西口晃平の「ファンダメンタルズ分析」講座 みなさん、こんにちは!債券ストラテジストの西口晃平です。情報は世の中に溢れていますが、今のマーケットのテーマを見極め、今後の展開を予想するのが「ファンダメンタルズ分析」です。そのノウハウを分かりやすく解説します! 西口晃平の「ファンダメンタルズ分析」講座 目次

みなさん、こんにちは!債券ストラテジストの西口晃平です。情報は世の中に溢れていますが、今のマーケットのテーマを見極め、今後の展開を予想するのが「ファンダメンタルズ分析」です。そのノウハウを分かりやすく解説します!

【第5回】身近な景気を分析する方法

【第4回】市場心理との上手い付き合い方では、投資のチャンスを捉える方法自分の心理と市場心理を検証する方法についてご紹介しました。

マーケットは悲観・楽観に振れながらも、いずれは「現実」、つまり企業業績・経済のファンダメンタルズを正しく反映します。
投資で成果を得るためには、「現実」を正しく認識する必要があります。

ファンダメンタルズ分析講座【第5回】では、企業業績・経済が今どのように変化しているのかを捉える方法についてご紹介します。

市場心理を捉えることが投資成果につなげるカギ!

景気が良いと皆ハッピー。景気が悪いと皆苦しい。

まずは、「現実」を正しく認識することが投資成果につながることを確認するため、このグラフをみてみましょう。

出所:Bloomberg、カンファレンス・ボード

米国株(S&P500)の PERは、マーケットの「期待」を表し、米消費者信頼感指数は米国経済の「現実」を表すものの一つですが、これらは連動します。

景気が良いと皆ハッピーなので、投資家も楽観的になり、高めのPERでも株に投資しようと思います。
一方、景気が悪いと皆苦しいので、投資家は悲観的になり、PERが下がっても株への投資を躊躇します。

足元の「現実」が明るければ、市場の「期待」も明るくなる、逆もまた然り。
今後のマーケットの方向性を考えるうえでは、足元の「現実」を分析する「ファンダメンタルズ分析」が最も大事です。

足元の「現実」を分析する方法

  • ファンダメンタルズ分析で分析するもの
  • 個別株の場合:
    その企業の今後の業績について
  • インデックス投資(日経平均株価など)の場合:
    日本企業全体の業績と、それを取り巻く環境(国内経済・海外経済・為替・金融政策…)について

今回は、インデックス投資の場合の国内経済の分析方法についてみてみましょう。

日本経済を分析するうえで基本となるのは、経済指標の分析です。ただ、普段から統計データを自分で確認する余裕なんて無い!という投資家の方も多いと思います。

そこで、ここでは手軽に経済の足元の状況を把握できるものをご紹介します。

更新頻度 統計データ名 内容
年1回 内閣府『経済財政白書』 日本経済の状況について、年1回公表される報告書。内容は非常に充実しており、注目テーマへの解説も豊富。 情報が集約されていて、経済の流れが把握しやすい!
四半期に
1回
IMF『世界経済見通し』 日本企業が活躍する世界経済の状況について、IMFが年2回公表。(3カ月後に一度アップデート)
要旨などは、IMF日本語サイトで和訳が入手可能。
日本銀行『展望レポート』 日銀が経済・物価の現状や見通し、金融政策運営の考え方を整理したもの。年4回公表。
月1回 内閣府『月例経済報告』 日本経済の状況について取りまとめた報告書。政府の景気判断が示されており、先月からの主要変更点も確認できる。 政府・民間エコノミストの考え方を定点観測できる!
日本経済研究センター『ESPフォーキャスト調査』 民間エコノミストの経済予想のコンセンサスや注目のテーマに対する考え方を把握できる。
随時
  • 各種経済指標
  • 各企業ニュースリリース
  • 新聞報道 など
 

マーケットが最も注目するのはココ!

