西口晃平の「ファンダメンタルズ分析」講座 みなさん、こんにちは!債券ストラテジストの西口晃平です。情報は世の中に溢れていますが、今のマーケットのテーマを見極め、今後の展開を予想するのが「ファンダメンタルズ分析」です。そのノウハウを分かりやすく解説します! 西口晃平の「ファンダメンタルズ分析」講座 目次

みなさん、こんにちは!債券ストラテジストの西口晃平です。情報は世の中に溢れていますが、今のマーケットのテーマを見極め、今後の展開を予想するのが「ファンダメンタルズ分析」です。そのノウハウを分かりやすく解説します!

【第7回】株式市場と景気循環・金融政策

【第6回】株式市場とGDPギャップでは、ファンダメンタルズ分析を行なううえで最も大切な概念である“株式市場とGDPギャップの関係”についてご紹介しました。

ファンダメンタルズ分析講座 最終回となる【第7回】は、ファンダメンタルズ分析の総まとめです。

これまでの内容を振り返りつつ、株式市場と景気循環・金融政策の関係についてみていきましょう!

最終回 ファンダメンタルズ分析の総まとめ!

「適温相場」の賞味期限

世界経済がリーマンショック後の落ち込みから立ち直りつつあり、米国では金融正常化が進められています。
また、欧州でも2018年内の資産買い入れ停止が決定され、いよいよ正常化プロセスに踏み出しました。欧米の政策にこうした進展が見られる中、金融緩和のサポートが失われていくことでどのような影響があるのかが議論されています。

今のマーケットの最大の関心は、ここ数年続いてきた「適温相場」が終わりを迎えてしまうのか?という点です。
まずは、この「適温相場」について考えてみましょう。

経済には、良い時もあれば悪い時もあり、その波は借り入れを梃子(てこ)にして増幅され、景気サイクルが生み出されます。
金融政策は、この借り入れによる経済の波の振れ幅をできるだけならしていく政策です。
経済が強すぎる場合には、過熱感を冷やすために金融引締めが行なわれます。
経済が弱すぎる場合には、経済を立ち直らせるために金融緩和が行なわれます。

経済成長と金融政策

市場参加者は、この経済と金融政策のバランスをみながら、相場の先行きを予測します。
経済が強い時には、企業業績の改善が株式市場を押し上げる力となりますが、金融引締めはそれを冷やす方向に作用します。
マーケットは経済の強さと金融引締めのパワーバランスを見極める、いわゆる「業績相場」となります。
一方で、経済が弱い時には、企業業績の落ち込みが株式市場を押し下げますが、金融緩和のサポートが株式市場を押し上げる方向に働くので、いわゆる「金融相場」となります。

ここ数年は、そのどちらでもない「適温相場」が続いてきました。
金融危機後の回復局面で経済の明るさが続いている一方、デフレ懸念を払拭するために各国の中央銀行は大規模な金融緩和を行なっています。
経済の明るさと金融緩和のサポートの両者がマーケットを押し上げる、市場参加者にとって心地よい時間が続いています。

株式市場と景気循環・金融政策 株式市場と景気循環・金融政策
出所:大和証券
適温相場」が永遠に続くわけではありません。その賞味期限は、経済が過熱し、金融政策が引締めに転じた時に訪れます。
つまり、米国で金融正常化が進められている今、「適温相場」の終わりは着実に近づいています。
明るい相場はいつまで続くのでしょうか?

今のマーケットが軽視しているもの:世界経済は立ち直りつつある

今のマーケットは、先行き懸念に焦点を置き過ぎている印象を受けます。
弱気な見方の市場参加者の声として最近よく耳にするのが、

2018年5月に米国で長期金利が約7年ぶりの水準に上昇したのは金融緩和のサポートが失われていることを示すものだ、米国経済はそれに耐えられずに今後1〜2年で景気後退へと向かうのだ…

というものです。
果たして本当にそうなのでしょうか?

