西口晃平の「ファンダメンタルズ分析」講座 みなさん、こんにちは!債券ストラテジストの西口晃平です。情報は世の中に溢れていますが、今のマーケットのテーマを見極め、今後の展開を予想するのが「ファンダメンタルズ分析」です。そのノウハウを分かりやすく解説します! 西口晃平の「ファンダメンタルズ分析」講座

みなさん、こんにちは!債券ストラテジストの西口晃平です。情報は世の中に溢れていますが、今のマーケットのテーマを見極め、今後の展開を予想するのが「ファンダメンタルズ分析」です。そのノウハウを分かりやすく解説します!

【第1回】この壷、いくらで落札される?

投資をするための基本動作

今後のライフプランを考えたときに、「自分の稼ぎだけでは将来が不安...」と、投資の必要性を感じられる方も多いのではないでしょうか?
一方で、テレビや雑誌でよく耳や目にする、政治や経済の話はなんとなく「ふ〜ん」と理解できても、それを投資につなげる方法を知っている方は少ないのではないでしょうか?

ログイン限定動画として毎月配信している「The Dealer's View」では、この世の中に溢れる情報を、ぎゅっと集約して整理します。

大事なことをふるいわけ、今のマーケットのテーマはこれだ!
と見極めて、これからの展開を予想する。

そういった方法で今後の投資戦略を考えています。
その上で最も重要視しているのが、「ファンダメンタルズ分析」です。

投資をするからには、上手く運用して資産を増やしたいものですよね。
でも、楽して儲かるなんて美味しい話があるわけもなく、ある程度汗をかくことも必要です。

投資をする上での必勝法はありません。
それでも、勝率を高めるために、出来ることがあります。

野球でたとえると、普段練習していない人がいきなりホームランを打つことなんて出来ませんが、素振りなど普段からの地道な練習をコツコツと積み重ねることで、試合本番での活躍が見えてきます。
投資をする上での地道な練習に相当するのは、経済・企業業績を分析すること。
これを「ファンダメンタルズ分析」と呼びます。

地道な練習をコツコツと!投資をする上での地道な練習が「ファンダメンタルズ分析」です!
ファンダメンタルズ分析とは
●経済・企業業績を分析すること
●今後の投資戦略を考える上で、最も重要!

美術品オークションを例に考えてみよう!

投資をする上で大切なこと。そのヒントは色々なところに転がっています。

さて、突然ですが、みなさんが美術品のオークションに参加することになったとしましょう。

中国製の陶器の壷

オークションのカタログを見ると、今回の目玉商品は中国製の陶器の壷です。

あなたはこの壷が非常に気に入りました。
ぜひともこの壷を落札したい。
ただ、オークション会場で使える予算にも限りがあるので、ギリギリの値段で落札したい。

そうしたときに、どういったことを考えて、この壷の落札価格を予想するでしょうか?

この壷にはどんな魅力があるんだろう?

まず、真っ先に考えることは、この中国製の壷はどういった商品なんだろう?ということですね。

この壷は美術品の世界ではどういった位置づけにあるんだろう?
誰が、いつ頃作ったものなのかな?
作者は、どういった思いをこめてこの壷を作ったのだろう?
といったことです。

これらを色々下調べした上で、
この壷を落札した後、帰ってから家族にお披露目するときに、
「どういったストーリー」を語ることができるのだろう?
そのストーリーは皆にとって魅力的なものなんだろうか?

作者は?いつ頃の作品?

