西口晃平の「ファンダメンタルズ分析」講座 みなさん、こんにちは!債券ストラテジストの西口晃平です。情報は世の中に溢れていますが、今のマーケットのテーマを見極め、今後の展開を予想するのが「ファンダメンタルズ分析」です。そのノウハウを分かりやすく解説します! 西口晃平の「ファンダメンタルズ分析」講座 目次

みなさん、こんにちは!債券ストラテジストの西口晃平です。情報は世の中に溢れていますが、今のマーケットのテーマを見極め、今後の展開を予想するのが「ファンダメンタルズ分析」です。そのノウハウを分かりやすく解説します!

【第2回】投資の基本:Time is Money

今後のライフプランを考える時、「自分の稼ぎだけでは、将来が不安...」と思われる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?

解決策として挙げられる物の中に「投資」があります。
「貯蓄から証券投資へ!」を合言葉に、私たちそれぞれが金融への理解を深め、投資に取り組むことが大切だと言われる昨今ですが、どうして「投資」が必要なのでしょうか?

ファンダメンタルズ分析講座<第2回>では、なぜ「投資」に取り組むことが必要なのか?について見ていきたいと思います。

投資の必要性を解説します!
今回のキーワードは、
「Time is Money(時は金なり)」です!

Time is Money(時は金なり)

先日、久しぶりに学生時代の同級生で集まる機会がありました。お互いの近況報告をしている中で、私が証券会社に勤めているというと、まだ投資をしたことがないという同級生から、「投資って儲かるの?」と聞かれました。
その時に答えたのが、「Time is Money(時は金なり)」の考え方です。

お金は天下の回り物といいます。皆さんの周りで、どのようなお金の流れができているかを例に、考えてみましょう。
会社にお勤めの方であれば、給料が銀行口座に振り込まれます。
そして、食費やガス代・電気代、家賃や住宅ローンなどの支払を終えた後、手元に残ったお金は銀行預金として皆さんの資産になります。

この皆さんの預金を、銀行はそのまま置いておくわけではありません。
銀行は預金を集めた上で、「今はお金が足りずに困っている人たち」に貸し出すことをビジネスモデルとしています。
銀行からお金を借りるのは、たとえば、新製品の売上が好調で生産設備を拡大したいものの、手元の資金だけでは足りないので困っているような企業です。
こうした企業に対して、「今はお金が余っている人」の預金を貸し出すことで、銀行は経済を活性化します。

昔の近江商人の言葉に、「三方良し」という言葉があります。
これに沿って今回のケースを見てみると、

銀行からお金を借りた企業は、それを元に設備投資をすることで、これまでよりも多くのお客さまに商品・サービスを提供することができるようになり、売上や利益の増加が期待できます。

銀行に預金を預けた皆さんにとっては、お金を預けておいた分だけ預金利息が増えていきます。

お金を「余っている人」から「不足している人」へと流れをつないだ銀行にとっては、貸出の利息が得られた分から、預金利息を支払った上で、差分が儲けとなります。

三方良し

「Time is Money(時は金なり)」の考え方は、この三方良しのそれぞれの利益のことを指しています。
お金を借りた企業は、ビジネスを今まで以上に頑張ることで、今の経済よりも未来の経済をより良いものへと変えていきます。
時間が経過して、企業が頑張って経済がより良いものへと変わった分、それに見合ったお金の量も増えていきます。
その一部を、私たちや銀行は、一定期間お金を貸した分け前として利息を受け取ります。

今は余っているお金に、自分で必要となる時までよそで頑張ってもらう。まさに、「Time is Money(時は金なり)」なのです。
時間経過と共に利息分のお金が増える

銀行にまかせる? 自分でお金の流れを決める?

