最良執行方針

2023年12月11日
大和証券株式会社

この最良執行方針は、金融商品取引法第40条の2第1項の規定に従い、お客様にとって最良の取引の条件で執行するための方針および方法を定めたものです。
当社では、お客様から国内の金融商品取引所市場に上場されている有価証券の注文を受託した際に、以下の方針に従い執行することに努めます。

1. 対象となる有価証券

国内の金融商品取引所市場に上場されている株券、新株予約権付社債券、REIT、ETF等で、金融商品取引法施行令第16条の6に規定される「上場株券等」
なお、金融商品取引法第67条の18第4号に規定される「取扱有価証券」につきましては、当社では取り扱いません。

2. 最良の取引の条件で執行するための方法

当社においては、お客様からいただいた注文に対し、お客様から取引の執行に関する特別なご指示がない場合につきましては、委託注文として取り次ぎます。
なお、本方針にて使用する用語の定義はそれぞれ以下のとおりです。

用語の定義

ダークプール

一般的に国内においては、注文価格や注文数量等の気配情報を外部に非公表の状態で注文を対当させる、証券会社が運営するシステムのことをいいます。対当させた注文は、東京証券取引所(以下「東証」といいます。)の立会外取引システム(ToSTNeT)に回送し取引を成立させます。

ダイワ・マッチング

お客様の注文を当社内で直接対当させる取引システムのことをいいます。注文を対当させた後は、東証の立会外取引システム(ToSTNeT)で約定します。なお、ダイワ・マッチングは、いわゆる「ダークプール」に該当します。

SOR(Smart Order Routing)

一般的に、複数の市場等からお客様にとって最も有利な価格を提供している市場等を選択して注文を執行することをいいます。

ダイワ最良執行システム

東証の気配とダイワ・マッチングの気配をシステムの内部で比較し、お客様にとって有利になると判断した方法で東証の立会内取引、またはダイワ・マッチングにて対当した後の東証の立会外取引のいずれかをもって、お客様の注文を執行し、約定させる仕組みであり、いわゆる「SOR」を行うシステムに該当します。
なお、ダイワ最良執行システムは、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所の気配を比較する仕組みは有しておりません。

PTS(Proprietary Trading System)

私設取引システムのことで、金融商品取引所を通さず、証券会社が運営するコンピューター上で株式等の有価証券を取引する仕組みのことをいいます。

レイテンシーアービトラージ

注文の執行に要する時間差によって生ずる金融商品市場の相場に係る変動、市場間の価格差を利用した取引戦略のことをいいます。

お客様の委託注文がダイワ最良執行システム対象銘柄の場合、当該システムを用いて注文を執行いたします。なお、当該システムの対象銘柄であってもお客様の任意で金融商品取引所市場を指定した注文が可能です。ただし、PTSへの取り次ぎは行いません。

  • 1
    ダイワ最良執行システム対象銘柄

    当社では、株式会社QUICK(※1)が東証を優先市場として選定する銘柄をダイワ最良執行システム対象銘柄(※2)といたします。なお、個別銘柄の優先市場や当該システムの対象銘柄につきましては、当社オンライントレードのリアル株価画面等にてご確認するか、当社の本支店または営業所、コンタクトセンターまでお問い合わせください。

    • ※1
      株式会社QUICKでは、所定の計算方法により一定期間においての売買高を市場ごとに比較する等の方法により、最も売買高が多い市場を優先市場として選定しております。また、他の市場へ追加上場された場合等も上記と同様の方法で優先市場が選定されます。
    • ※2
      東証上場外国証券、転換社債型新株予約権付社債、優先株式等、当社が指定する銘柄はダイワ最良執行システム対象銘柄から除きます。
    • ダイワ最良執行システムの対象市場等
      ダイワ最良執行システムは、東証とダイワ・マッチングを対象市場等とします。
    • ダイワ最良執行システム対象市場等の選択の方法及び順序
      東証の気配とダイワ・マッチングの気配を比較し、お客様に有利な価格と判断した市場等で注文を執行いたします。また、価格比較を行った結果、同値であると判断した場合は、原則、ダイワ・マッチングを優先しますが、対当する反対注文の条件によって機動的に注文執行先を決定します。
      • 以下の場合、ダイワ・マッチングでの注文の対当は行いません。
        • 売買立会時間外
        • 始値決定前
        • 執行条件が寄り・引け・不成の場合
        • 特別気配、連続約定気配となっている場合
        • 東証において売買停止となっている場合
      • ダイワ最良執行システムで行う価格比較と取引所での約定成立までの間には、極めて微小ながら時間差が生じます。そのため、ダイワ・マッチングで対当した価格が、必ずしも約定成立時の東証の価格より有利とならない可能性がございます。
      • ダイワ最良執行システムは、お客様にとって有利な価格での約定を目指しますが、これを必ずしも保証するものではございません。
    • レイテンシーアービトラージへの対応
      ダイワ最良執行システムは、注文価格や数量等の気配情報を当該システムの外部に公表しないダイワ・マッチングと東証のみを対象市場等としており、複数市場間の気配情報に基づいて行われるレイテンシーアービトラージが介在する可能性はないと考えているため、特別な対応策は講じません。
    • ダークプールの利用
      ダイワ最良執行システムでは、ダークプールに該当するダイワ・マッチングを利用しております。
  • 2
    ダイワ最良執行システム非対象銘柄
    株式会社QUICKが東証を優先市場と選定しない銘柄及び(1)※2で当社が指定する銘柄は、ダイワ最良執行システム対象銘柄とはならず、原則として速やかに国内の金融商品取引所市場に取り次ぐこととします。この場合、委託注文の金融商品取引所市場への取り次ぎは、次のとおり行います。
    • 上場されている金融商品取引所市場が1箇所である場合(単独上場)には、当該金融商品取引所市場へ取り次ぎます。
    • 複数の金融商品取引所市場に上場(重複上場)されている場合には、執行時点において、株式会社QUICKが優先市場として選定する金融商品取引所市場に取り次ぎます。
    • 翌日以降の期限を指定した注文の場合、ご指定の期限が到来するまでの間に上記(2)②における金融商品取引所市場が変更された場合であっても、お客様から取次先変更のご指示があった場合を除き、取次先の金融商品取引所市場の変更は行いません。

