1. 質の高い成長へ舵を切った中国
中国の名目GDPは成長が継続している一方、GDP成長率は2007年をピークとして2008年より低下傾向となっており、成長の種類が速さから質へ転換しつつあります。2015年には中国GDPで初めて第三次産業の占める割合が50%を超えており、中国経済は次世代産業の台頭でイノベーション強国へと舵を切っています。
中国経済の牽引役はニューエコノミー産業へ
(出所)中国国家統計局より大和証券作成
(注)第一次(農林水産)、第二次(製造業・鉱業・電気ガス・建設)、第三次(小売・サービス業など消費関連)
2. 消費拡大が成長の源泉
2012年には17%であった中国の中所得者層は、2021年には42%まで増加すると予想されており、順調な所得増加が消費拡大を支えると考えられています。
また、2019年の中国都市部の1人当たり年間消費支出を見ると、「教育・文化・娯楽」や「保険・医療」といった、生活必需品以外の分野を中心に伸び率が高いことから、中所得者層の台頭で消費のアップグレードが進んでいると言えます。
中国の中所得者層人口と割合
(出所)Frost&Sullivan
(注)中所得層の定義は年間所得12万元以上
3. コロナ禍と中国企業
武漢市の惨状を教訓とした徹底的な防疫体制と、当局による景気刺激策を背景に、中国は世界に先駆けて経済回復に向かっています。
世界的な景気急減速が懸念される中、中国企業のファンダメンタルズ悪化は他国と比較し軽微に留まる見通しです。
当局による景気刺激策で景気持ち直しへ
財政政策については「さらに積極的にする」方針
- 財政赤字比率(対GDP比)を3.6%超に引き上げ(19年の2.8%から引き上げ。金額で1兆元増)
- 1兆元規模の防疫特別国債を発行。地方特別債3.75兆元、5,000億元規模の減税など
金融政策については「穏健な金融政策をさらに柔軟に」
- 預金準備率や金利引下げ、再貸し出しなどの手段を総合的に使い、「社会融資規模」を19年より大幅に拡大
雇用を最優先する方針
- 都市部失業率を6%に設定し、新規雇用者数900万人を目指す。中小企業へのローン支援も21年3月まで延長
[参考] 中国企業の業績予想
(出所)Factsetより大和証券作成
(注)前年比、予想は2021年3月31日時点
4. 香港株式市場の推移と予想PER
足元の香港ハンセン指数予想PERは過去平均以下であり、足元の調整で優良銘柄の投資妙味が高まっている。
香港ハンセン指数(月足)
(出所)Bloombergより大和証券作成
(注)2021年5月28日時点
予想PER(月足)
(出所)Bloombergより大和証券作成
(注)2021年5月28日時点
5. 中国・香港株 注目銘柄
アリババ
中国最大のEコマース企業
時価総額 約63.7兆円
- 中国ネット通販の圧倒的王者
- 中国の小売を変える「オンラインと実店舗の融合」戦略
- クラウド事業でも中国シェア最大手
中国Eコマース市場規模(BtoC)
(出所)各種資料より大和証券作成
(注)市場シェアは中国電子商務研究センター
アリババの株価はこちら
テンセント・ホールディングス
- 中国版LINE「ウィチャット」を運営、利用者は10億人超
- ゲーム事業で年間1兆円超の売上を誇る、世界最大のゲーム会社
- 主力ゲーム事業のほか、オンライン広告や決済など多様な収益源を持つ
アンタ・スポーツ・プロダクツ
- 成長する中国市場でシェア拡大
- 生活水準の改善に伴い健康意識が向上
- 「国潮」の流れに乗る
サニー・オプティカル
光学部品メーカー中国最大手
時価総額 約3.1兆円
- スマホカメラの高機能化が収益押し上げ
- 世界シェア首位である車載用カメラレンズの需要拡大
- 主要顧客は中国メーカーのため貿易摩擦の影響は限定的
シャオミ【小米集団】
中国大手スマートフォンメーカー
時価総額 約10.2兆円
- 価格競争力を武器に70カ国以上で事業を展開
- OSやアプリなどのネットサービスから収益を生み出すビジネスモデル
- 5Gサービスの本格化による事業拡大を期待
6. 香港上場株式の購入について
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7. ADR(米国預託証券)の購入について
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