「Time is Money(時は金なり)」は言い換えると、ぐずぐずしている暇がもったいない!ということです。
これは皆さんのお金についても当てはまります。

銀行預金は、生活資金など、減っては困るお金を安心して置いておくことができ、「守り」に最も適した金融商品だといえます。
安心が得られる一方で、低金利時代の今、得られる預金利息は微々たるものです。
ある程度自由に動かせるお金がある場合は、株や債券などへの投資へぜひ振り向けていきましょう。

お金の中で役割分担を決め、
それぞれの役割に見合った金融商品を保有するのが、
ポートフォリオの考え方です。

投資によって損をするリスクは、投資家となる皆さんが負うことになります。ただ、お金の振り向け先は自分で決めることができ、それに見合ったリターン(株主配当や債券利息など)を享受することができます。
投資の自由度を高めることで、皆さんのライフプランに応じた資産形成にも選択肢が広がっていくことになります。

直接金融と間接金融

結局、投資って儲かるの?

それでは、冒頭の私の同級生の質問に戻りましょう。

「結局、投資って儲かるの?」

投資をして一旦企業に資産を託すときに、期待されるリターンはプラスなのか、マイナスなのか。
その時に、平均すればプラスになるはず(なってほしい)というのも、「Time is Money(時は金なり)」の考え方です。

人の時間は有限です。
その大切な時間を使って、企業は今の世界よりも、未来の世界をより良いものへとするため、ビジネスを頑張っています。
これまで世界経済は、良い時もあれば悪い時もありましたが、均してみれば高い成長を遂げてきました。
戦後を懐かしがり、当時と今の生活を比較するテレビ番組などもありますが、当時と比べて、今の生活は格段に快適になっています。

世界の一人当たりGDP 世界の一人当たりGDP
出所:マディソン「世界経済の歴史統計」
世界の一人当たりGDPの伸びは、これまで世界経済・日本経済を回してきた人たちの費やしてきた時間、そして努力が築き上げたものといえます。

今後も、企業は今の世界をより良い世界へと変えていくため、ビジネスチャンスを探し求めます。
我々は投資をすることで、その企業の前向きな行動に参加することができます。
投資先をきちんと選別することは、投資家が理想とする世界へと近づくような企業を応援するという、金融面からの「清き一票」となっているともいえます。そうした期待に企業が応え、利益が無事生み出されたときには、その一部が配当金・利息金として、投資のリターンとして戻ってくることになります。

そうした明るい期待のサイクルが現実の結果として実るのを、
時間をかけて待つ、というのが
「Time is Money(時は金なり)」の考え方です。
ですので、「結局、投資って儲かるの?」という質問に対しては、私は「リスクが伴うが、YES」と答えています。

これが、【第1回】において、The Dealer’s Viewでは「ファンダメンタルズ分析」を最も重要視しているとした理由になります。投資をするからには、みすみす損はしたくない。そのため、投資先はきちんと選別する必要があります。

  • 経済・企業業績を分析
  • 今の世界よりも未来の世界が良くなっている可能性はどの程度なのかを探る
  • それを元に投資戦略を考え、ポートフォリオを最適化

それが経済・企業にとっても金融面からのサポートとなる。投資家・投資先それぞれでWin-Winの関係となることが、理想の姿です。

投資と経済成長は表裏一体

こうした理想論は、はたして上手く投資リターンに結びついているのでしょうか。
過去の現実のマーケットと経済の動きからは、それぞれがきちんと連動している様子がうかがえます。

日経平均株価と名目GDP 日経平均株価と名目GDP
出所:内閣府、Haver Analytics

日本は戦後、復興期や高度成長期などを含め、高い経済成長を遂げてきました。経済の規模は、GDP(国内総生産)という経済指標で測ることが多いです。日経平均株価の推移を見ると、GDPが増えるのにつれて、株価も上昇してきたことがわかります。ただ、その関係が崩れ、株価が大きく上昇したのが1980年代後半のバブル期です。
株価は大きく上昇しましたが、実体経済の裏づけ以上に吹き上がってしまったため、その後バブルが弾けると共に、株価は実体経済に沿った実力レベルまで急落していったといえます。