3. 当該方法を選択する理由

当社では、お客様からいただいた注文をより有利な価格で執行するためにダイワ最良執行システムを導入しています。

  • 1
    ダイワ最良執行システム対象銘柄
    • ダイワ最良執行システムの対象市場等
      ダイワ最良執行システムが、東証とダイワ・マッチングを対象市場等とする理由は、多くの投資家の需要が集中する東証に加え、東証の最良買気配値段と最良売気配値段の間で約定する仕組みを有するダイワ・マッチングの価格を比較することは、お客様にとってより有利な約定機会を提供可能と考えるからです。
    • ダイワ最良執行システム対象市場等の選択の方法及び順序
      ダイワ最良執行システムは、東証の気配とダイワ・マッチングの気配を比較し、お客様に有利な価格と判断した市場等(買注文の場合は東証の最良売気配とダイワ・マッチングの最良売気配を比較して、より低い価格、売注文の場合は東証の最良買気配とダイワ・マッチングの最良買気配を比較して、より高い価格)で注文を執行いたします。また、価格比較の結果、同値であればダイワ・マッチングを優先する理由は、当社内で直接注文の対当を行うため、約定の可能性を高めることができ、また東証の立会内取引市場の価格形成へ与える影響を低減可能だからです。
  • 2
    ダイワ最良執行システム非対象銘柄
    金融商品取引所市場は多くの投資家の需要が集中しており、流動性、約定可能性、取引のスピード等を総合的に勘案して、ここで執行することが基本的にはお客様にとって合理的であると判断されるからです。また、複数の金融商品取引所市場に上場されている場合には、その中で最も流動性の高い金融商品取引所市場において執行することが、お客様にとって合理的であると判断されるからです。

4. その他

  • 1
    次に掲げる取引については、2に掲げる方法によることができないため、それぞれ次に掲げる方法により執行いたします。
    • お客様から執行方法に関する特別なご指示(当社が自己で直接の相手となる売買のご希望、執行する金融商品取引所市場のご希望、取引所外売買のご希望、お取引の時間帯のご希望、ご注文数量の一括執行の必要性等)がある場合
      当該ご指示いただいた内容で当社と合意した方法で執行いたします。
    • 取引一任契約等に基づく執行
      当該契約等においてお客様から委任された範囲内において当社が選定する方法で執行いたします。
    • 取引約款等において執行方法を特定している取引
      当該方法で執行いたします。
    • 単元未満株の取引
      単元未満株を取り扱っている金融商品取引業者に取り次ぎます。
      ただし、上記の金融商品取引業者が取り次ぎを行わない単元未満株の売却の際には、当社と合意した上での相対取引となります。
    • 国内の金融商品取引所市場に上場されている外国証券の取引
      国内の金融商品取引所市場への取り次ぎをご希望の場合は、2(2)に掲げる方法により取り次ぐこととします。なお、売却注文の場合、国内の決済会社に寄託されている証券については、2(2)に掲げる方法により国内の金融商品取引所市場に取り次ぐこととし、当社の海外保管機関に寄託している証券については、外国取引として取り扱うこととします。
    • 信用取引
      新規建てを行った金融商品取引所市場で執行する方法
      信用取引については、ダイワ・マッチングにおいて取引の条件決定を行った注文を東証(ToSTNeT)で執行することが、東証の業務規程により認められていないため、ダイワ最良執行システムの対象外となります。
    • 特定投資家のお客様で事前に執行方法についての別途の取り決めをしている取引
      お客様の個別取引に係る固有のニーズを勘案し、お客様との事前の取り決めで合意された内容に基づき、取引所金融商品市場等に取り次ぐ方法と、当社が自己で直接の相手となる方法のうち、お客様にとって最も合理性が高いと当社が判断する方法で執行いたします。
    • 特別な目的で当社に口座開設されたお客様及び非居住者のお客様等
      当社と合意した方法で執行いたします。
  • 2
    自社のシステムまたは取引所金融商品市場等において障害等が発生した場合、2に掲げる方法によることが難しいため、やむを得ず、2に掲げる方法とは異なる方法により執行する場合がございます。その場合でも、その時点で最良の条件で執行するよう努めます。

以上