これが落札するかどうかの動機につながっていきます。

この商品についてのストーリーを考えるということが、投資をする上での「ファンダメンタルズ分析」となります。

例えば、今米国自動車セクターで破竹の勢いを続けているテスラモーターズ(TSLA)

ここは(2017年8月現在)、赤字決算が続いていますが、株価は高値圏で推移しています。
なぜなら、電気自動車の秘める可能性や、イーロン・マスクCEOの哲学など、投資家を魅了するストーリー性は十分だからです。総合的な評価の上で、投資家の注目を集めているといえます。

テスラモーターズ(TSLA)の株価推移 テスラモーターズ(TSLA)の株価推移
出所:Bloombergより大和証券作成
赤字が続く企業でも、株価が上がることも!
それは、その企業の総合的な「ファンダメンタルズ」が魅力的だからです。

投資家を惹きつけるストーリーがあるかどうかを考えるということは、日経平均株価に連動する投資信託のような商品へ投資する上でも同様です。

  • そもそも今の日本企業の業績は良いのか?
  • 今後の日本経済の展望は明るいのか?
  • 日本の輸出入に影響を与える、グローバル経済の調子はどうだろう?
  • 今後は円安なのか、円高なのか?
  • 今の政権が注力している政策は株価にどのように影響するのだろうか?
  • 今ビジネスが勢いづいている有望なセクターは?

など、日本企業が関連する多くの事柄を整理することが必要になります。
これが、日本株に投資する上でのストーリーを評価する、「ファンダメンタルズ分析」です。

この壷に、みんなはいくらの価格をつけるのだろう?

オークション会場に話を戻します。

競合の提示価格は?どの美術館からの依頼?

さきほどの中国の壷について色々調べてみた結果、あなたはこの壷が大変気に入りました。
なので、実際に落札したいと思っているとします。

そうしたときに、次に考えることは何でしょうか?
それは、実際にオークション当日、いくらを提示するべきか?
ということです。

オークション会場を見渡すと、様々な背景を持った人たちが、あなたと同じように壷の落札を狙っています。

この競合相手は、どれくらいの価格を提示してくるのか。
彼らは、どこの美術館の依頼を受けているのか、もしくは大富豪本人なのか。
過去に似たような商品がオークションにかけられた際には、誰がいくらで落札したのか。

これが、投資をする上での「需給分析」に相当します。

今、日本株の需給バランスは買い越し・売り越し、いずれに傾いているのか。
その主体は海外投資家なのか、日本の機関投資家なのか、年金なのか、個人投資家なのか。

特に、日本の場合は海外投資家の動向が株式市場へ与える影響は大きいため、グローバルマーケットの動向を踏まえた上で、今日本株への評価がどうなっているのかを押さえておくことは大切です。
日本株投資家別売買動向 日本株投資家別売買動向
出所:日本取引所グループより大和証券作成
買う人が多ければ株価は上がる、売る人が多ければ株価は下がる。今、マーケットは強気・弱気どちらに傾いていて、これからどちらに振れるのでしょう?
海外投資家フロー(売買高)と日経平均株価 海外投資家フロー(売買高)と日経平均株価
出所:日本取引所グループ、Bloombergより大和証券作成
日本株が勢いよく走り出すには、海外投資家の目が日本に向く必要があります。
彼らが今何を考えているのかを把握して、わたしたちの投資に活かしていきましょう!

そのため、The Dealer's Viewでは、海外マーケットの動向について、まず整理します。

  • 今、グローバルマーケットはどういったストーリーで動いているのか。
  • そうしたストーリーを踏まえて、海外投資家はどのように資産を動かし、ドル円や日本株はどのように反応してきたのか。
  • そして、ここからどのようなストーリーに変化していく可能性が高いのか、その時有効な投資戦略はどういったものなのか。
  • 先回りして日本株に投資しておくべきなのか、それとも今は守備に徹したほうがいいのか。

投資の基本動作は2ステップ

オークション会場での立ち振る舞い方と、投資を考える上での基本動作の共通点。
どちらも2ステップで行なわれています。

  • (1)まず、「ファンダメンタルズ分析」がはじめの一歩。
    その商品のストーリーに共感できるのか。
  • (2)次に、「需給分析」で適切な価格水準を考える。
    今、マーケットはどういったストーリーを描いているのか、自身の考えるストーリーに共感する人が今後増えてくる可能性はどれほどか。

2016年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利し、マーケットのテーマは「トランプ相場」一色となりました。