バブル崩壊によって金融危機などを経験し、企業や家計は一斉に「守り」の姿勢をとりました。
企業は増やしすぎた採用や、設備投資、借金を減らすように努め、家計は手取りが減っていく中で、倹約のために少しでも安いものを買い求めるようになりました。
こうした企業や家計の「守り」の姿勢は、日本経済全体で見たときに成長が停滞するという結果につながり、それが一段と企業や家計の「守り」の姿勢を強めてしまうという悪循環に陥りました。経済が「守り」の姿勢を見せている中では、投資も「守り」を優先することが理にかなっていますので、今でも日本の家計金融資産は他国よりも銀行預金が多くなっています。

日米欧の家計金融資産 日米欧の家計金融資産
2017年3月末現在
出所:日本銀行

「守り」の局面から「攻め」の局面へ!

では今後も、「守り」の姿勢をとり続けたほうがいいのでしょうか?
これは、今の安倍政権が目指すデフレ脱却の方針と、日本経済に現れつつある明るい兆しをふまえると、NOだと言えるでしょう(2017年11月時点)。

安倍政権は2012年の衆院選で与党へ復帰し、アベノミクスという経済政策パッケージを打ち出しました。そこで目標とされているのが、「デフレからの脱却」です。
2014年の成長戦略を解説した首相官邸ホームページでは、

『どれだけ真面目に働いても暮らしがよくならない』という日本経済の課題を克服するため、安倍政権は、『デフレからの脱却』と『富の拡大』を目指しています。
これらを実現する経済政策が、アベノミクス『3本の矢』です。

とされています。

アベノミクス『3本の矢』

こうした政策による支援の成果もあり、日本経済には明るい兆しが見られ始めています。
日本企業は長い間経営改善に取り組んだ結果、史上最高益を稼ぐようになり、売上高経常利益率も高まっています。企業がいわゆる「リストラ」に励んでいた頃よりも、基礎体力が大きく改善しているのです。そうした中で雇用市場では人手不足が合言葉となり、限られた人員で売上増加に対応するために企業は設備投資を活発化させています。
こうした明るい流れが、私たちの生活実感まで本格的に波及するには、賃上げやボーナス引き上げなどが加速するまで、もうしばらく時間がかかりそうです。
ただ、テーマパークの入場者数の増加からは、「コト消費」には財布の紐が緩んでいる様子がうかがえるなど、明るい兆しも見られます。

日本企業の経常利益 日本企業の経常利益
出所:財務省
既に日本経済は、「守り」の局面から「攻め」の局面へと転換しつつあるといえるでしょう。

まとめ

  • 投資の基本は、「Time is Money(時は金なり)」

    投資とは、企業が今の経済よりも未来の経済をより良いものへと変える動きに参加するということ。企業の努力が報われ、利益が生み出されたとき、その一部が投資のリターンとして配分される。投資家としては、そうした明るい期待のサイクルが現実の結果として実るのを、時間をかけて待つ。

  • 「守り」の局面から「攻め」の局面へ!

    投資と経済成長は表裏一体。日本はバブル崩壊後、企業・家計の「守り」の姿勢が経済の停滞につながり、投資も「守り」を固めるのが理にかなっていた。足許の日本経済に現れつつある明るい兆しをふまえると、投資も「攻め」に転じたほうがよい局面。

次回もお楽しみに!

「Time is Money(時は金なり)」の考え方は、私たちの普段の生活にもあてはまりますが、私たちのお金にとってもあてはまります。

今は「守り」に徹したほうがよい局面なのか、それとも「攻め」に転じたほうがよい局面なのか。
その見極めは、「ファンダメンタルズ分析」をしっかりとすることで、手がかりが得られます。

私がお届けするこちらの動画もご活用ください!

The Dealer’s Viewでは、みなさんが「ファンダメンタルズ分析」をする上での案内図として、今のグローバル経済・マーケットがどういったことを考えているのか、これからどこへ向かおうとしているのか、(原則)毎月動画でお届けしています。ぜひ、より納得して投資する上でのサポートとして、ご視聴ください。

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