先物・オプション取引を基礎から学ぼう 初心者向けガイド

第4章 日経225オプションの基本戦略

プレミアムはどのように決定されるか?

プレミアムは本質的価値と時間価値に分けられます。本質的価値は(1)原資産価格(日経平均株価)(2)権利行使価格によって決まります。コールオプションの場合、原資産価格から権利行使価格を差し引いた額が本質的価値となります。
時間価値は(3)残存日数、(4)ボラティリティ(変動率)、(5)短期金利、(6)配当利回りによって決まります。時間価値は時間の経過とともに減少し、満期日にゼロになります。これをタイム・ディケイといいます。これはオプション取引独特のもので、横ばいの相場でも利益を得られる要因です。

本質的価値と時間価値の関係(コールオプションの場合)

プレミアム(縦軸) 権利行使価格(横軸) 600円 18,500円(ITM) 時間価値 500円 本質的価値(19,000円−18,500円) 300円 時間価値 19,000円(ATM) 100円 時間価値 19,500円(OTM)

日経平均19,000円時のコールオプションの価格

  • 権利行使価格18,500円(ITM)
    本質的価値 : 19,000円 - 18,500円 = 500円
    時間価値 : 600円 - 500円 = 100円
  • 権利行使価格19,000円(ATM)
    本質的価値 : 19,000円 - 19,000円 = 0円(ゼロ)
    時間価値 : 300円 - 0円 = 300円
  • 権利行使価格19,500円(OTM)
    本質的価値 : 19,000円 - 19,500円 = -500円(ゼロ)
    時間価値 : 100円 - 0円 = 100円

プレミアムの変動要因は?

日経225オプション取引において、売買戦略を立て取引を行なう際、プレミアムがどのような要因で変動するかを理解する必要があります。主な価格変動要因として、ここでは「日経平均株価(原資産)」と「残存日数」と「ボラティリティ」を紹介します。

1. 日経平均株価(原資産)とプレミアムの関係

「日経平均株価」(原資産価格)が上昇すると、コールオプションの場合、本質的価値(原資産価格 - 権利行使価格)が上昇するため、プレミアムは上昇します。

日経平均株価(原資産) コール・オプション プレミアム プット・オプション プレミアム
上昇↑ 上昇↑ 下落↓
下落↓ 下落↓ 上昇↑

2. 残存日数とプレミアムの関係

「残存日数」が長いほど「アウト・オブ・ザ・マネー」から「イン・ザ・マネー」になる可能性が高いため時間価値は高くなります。
「残存期間」が減っていけば時間価値が減少し、オプションのプレミアムも減少します。
これがタイム・ディケイの仕組みです。

プレミアム(縦軸) 時間経過(横軸) 満期日 時間の経過とともにプレミアム減少(タイム・ディケイ)

3. ボラティリティとプレミアムの関係

「ボラティリティ」とは相場の変動性を数値で表したもので、例えば毎日200円程度動いている相場と、毎日50円程度しか動かない相場では、「アウト・オブ・ザ・マネー」から「イン・ザ・マネー」になる可能性は前者の方が高くなります。
このため、「ボラティリティ」が高いほど、買い手にとって権利行使の可能性が高くなり、売り手にとってはリスクが大きくなるため、プレミアムも大きくなります。

ボラティリティ コール・オプション プレミアム プット・オプション プレミアム
上昇↑ 上昇↑ 上昇↑
下落↓ 下落↓ 下落↓

オプションの基本戦略は?

オプション取引では「(1)コールの買い」、「(2)コールの売り」、「(3)プットの買い」、「(4)プットの売り」の4つが基本型となります。オプション取引では数多くの売買戦略がありますが、いずれもこの基本型を組み合わせたもので、この4つをまず理解する必要があります。

1.コールオプションの買い

日経平均は上がりそうだけど、逆に動いた時の損失は限定したいときは、「コールオプション」を買います。

(例)権利行使価格19,000円のコールオプションをプレミアム100円で1枚買い、SQ日まで保有した場合

日経平均が上昇し、SQ値が権利行使価格である19,000円を上回った場合、SQ値と権利行使価格との差額を受け取ることができます。
受け取る金額が、当初買いの際に支払ったプレミアム100円を上回るにつれ、利益が大きくなっていきます。
→SQ値が高い程、利益は増えます

