中南米 子育て支援債特集
ソレン・エルベック(Søren Elbech)氏
2007年12月より米州開発銀行の財務局長。それまでは資本市場に関わるさまざまな業務に従事。ノルウェー輸出金融公社在籍時には、資金調達に係る独自のオンラインシステム“eFunding”の企画・開発に携わる。デンマーク出身。
今回は、米州開発銀行(以下、IDB)の貧困に対する取り組みや『中南米 子育て支援債』について、ソレン・エルベック氏にお話を伺います。貧困は各国が直面している課題のひとつですが、中南米では貧困はどういった状況ですか。
ラテンアメリカ・カリブ経済委員会によると、中南米地域では、2002年には人口の44%を占めていた貧困層の割合が、2008年には33%にまで減少しました。ただ2009年には、34.5%と多少ではありますが増加する見込みです。これは世界的な金融危機が影響しているといえるでしょう。
中南米諸国ではこれまでも通貨危機などに見舞われていますよね。各国の政府は貧困問題に対してどういった対応をとっているのでしょう。
積極的に取り組んでいますね。貧困削減に向けて、健康や教育、雇用を改善するためのさまざまな対策を行なっています。
例えば、条件付現金給付プログラム。これは子どもの健康維持や就学を支援するために、貧困家庭へ資金を提供するものです。人的資本の形成を重視した革新的な社会政策だといえます。IDBでは、中南米の16ヵ国において各国政府が実施するこのプログラムを支援しています。
なるほど、IDBでも貧困問題に注力しているのですね。
はい、貧困の削減はIDBの重要な任務ですからね。IDBでは、次世代を担う子どもたちの生活環境をよりよいものにする、ということを公約として掲げています。そのために、貧しい人々に対して教育や健康水準の改善を支援しているのです。
こういった取り組みを通じて、各国政府と連携を図り、国連が提唱するミレニアム開発目標のひとつである「極度の貧困と飢餓の撲滅」の達成を目指しています。
貧困問題解決に向けては、政府をはじめいろいろな組織が対策を行なっていると思いますが、この分野におけるIDBの強みとは何でしょうか。
IDBは国の枠を超えた機関です。1959年の設立以来、中南米のすべての国々とともに活動し、貧困削減に関するノウハウを蓄積してきました。こういった経験が、各国政府との政策対話に活かされ、過去の事例から学んだ新しい政策が生みだされることになります。
また、我々は民間セクターとも政府とも連携して貧困対策に取り組んでいますが、こういった官民にまたがる協力体制も特徴的だといえますね。
IDBでは貧困削減に向けて、具体的にどういった活動を行なっているのですか。
我々は2007年以降、貧困削減分野のプロジェクトに対し、45億米ドルもの融資を承認しました。例えば「健康」や「教育」、「社会投資」といった若年層の生活環境の改善に関わるプロジェクトですね。IDB加盟国からの8回目の追加資本の合意を受けてからは、貧困削減や社会均衡に対する取り組みをさらに強化し、総融資額の約4割を貧困緩和プログラムが占めるようになっています。
こういったIDBの貧困削減に向けた取り組みを支えるために、2010年7月に『中南米 子育て支援債』を発行します。
では、その『中南米 子育て支援債』について教えていただけますか。
はい、今回の『中南米 子育て支援債』は、ブラジル・レアルで起債する4年満期の固定利付き債券です。調達資金は中南米の貧困削減に向けた経済的および社会的開発を促すために活用される予定で、IDBにとっては初めての資金使途を特定した債券となります。
貧困は子どもの健康や教育の機会を奪い、将来の就労状況や所得に悪影響を及ぼすことが多い。こうして貧困というのは世代を超えて連鎖してしまうのです。ですから貧困を削減するには、子どもの保護・育成が重要となってくるんですね。たとえばメキシコでは、前述の条件付現金給付プログラムを特徴とした社会政策である「オポルチュニダーデス(Oportunidades)」を実施しています。IDBでは2002年以降、オポルチュニダーデスに対して累計で40億米ドル以上を融資し、メキシコにおける600万世帯以上の貧困家庭を支援することができました。
こういった活動をサポートするための『中南米 子育て支援債』には、非常に大きな意義があると考えています。また、長い間IDBが取り組んできた貧困削減プログラムのハイライトであるともいえるでしょう。
販売先に日本をお選びになっていますが、日本についてどうお考えですか。
IDBでは、日本の個人および法人投資家を、戦略的に重要だと考えています。2007年以降、日本の個人投資家向けに販売した売出外債は計12通貨で総額約29億米ドル相当になります。また、日本は非借入国の中ではアメリカに次いで出資比率が大きく、アジアにおいては最大の投資家です。ですからもちろん、日本にもIDBのオフィスを構えていますよ。日本とIDBがよりよい連携を図れるようにしているのです。
最後に、日本の投資家へメッセージをお願いします。
先ほども述べたように、我々にとって日本は非常に重要なパートナーです。日本の投資家の皆さまにも、ぜひ我々の活動を知っていただけるとありがたいですね。
『中南米 子育て支援債』への投資は、IDBの活動をサポートできる機会になりますね。大変貴重なお話をどうもありがとうございました。
(2010年6月)

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