IMFは2018年4月の世界経済見通しにおいて、2018年に先進国のGDPギャップはマイナスを解消すると予想しています。
つまり、先進国の経済は、世界金融危機のダメージがようやく癒え、約10年前の姿へと立ち直りつつあるのです。
一方で、米長期金利は約7年ぶりの水準に留まっています。
これは、経済とのバランスを踏まえると、本来10年ぶりの水準まで上昇してもおかしくないはずの長期金利が、各国で続けられている金融緩和によって低めに押さえ込まれているということです。
そのため、ここもとの金利上昇を悲観する必要はありません。

米長期金利と先進国のGDPギャップ 米長期金利と先進国のGDPギャップ
出所:FRB、IMF

また、【第6回】今の経済の明るさは、長続きする?で確認したように、今の経済にはまだ過剰な借り入れで無理をしている様子もないため、今の経済の明るさは今後も持続可能なものだといえます。
金融政策の能力を過信するわけにはいきませんが、今後も彼らの上手い政策調整によって明るい経済、明るい相場は続くとみています。

マーケットで聞かれる悲観論の多くは、金融危機後に経済が停滞していた頃のイメージを引きずったままです。
ですが、世界経済は既に金融危機の後遺症から立ち直り、企業は今後のビジネスチャンスに向けて前向きに取り組もうとしています。マーケットの大きな流れは、経済・企業の明るい展開に寄り添います。

「ファンダメンタルズ分析」の一番のコツ

コツ!「基本に忠実に」

これまで「ファンダメンタルズ分析」講座では、全7回にわたって、「ファンダメンタルズ分析」を投資につなげるコツについてご紹介してまいりました。
この講座を締めくくるにあたって、最後にみなさまにお伝えしたいことがあります。

それは、「ファンダメンタルズ分析」の一番のコツは、「基本に忠実に」ということです。これまでのイメージに囚われず、目の前で起きている現実を素直に受け入れる。そして見通しの変化に応じて今後の投資戦略も調整する。
それが「ファンダメンタルズ分析」に基づいた投資です。

マーケットでは日々、悲観・楽観、各種各様の見方がぶつかり合い、その力比べの結果が市場での値動きとなります。
それぞれの見方には、その考えにいたった裏付けが必要となるはずですが、意外と市場は思い込みや印象・勢いで動くことも多いのです。
特に、AIやシステムトレードが発達した影響なのか、情報の分析がきちんとされずに相場が大きく動くことが増えているな、と感じます。金融緩和によって過剰流動性がマーケットに溢れていることの弊害と言えるのかもしれません。

ただ、マーケットは最終的には、経済の大きな流れに寄り添います。
足元の経済が明るければ、マーケットも最終的には明るい展開になります。
適温相場」の賞味期限がテーマとなっている今こそ、「ファンダメンタルズ分析」が重要視されています。
情報が瞬時に駆け巡るようになった今こそ、世の中で起きている経済・政治の動きを落ち着いて分析していきましょう!

「ファンダメンタルズ分析」を丁寧に行なう習慣を身につければ、それは安定的な投資リターンにつながる強力な武器となります。「ファンダメンタルズ分析」の一番のコツは、「基本に忠実に」です!

まとめ

  • 景気サイクルに応じて相場の性質が決まる

    株式市場と景気循環・金融政策の関係は、「業績相場」・「金融相場」・「適温相場」と表現できる。今の経済に過熱感はなく、当面明るさが続く見込みなので、「適温相場」はまだまだ続きそう。

  • 「ファンダメンタルズ分析」の一番のコツは、「基本に忠実に」!

    マーケットは最終的には、経済の大きな流れに寄り添う。
    大事なお金をせっかく運用するのだから、きちんと自分で分析を行ない、今後のストーリーに納得した上で投資を!

Thank you!

ファンダメンタルズ分析講座をお読みくださり、ありがとうございました!
The Dealer’s Viewで、またお会いしましょう!

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