一方、予想に反して日経平均が下落し、SQ値が権利行使価格である19,000円を下回った場合、権利消滅となり受取りは発生しません。
買いの際に支払ったプレミアム100円がまるごと損失となるだけで、それ以上の損失はしません。
→損失はプレミアムに限定されます

満期日の損益図 損益(縦軸) SQ値(横軸) -100円 プレミアム 19,000円 権利行使価格 損失はプレミアムに限定 権利消滅 権利行使 0円 15,100円 損益分岐点 SQ値が高い程、利益は増加

2.コールオプションの売り

日経平均は上がる可能性は低いだろうという時は、「コールオプション」を売ります。

(例)権利行使価格19,000円のコールオプションをプレミアム100円で売り、SQ日まで保有した場合

日経平均が上昇し、SQ値が権利行使価格である19,000円を上回らない限り権利は消滅し、支払いは発生しません。
この場合、当初売りの際に受け取ったプレミアム100円がまるごと利益となります。
→利益はプレミアムに限定されます

一方、日経平均が上昇し、SQ値が権利行使価格である19,000円を上回った場合、SQ値と権利行使価格との差額を支払うことになります。
支払う金額が、当初売りの際に受け取ったプレミアム100円を上回るにつれ、損失が大きくなっていきます。
→損失は無限大です

満期日の損益図 損益(縦軸) SQ値(横軸) +100円 プレミアム 19,000円 権利行使価格 利益はプレミアムに限定 権利消滅 権利行使 0円 15,100円 損益分岐点 SQ値が高い程、損失は増加(損失は無制限)

3.プットオプションの買い

日経平均は下がりそうだけど、逆に動いたときの損失は限定したいときは、「プットオプション」を買います。

(例)権利行使価格19,000円のプットオプションをプレミアム100円で買い、SQ日まで保有した場合

日経平均が下落し、SQ値が権利行使価格である19,000円を下回った場合、権利行使価格とSQ値の差額を受け取ることができます。
受け取る金額が、当初買いの際に支払ったプレミアム100円を上回るにつれ、利益が大きくなっていきます。
→SQ値が低い程、利益は増えます

一方、予想に反して日経平均が上昇し、SQ値が権利行使価格である19,000円を上回った場合、権利消滅となり受け取りは発生しません。
買いの際に支払ったプレミアム100円が丸ごと損失となるだけで、それ以上の損失は発生しません。
→損失はプレミアムに限定されます

満期日の損益図 損益(縦軸) SQ値(横軸) SQ値が低い程、利益は増加 0円 14,900円 損益分岐点 -100円 プレミアム 19,000円 権利行使価格 権利行使 権利消滅 損失はプレミアムに限定

4.プットオプションの売り

日経平均は下がる可能性は低いだろうという時は、「プットオプション」を売ります。

(例)権利行使価格19,000円のプットオプションをプレミアム100円で売り、SQ日まで保有した場合

日経平均が下落し、SQ値が権利行使価格である19,000円を下回らない限り支払いは発生しません。
この場合、当初売りの際に受け取ったプレミアム100円がまるごと利益となります。
→利益はプレミアムに限定されます

一方、日経平均が下落し、SQ値が権利行使価格である19,000円を下回った場合、権利行使価格とSQ値の差額を支払うことになります。
支払う金額が、当初売りの際に受け取ったプレミアム100円を上回るにつれ、損失が大きくなっていきます。
→損失は無限大です

満期日の損益図 損益(縦軸) SQ値(横軸) SQ値が低い程、損失は増加(損失は無制限) 0円 14,900円 損益分岐点 +100円 プレミアム 19,000円 権利行使価格 権利行使 権利消滅
  • 手数料等のコストは考慮していません

お取引にあたっての手数料等およびリスクについて

  • 先物・オプション取引サービスにおける先物取引の取引手数料は、日経225先物1枚あたり最大410.4 円(税込)、日経225mini 1枚あたり最大49.68 円(税込)です。オプション取引の取引手数料は、売買代金もしくはSQ決済により授受する差金額 × 0.1836%(最低108 円(税込))です。
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