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2016年4月27日
保活の第一歩!去年から始まった「子ども・子育て支援新制度」について理解しよう

2015年は「子ども・子育て支援新制度」元年でした

2015年4月の「子ども・子育て支援新制度」施行から約1年。
保育園や幼稚園、学童保育のシステムが大きく変わるのではないかと案じた制度改革ですが、新制度のもとで1年過ごしてみて子育てはどう変わったのでしょうか。

もともと保育園や幼稚園、学童保育に子どもを通わせていた筆者の周りのママたちに話を聞くと、「新制度になったものの、実際はそれ以前と大きく変わる部分はなかった」という声が多いようです。

とはいえ、細かな違いはもちろんありますし、大切な子どものためにも変更点についてはしっかりと知っておきたいところ。
また、これから保育園に子どもを通わせたいと考えている親御さんはこの制度について理解するところが保活の第一歩になるのも事実です。

「知らなかった」「わからない」ということがないように、制度の理解と活用術を保育・教育に詳しいジャーナリストの猪熊弘子氏にうかがいました。

そもそも、「子ども・子育て支援新制度」とは

制度そのものについては、内閣府のWEBサイトやパンフレットを読んでいたければ概要がわかると思いますので詳しくは省略しますが、ざっくり挙げると下記のようになります。

◎子育て支援の「量」を増やし、「質」を向上させる制度(財源は消費税増税分)。

◎保育の必要性や子どもの年齢に応じて、0〜5歳の子どもを1号、2号、3号の3つの「区分」に認定し、さらに保育が必要な2号、3号の子どもについては親の勤務時間に応じて保育園に通える時間が2段階に分けられる。

つまり、子どもは下記の5段階の「認定」に分けられ、下記のようになります。

◎「保育が必要な子」に当てはまる条件は、保護者の就労など、旧制度の6項目から10項目に増えた。

◎保育園や幼稚園の申し込み先は従来と変更せず。

◎幼稚園と保育園の機能を持ち合わせる「認定子ども園」の普及や、これまで認可外保育施設だったものでも新たに「地域型保育」として市区町村の認可とする。

◎地域の子育て支援の拡充。

◎学童保育の利用が小学6年生まで可能に(従来は3年生まで。ただし施設によっては従来通り3年生までのところも)。

制度の内容は「地域間の格差」が大きいのが実情です

猪熊さんいわく、「新制度は介護保険制度に習って作られた制度。介護保険制度に似ていると考えるとわかりやすいはずです」とのこと。介護保険で、お年寄りの介護の必要度に合わせて「要介護度」が認定され、介護度に応じたサービスが受けられるのと同じように、「子ども・子育て支援新制度」では、子どもの保育の必要度に区分をつけて、1人1人の児童に補助金が使われる制度なのです。

ただし、注意したい点としては「実際は地域間の格差が大きいのが実情」なのだとか。それゆえ、制度をしっかり理解するためにはお住まいの自治体のケースを知ることも重要です。

今後の保活に必要な新制度の知識

これから保活を行う方にとっては、新制度での申し込み法や選考方法が気になるところですね。

新制度によって特に変わったのは、保育が必要で保育園に通いたい2号、3号の子どもたちの申請。まずは「認定」を受けることが必要です。認定を受けたうえで、さらに従来のようなポイント制による入園選考が行われます。幼稚園では、新制度に入っていない園も多く、その場合は従来通り。新制度に入った園の場合にも、従来と同じように園に入園申請を行い、園が認めた子どもに対して、園から自治体に対して入園認定の申請を行います。認定こども園の場合には、2号、3号の子どもは自治体経由、1号の子どもは園経由となります。

認定申請と、入園申請は同時にできるので、申し込み方法は今までと変わりません。

「ただし、申請書の書き方は複雑で、今年度は『不備がある』として受け付けられず、保育園に入れなかった子どももいました。何かわからない場合には、窓口に行きましょう」とのアドバイスも猪熊さんからいただきました。

また、保育園に入園を希望する場合に注意したいのは、「保育を必要とする」と認定されることと、保育園に入園できることは「別」であるということ。保育が必要と認定されても保育園の入園が不承諾になるケースもあります。

「保育」の選択肢は認可保育園以外にも

新制度では「認定子ども園」や「地域型保育」など、認可保育園以外の保育施設の拡充も行われています。新しい施設ではそれぞれの施設の特徴がいまいちわからないという方も多いはず。そこでメリットとデメリットをずばりうかがいました。

認定子ども園

【メリット】
・3歳児以降は両親の働き方に関わらず通うこともできるので、将来的に母親の退職や育児休業などで状況が変わっても退園しなくてもよい可能性がある(1号、2号の変更が必要)。
・専業主婦(主夫)から働く両親まで、いろいろなライフスタイルの親がいるので、親子ともに小学校生活とのギャップを感じにくい。
【デメリット】
・遠足や保育参加など、行事に対する親のかかわり方(親が参加するか、子どもだけ参加か)に温度差が生じやすい。
・遅くまでいる子と早く帰る子がいるため、どちらのパターンでも子どもが寂しがるなど、心理的な負担大きい可能性も。

地域型保育

【メリット】
・子ども数も保育スタッフの数も少ないので、家庭と施設の連携がとりやすく、一緒に子どもを育てていく仲間という意識になりやすい。
・こじんまりとした家庭的な保育が受けられる。
【デメリット】
・3歳児以降は別の施設に入園しなおす必要がある。
・少ない人数なだけに、スタッフと親や子のそりがあわないと問題が生じる可能性がある。
・庭がないなど、設備が良くない場合が多い。

自分が住む地域の情報をキャッチすることが保活のカギ

資料やパンフレットを読むだけではわからなかったのですが、猪熊さんいわく、都内にある幼稚園の9割はこの新制度に加入していないのだとか! また、保育園入園の激戦区である都心部では、2号と3号で「保育の必要がある」と認定されても、「短時間」認定であればおのずとポイントも低くなり保育園に入るのが難しいのも事実です。

新制度が始まってまだ1年。正直なところ、保活に関しては今までより制度が複雑になってしまったのが現実とのことです。正しい情報を得て柔軟に動くことが保活には大切。住んでいる自治体によって、またその年によっても状況は変わりますので、とくに、お住まいの自治体での状況をしっかりとキャッチすることが保活攻略のカギになります。

保活は勝ち負けではない、子どものことを真剣に考えることが大事

猪熊さんからの保活アドバイスを最後にご紹介します。

「保活には自分が住む地域の、最新の情報を知ることがなによりも大切です。役所の窓口に相談に行くことのほかに、地域で活動をしている先輩ママやパパと知り合って話を聞ける関係を築いておくのもおすすめです。

ただ、『保活』という言葉のもと、勝ち負けを競うように躍起になるのも残念なこと。新米パパやママが保育園について考えるのは、子どものことを真剣に考える最初の一歩。子育てはこれからもずっと続いていきます。子どもをとりまく環境に柔軟に対応できる親であるためにも、地域や日本、そして世界の出来事にアンテナを張って大切な情報をキャッチするようにするとよいでしょう。保活をそのきっかけにするくらいの気持ちで、あきらめずに頑張ってください!」

取材協力:育児・保育ジャーナリスト 猪熊弘子
執筆:ライター 小林博子
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