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2016年5月20日(2018年7月6日更新)
30代共働き夫婦のための、簡単・しっかり貯まる家計管理術
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    共働きで夫婦それぞれに収入があり、きちんと貯めているつもりが、実はあまり貯められていない。そんな30代の共働き夫婦が増えていると指摘するのは、ファイナンシャルプランナー(FP)の深田晶恵さんです。FPとして20年以上も個人相談を受けてきた深田さんは、10年前の片働き夫婦より、今の30代、40代の共働き夫婦の方が貯められていないケースが多いと実感しているそう。

    そこで今回は、深田さんに「貯められる30代、40代の共働き夫婦」になれる家計管理のポイント3つを教えていただきます。

    プロフィール

    深田晶恵さん
    ファイナンシャルプランナー(CFP・1級FP技能士)、生活設計塾クルー取締役
    マイホームの資金計画や資産運用の考え方、家計運営のアドバイスなど、生活に密着したライフプランのアドバイスに定評がある。新聞や雑誌、WEBで執筆するマネーコラムやセミナーなど、わかりやすいお金の話が人気。著書に『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65――給料、年金、退職金、副業、パート収入、病気、出産で使える!』(ダイヤモンド社)、『共働き夫婦のための「お金の教科書」〜やらないと絶対にソンをする「貯め方」「使い方」のルール』(講談社)など

    共働き夫婦が考えを改めたら、すぐ貯められるようになる?

    一般的に結婚後も共働きを続ける夫婦は、結婚したからといってすぐに節約モードに入ることもなく、独身時代と同じ感覚でお金を使い続けることがほとんど。加えて「共働きなら節約せずにお金を使ってもいいはず」など家計に対する認識が甘く、どうしても高コストな家計になってしまう。深田さんは共働き夫婦の現状をそう分析します。

    ではこうした考えを改めれば、どんどん貯められるようになりますか?

    「そうとも限りません。貯められない最大の原因は『貯まる仕組み』がないことと、お金の情報共有ができていない2人の意識に問題があるからです」

    深田さんはそういい、共働き夫婦にありがちな家計の例を示してくれました(図1)。

    夫婦それぞれで自分の口座を管理する一方、毎月一定額を2人共通の口座に入れ、食費や水道光熱費といった生活費のほか、2人で使うお金をそこから支出。余ったお金は貯蓄扱いにして口座に残しておくなど、共働き夫婦の家計によく見られるパターンに見えますが、これのどこが問題なのでしょうか?

    「まず夫婦それぞれが口座を管理していて、相手の収入や支出、独自に貯めている貯蓄額などはブラックボックスになっている点です(図中1)。この仕組みを選ぶ理由は、自分のお金の使い方にあれこれ言われたくない=『内緒にしたい』、だから自分も相手のお金の使い方について聞かない=『不干渉』という夫婦の意識にあります」

    しかし、いずれはお互いの収入や支出、貯蓄額などを教え合うときがきて、大いにショックを受けるはずと深田さんはいいます。

    「マイホーム購入を検討したり、妊娠・出産を機に子どもの教育費に不安を感じたりして、初めてお互いの貯蓄額をオープンにし、がく然としたという夫婦の相談をよく受けます。お互いに何の根拠もなく、『自分は貯めていないけど、きっと相手は貯めている』と思い込んでいるのですね」

    支出や貯蓄の主体となる「2人の口座」が貯まらない原因

    さらに深田さんは「2人で使うお金の口座」(図中2)が貯まらない原因と続けます。

    「よく『これは2人で貯めたから2人のお金』と考える人がいますが、それが間違いのもと。2人のお金だからと責任の所在が曖昧になり、節約意識がうまく働かないのです。さらに毎月余ったお金は貯蓄する(図中3)といっても、さほど残らないことがほとんどで、うまく貯蓄できても『お金もあるし、たまには2人でリッチな夕食でも』などと散財しては意味がありません。2人のお金を家計の支出と貯蓄の中心に据える家計管理法では、着実に貯蓄額を増やしていくのが難しいといえます」

    「2人のお金」「2人のお金の口座」といった言葉は日常でもよく使われると思いますが、実際には銀行口座の名義も夫婦連名では作れませんし、税務上も口座名義人のお金として扱われます。このためマイホーム購入の頭金として使うときなど、2人のお金と考えていると非常に面倒なことになります。

    「こうした点からも、将来のための貯蓄は夫婦それぞれで貯めるのが原則です」

    3つのポイントを改善すれば、「自然に貯まる」家計になる

    ではどうすれば貯まる家計になるのか、深田さんにその例を見せてもらいました(図2)。

    「基本はお互いのブラックボックスをなくし、どれくらい貯められるのか、貯めなくてはいけないのかを2人の共通認識にすることです(図中1)。ただ、いきなり全部知らせるのはちょっと……という人、あるいは仕事や子育てで忙しいという人は、まず『目標貯蓄額』だけを決めて共有する方法をお勧めしています」