更新頻度の多さ・少なさは、情報の集約度合いも表しています。
最も情報が集約され、経済の流れが把握しやすいのは、『経済財政白書』『展望レポート』など、更新頻度の少ない資料です。

これらは、各種の経済指標やマーケット動向などを、経済分析のプロフェッショナルであるエコノミストが取りまとめているので、今の景気の状況を確認するのに便利です。

ただ、こうした資料は、基本的には既に公表されたデータを整理したものであり、マーケットでは「織り込み済み」として、相場の大きな流れを変える材料になることは多くありません。

マーケットが最も注目するのは、常に状況の変化に敏感でありたいという思いから、各種経済指標企業のニュースリリース新聞報道など、随時流れてくる情報です。

ここで、わたしたちが投資をする上で困るのが、この情報にどれほどの重要性があるのだろう?という判断に悩むことです。
新しく手に入れた材料は、大きな流れの変化の始まりを示すものなのか?それとも投資判断を変更する必要はないのか…?

新たな材料を吟味する2つの方法

こうした判断を下すとき、参考になるものが2つあります。

■プロの分析を活用

1つは、先ほどご紹介した更新頻度が月1回『月例経済報告』や『ESPフォーキャスト調査』です。

政府や民間エコノミストが、新しく出てきた材料に対して、どれだけ関心があるのかを把握することができます。
そこで、彼らの判断が変化していく過程を定点観測することで、新たな材料がマーケットへ与える影響は大きいのか、小さいのか、を自分で判断する力を鍛えることができます。

■身の回りの変化に敏感に!

もう1つは、身の回りの生活にあてはめて考えてみる、ということです。
経済指標は、あくまでわたしたちの日常生活を統計として取りまとめたものです。

身の回りでも似たような変化が起きていて、この流れが続けば自分の生活もこれまでとはちょっと違うものになりそうだな、と思えば、それは重要視すべき大きな流れの変化である、と判断できます。
私の出身は大阪ですが、「儲かりまっか?」「ぼちぼちでんなあ」という掛け合いは有名ですよね(実際に耳にしたことはありませんが…)。これを、身の回りで試してみるということです。

例えば、足元の日本経済では雇用市場が堅調です。2018年1月の失業率は2.4%となり、1993年4月以来の低い水準になりました。
エコノミストの発想では、雇用が逼迫すれば、働き手を確保するために企業は賃上げをする、ということになるのですが、これは本当なのでしょうか。

この時、たとえば身近に就職活動中の学生がいらっしゃる方であれば、就職活動の状況を聞くことが貴重な情報になります。
また、会社勤めの方であれば、自分の会社や同業他社は賃上げに前向きか、慎重か?という雰囲気もご存知のことでしょう。

この方法は身の回りに関連することの分析にしか使えませんが、意外と色々なところに手がかりはあります。

今月は暑いからスーパー・コンビニの売れ筋商品が変わりそうだな、飲み屋のメニューが値上がりしているので客足は減りそうだな、など…。普段の生活を通じて、日本経済の変化を敏感に捉えていきましょう!

ファンダメンタルズ分析では、偏りの無い見方をすることが大切です。
ここで紹介した、政府・民間エコノミストの判断の変化を把握していく方法自分の身の回りの生活にあてはめてみる方法、どちらも大切です。

「人は自分の見たいものしか見ない」という傾向があるので、他人の判断を常に把握しておく必要があります。
ただ、世の中の判断が分かれていて、自分の感覚に自信がある場合は、自分の判断を積極的に投資に活かしていきましょう!

まとめ

  • プロの分析を上手く活用しよう

    経済指標をエコノミストがまとめてくれた資料は非常に便利。政府・民間エコノミストの判断の変化を把握していくことで、新しく手に入れた情報を自分で判断する力を鍛えることもできる。

  • 身の回りの生活の変化を捉えよう

    普段の生活を通じて、日本経済の変化を敏感に捉えていこう。意外と色々なところに手がかりがある。わたしたちの生活が、日本経済そのもの。

次回もお楽しみに!

今回の講座では「現実」の変化を捉える方法についてご紹介しました。
次回以降では、一歩踏み込んで、「ファンダメンタルズ分析」に基づいて投資する上で私が重要視している考え方、景気と信用創造のサイクルについてご紹介していきます。

私がお届けするこちらの動画もご活用ください!

The Dealer’s Viewでは、みなさんが「ファンダメンタルズ分析」をする上での案内図として、今のグローバル経済・マーケットがどういったことを考えているのか、これからどこへ向かおうとしているのか、(原則)毎月動画でお届けしています。ぜひ、より納得して投資する上でのサポートとして、ご視聴ください。

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