米政権の積極的な政策によって、米経済が加速・インフレは上昇するというストーリーを元に、マーケットが組み立てられ、株高・金利上昇の組み合わせとなりました。

ところが、その後の米国政治の進展に思ったほどの加速感が無いことがわかると、マーケットは大統領選以前のメインストーリーであった、緩やかな成長・緩やかなインフレの継続、株高・金利低位安定の組み合わせへと戻ってきました。

S&P500と米長期金利 S&P500と米長期金利
出所:Bloombergより大和証券作成
2016年11月の米大統領選直後は「トランプ相場」一色でしたが、今やその言葉を使う人はほぼいません。
市場がすぐに飽きてしまうテーマもあれば、長続きするテーマも。「ファンダメンタルズ分析」をきっちりやって、上手く見極めていきましょう!

そうしたマーケットを動かすストーリーが変化した背景には、グローバル経済やインフレに対する市場参加者の見通しの変化や、原油価格・銅価格などの動向もありました。
「ファンダメンタルズ分析」とは、こうした様々な情報を一つのストーリーに編み上げていく作業、そして「需給分析」とは、今マーケットで旬なストーリーの変遷を捉えていく作業。この2ステップが投資をする上での基本動作です。

「ファンダメンタルズ分析」・「需給分析」、どちらも欠かすことの出来ないものです。
ただ、その順番はまず「ファンダメンタルズ分析」からです。
今、マーケットで株が買われている・売られている、それは既に起きた結果でしかなく、今後どうなるのかを予想する材料にはなりません。
その裏側には必ず、それぞれの投資家が考えているストーリーに変化があります。
彼らが何を考えて資金を動かしているのか、今後どうする可能性が高いのかを理解するには、「ファンダメンタルズ分析」を行なう必要があるのです。

投資をする上での基本動作は2ステップ ※順番が大事!
(1)ファンダメンタルズ分析
  ↓
(2)需給分析

最終的には非常にシンプル。その価格で買う?買わない?

ここまで投資を考える上での基本動作を、美術品のオークション会場で考えることになぞらえて確認してきました。
ただ、ここまでの話は、全て事前準備です。

投資する上でも、オークション会場で壷を落札する上でも、最後の決断が必要になります。
それは、自ら「価格」をマーケットに提示して、その商品を購入・売却することです。

オークション会場では、周りを見渡すと様々な背景・考え方を持った人がおり、それぞれが色々な事前準備をした上で、オークションに望んでいます。

ただ、いざ実際にオークションが始まると、全ての情報が「価格」という一つの情報に集約されます。

最終的には、その「価格」で買う? 買わない?
という判断が試されることになります。

最後の決断は、非常にシンプルです。

自分の描いたストーリーを、どれだけ信じることができるか。
全く逆のストーリーを描いている投資家もいるかもしれません。
その時でも、いずれそうした人たちも、こちらのストーリーに寄ってくるだろうと、揺らぐことなく決断することが出来るか。

それは、事前の「ファンダメンタルズ分析」をどれだけ丁寧にしたかに拠ります。

自分を信じられる。それが大切です。

まとめ

  • 投資をする上での基本動作は2ステップ
    • (1)「ファンダメンタルズ分析」:その商品の持つストーリーを組み立てる
    • (2)「需給分析」:今マーケットの描いているストーリーを把握する
  • 最終的に様々な情報が「価格」に集約される
  • 決断への自信は、「ファンダメンタルズ分析」をどれだけ丁寧にしたかに拠る
次回もお楽しみに!

大切な自分のお金を運用するのですから、ぜひとも良い結果が出るようにしたいものです。

よりよい投資環境の分析のために、大和証券をご活用ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。次回もお楽しみに!

私がお届けするこちらの動画もご活用ください!

The Dealer’s Viewでは、みなさんが「ファンダメンタルズ分析」をする上での案内図として、今のグローバル経済・マーケットがどういったことを考えているのか、これからどこへ向かおうとしているのか、(原則)毎月動画でお届けしています。ぜひ、より納得して投資する上でのサポートとして、ご視聴ください。

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