    これは夫婦それぞれが毎月の給料からの貯蓄額とボーナス時の貯蓄額をもとに、年間の目標貯蓄額を決めて情報を共有。それからは1年ごとに状況や結果を報告し合うやり方だそう。確かにこれなら無理なく始められそうです。

    「大事なのは『残ったら貯蓄』ではなく、給料をもらうと同時にまず貯蓄する『先取り貯蓄』を実践すること(図中2)。こうすれば毎月一定額が確実に貯められるので、目標額達成までの見通しも立てやすくなります」

    また2人のお金の口座も、1カ月で使い切る生活費の支出に利用するなら問題ないそう。

    「このように先取り貯蓄を行なっていれば、2人で使う口座があっても何となく支出が増えたり、貯蓄ができなかったりすることはありません。逆にこの項目とこの項目は2人で使う口座から支出すると決めておけば手間も省けますし、便利に使えると思います」

    3つのSTEPで「貯まる家計管理法」を始めましょう

    最後に図2で紹介した家計管理法をスムーズに始めるコツを深田さんに聞き、それを3つのSTEPにまとめました。以下を参考に「自然に貯まる」家計を目指しましょう。

    STEP1「夫婦でボーナスの使いみち会議を開く」

    ・目的:夫婦でお金について話し合う土壌をつくる。

    ・進め方:ボーナスの使いみちを2人で相談するなどの機会を作り、お金についてじっくり話し合ってみる。

    深田さんからのアドバイス「夫婦といえども、お金の話は何かきっかけがないとしづらいものです。まずは『今度のボーナスはどう使う?』と話し合うボーナス会議から始めてみるといいかもしれません。それをきっかけにSTEP2、STEP3と進んで、貯める仕組みや積立額のルールを作ってしまえば、あとは1年に1回程度お互いに貯まっているかをチェックするだけでいいのです」

    STEP2「年間決算シートを作成」

    ・目的:それぞれの現状を把握して、各自の支出の分担を決める。

    ・進め方:通帳やクレジットカードの控えなどを参考に、毎月かかっている基本生活費、ボーナスで支払っている税金や保険料、帰省費用などをすべて書き出して「年間決算シート」を作成。これをもとに各自の収入に応じて分担する支出を話し合って決めます。なお深田さんが所属する「生活設計塾クルー」が作成した『お金が貯まる家計になる「年間決算シート」』では、お金の出どころが「お財布」「銀行引き落とし」「クレジットカード払い」の3つであることに着目。口座からの引き落としやクレジットカードはそれぞれの明細をもとに使った額を把握し、お財布からの支出は明細を気にせず「お財布支出」でまとめるなど、記入しやすい工夫がされています。こうしたアイデアも参考に年間決算にトライしてみましょう。

    深田さんからのアドバイス「それぞれの家庭で無理なく続けられる目標貯蓄額を決めるには、支出状況の把握は不可欠。支出は毎月出て行くものと、交際費や旅行費用など年数回の特別支出がありますから、年間で決算が必要になります。また、子育て世代は収支が変わりやすいため(出産、育児によって妻の働き方が変わる、子どもが生まれて生活費が増えるなど)、決算書づくりと一緒に家計の見直しを行ないましょう。」

    STEP3「年間の目標貯蓄額と積立額を設定」

    ・目的:各自の収入に応じた積立額を設定する。

    ・進め方:年間手取り額から支出額を引いた残額をもとに、1年間の目標貯蓄額を検討します。まずは夫婦合わせて100万円〜150万円などの目標を立ててみましょう。それを各自の収入に応じて分担した場合、赤字にならずに実現できそうかを十分に話し合った上で、毎月の積立額とボーナス時の積立額を決めます。積立額が決まったら、すぐ自動積立などの手続きを。ここでは「自分はこれだけ小遣いが必要」と逆算して積立額を決めるのはNG。小遣いをやりくりする工夫などが見込めなくなります。

    深田さんからのアドバイス「夫の年収が550万円で妻の年収が350万円、合計の世帯年収が900万円(手取り額は700万円弱)の家庭だったら、手取り額の約2割を積立額と考えてみてください。ボーナスの半分は貯蓄に回すようにすると、まとまったお金を貯められて目標額の達成がスムーズになります」

    積立例1

    年間100万円を目標にする場合
    毎月5万円×12カ月+ボーナス40万円=100万円

    積立例2

    年間約150万円を目標にする場合
    毎月8万円×12カ月+ボーナス50万円=146万円

    「生活設計塾クルー」のホームページでは、メールアドレスを登録すると『お金が貯まる家計になる「年間決算シート」』をダウンロードできます。

    取材協力:ファイナンシャルプランナー 深田晶恵
    文:鈴木弥生・SODATTE編集部

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