し合ってみましょう。

月に1回の小遣いの場合、小学生の平均額は学年で異なりますが、最も多い回答は低学年から高学年まで500〜700円未満という結果。中央値(回答金額を上位から下位まで並べたときの真ん中の金額)では、低学年が400円、中学年は500円、高学年は1000円でした。

小遣いの使い方を教えるときのポイント

小学生の場合、小遣いの使い方でぜひ教えておきたいことは、欲しいものがなんでもすべて手に入るとは限らないことです。一般的には、生活に必要なモノや学用品などは、親が購入するケースが多いため、限られた小遣いで買えるもの、自分が本当に欲しいものは何なのかを考えて、購入するように教えましょう。そして、一度に使ってしまうと、次の小遣いまでは欲しいものを我慢しなければならないことも教えてください。

高学年くらいになったら、小遣い帳をつけて管理させるのもいいでしょう。

気になるのはお年玉など、子どもがまとまったお金をもらうとき。ふだんは数百円単位でしか使うことができないのに、千円単位どころか、全部で数万円のお金を手にすることもあります。そうすると、子どもの金銭感覚は少し変わってしまうことがあります。

子どもがもらうお年玉も、多すぎる分は親が預かり、子ども名義の通帳に入れて、必要なときに出してあげるといった各家庭でのルールを作り、一定額以上のお金はあまり持たせないようにするのもいいかもしれません。

生きる力が身につくマネー教育 子どもの年齢に合わせた内容とは?

もうずいぶん前の話ですが、中学生だった息子の教科書に、国の歳入・歳出について、家計の予算になぞらえてわかりやすく説明しているのを見て、感心した覚えがあります。

今では新聞などでも同様に解説し、広く普及している考え方ですが、30代以上の親世代の場合、中学時代に学校の教科書でそうしたことを学んだことはないのでは? 学校での金融教育もひと昔前とは異なり、かなり進んでいるように思います。

金融広報中央委員会が2007年に発行した「金融教育プログラム」もその1つで、冒頭に少し紹介したように、学習指導要領が改訂されて小・中・高校で実施されるに至り、改訂に着手。2015年3月に「学校における金融教育の年齢層別目標」を公表しています。

その公表に当たって「金融教育は、社会の中で生きる力を身につける教育」だと説明しています。これはまさに「その通り!」とは思いませんか? 内容は大きく4つの分野に分け、さらに細かい分類で整理して、年齢層別に教育目標を提案しています。4つの分野は次のようになっています。

○生活設計・家計管理に関する分野
○金融や経済の仕組みに関する分野
○消費生活・金融トラブル防止に関する分野
○キャリア教育に関する分野

たとえば、小学生の場合、中学年の目標は「計画的にお金を使うことの大切さを理解し、実践する態度を身につける」、「銀行にお金を預けると利息が付くことを理解する」といったごく初歩的なことですが、高学年では「将来何に使うかを考え、計画的に貯蓄する態度を身につける」「預金、貸出等の銀行の基本的機能について理解する」といった具合です。

学校での金融教育も進んでいるため、親子で一緒に学ぶ手も

これらは教科書や副読本などの教材にも組み込まれていると思うので、新しい学年で教科書などをもらったら、親もぜひ目を通してみるといいですね。

中学・高校生になったら、金融商品のリスクとリターンの話など、親も改めて勉強になることがたくさん出てきます。そうした教材を活用して、わが家のケースに置き換えて子どもと話し合えば、子どもにとっても生きるために必要なマネー知識が、自然に身に付くのではないでしょうか。

文:マネージャーナリスト 光田洋子

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