アフリカ 教育ボンド特集
ピエール・ヴァン・ぺテゲム(Pierre Van Peteghem)氏/アフリカ開発銀行 財務部長
2005年アフリカ開発銀行入行。資本市場部門および資金調達部門の担当部長を経て、2007年10月より現職。負債ポートフォリオや資金調達プログラムの管理、アフリカ開発銀行グループ全体の流動資産ポートフォリオの管理を行なっている。また、クライアントのニーズに応じた新しい金融商品の企画・立案にも携わる。

アフリカ開発銀行について

まずはAfDBについて簡単にご説明いただけますでしょうか。
AfDBは1964年に29のアフリカ諸国によって設立された多国間開発金融機関です。1982年初頭にはアフリカ地域外からの加盟も認められるようになり、現在ではアフリカ地域内全53カ国と地域外の24カ国で構成されています。アフリカ開発基金(ADF)とナイジェリア信託基金(NTF)とともに形成するAfDBグループにおいて、中核を担う機関なのです。
AfDBが実施している融資は、非譲許的融資です。現在はアフリカの16カ国がAfDBの融資対象国となっており、また、アフリカ全体の民間部門にも融資を行なっています。ADFとNTFは譲許的融資および補助金を提供していますので、AfDBからの融資を受けることの出来ないさらに貧しい国をサポートすることができます。
※主に開発途上国を対象とした緩やかな条件(金利、償還期間、据置期間)で行う融資を譲許的融資といい、それ以外の一般的な融資を非譲許的融資という。
AfDBは重要な役割を期待されていると思うのですが、その使命を教えてください。
AfDBの第一の目的は、加盟国でもあるアフリカ諸国の持続可能な経済成長や社会発展に貢献することです。こういった目的を達成するために、数々の開発プロジェクトやプログラムに対して資金を提供しているのです。例えば(i)公共機関への融資(政策融資を含む)、民間企業への融資および資本投資、(ii)社会事業支援プロジェクトおよびプログラムへの技術援助、(iii)アフリカ地域内加盟国の開発政策および開発計画の調整支援、というような活動に対する融資ですね。
経済基盤が堅固であることは、内戦や紛争を防ぐための要素のひとつでもあります。地域ネットワークや市場に投資をして、アフリカ地域の経済協力や統合を推進することを目指しています。
今後の抱負やメッセージがありましたらお願いします。
AfDBは、国の枠を超えた独特の組織です。アフリカ大陸の全ての国々と関わりを持ち、各国のニーズに応じた活動をしています。質の高い金融支援やアドバイスを提供することで、アフリカ諸国にとって最良のパートナーであるよう努めているのです。
我々は、持続的な成長・発展は、教育の充実なくしてはありえないと考えています。だからこそ"教育"を、4つの優先的中核分野の中のひとつとして掲げているのです。子どもたちに教育の機会を与えるのはもちろん、将来にわたって経済を支える若年労働者のトレーニングも極めて重要だといえるでしょう。
ハサトゥ・ゼレ(Hassatou N´Sele)氏/アフリカ開発銀行
資本マーケット/ファイナンシャル・オペレーション部 部長
資本市場における資金調達業務の責任者であり、応募資本の管理も担当している。借入プログラムを監督し、2009年はその金額が90億米ドルに達する。また、国内外のベンチマーク債に携わっており、2003年には銀行初の売出債を手掛けた。ダカールのシティバンクNAやセネガルの大手米輸入会社を経て、1997年にアフリカ開発銀行へ入行。

資金調達戦略について

さまざまなプロジェクトをサポートするには莫大な資金が必要になるかと思いますが、AfDBの資金調達戦略について教えてください。
AfDBは資本市場を通じた資金調達を積極的に行なっています。おっしゃるとおり、我々が事業を行ううえで多額の資金が必要となりますので、より費用対効果の高い新規資金調達および借り換えを行うよう努めています。
AfDBの年間借り入れプログラムは近年着実に増加しており、2009年にはピークに達しています。2008年には18億米ドルであったものが、2009年には、アフリカが経済危機を乗り越えるための支援をしたこともあり、75億米ドルにまで増加しました。
2010年には55億米ドルの借り入れプログラムが承認されており、6月末までにそのうちの35%が実行されました。残りの借り入れプログラムについても、適切な流動性を保てるよう、支出要件に沿って実行する予定です。
アフリカ諸国の通貨に注目が集まっているようですが、AfDBではどういった状況でしょうか。
2007年以降、AfDBではアフリカの通貨による取引を増加させています。最小の信用リスクで、アフリカ現地通貨(例えばザンビア・クワチャ、ガーナ・セディ、タンザニア・シリングやその他諸通貨)をポートフォリオに組み入れたいと考えている投資家のニーズに応えるためです。
AfDBは、南アフリカ国内市場で債券の発行を手掛けた最初の機関であり、多くの売り出し債が南アフリカ・ランドで起債されるようになっています。
日本の投資家を対象とした債券の発行について教えていただけますか。
AfDBでは、例えばクリーン・エネルギーやインフラに焦点を当てた社会貢献型の債券を日本の投資家に向けて起債してきました。こういった債券は投資利益を提供するだけでなく、アフリカの発展に貢献することにもつながります。格付も高く、安心してご投資いただけると思います。
日本における社会貢献型債券については我々も満足しており、投資家の皆さまにも非常に感謝しています。
ブカリ・サバドゴ(Boukary Savadogo)氏/アフリカ開発銀行 教育・科学・技術部門担当部長
大学教授等を経て、1997年に教育担当専門官としてアフリカ開発銀行に入行。アフリカ地域において、教育関連の60以上のプロジェクトにチームリーダーとして携わった後、現職。教育、科学、技術の分野において資産ポートフォリオの管理や運営を手掛けている。
主に高等教育を中心に、33年間教育関連業務に従事している。

教育分野への取り組み

AfDBというとインフラ開発のイメージを持つ方も多いと思いますが、先ほどのペテゲム氏のお話にもあったように、教育分野にも注力されているんですね。
持続的な地域開発にとって、教育は不可欠な要素ですからね。AfDBでは、アフリカ各国によるミレニアム開発目標(MDGs)の達成に向けた取り組みを支援しています。経済成長を促進して貧困を削減するには、人的資本の形成が必要です。そのために最適なのが教育なのです。教育を受けることで人々は知識や技能・訓練を身につけることができ、それが将来にわたって経済を支える労働力へとつながり、持続可能な社会を構築します。
アフリカの発展にとって教育や訓練は非常に重要な手段です。2015年までにアフリカ大陸全域で男女全児童が初等教育を修了できる体制の確立を目指しています。
※2000年の国連ミレニアム宣言を契機に取り纏められた、2015年までに達成すべき8つの目標。平和と安全、開発と貧困などを課題として掲げている。
なるほど、教育は子どもの権利のひとつだとも言われていますし、その重要性は計り知れないですからね。では、アフリカにおける教育の現状はどうなっているのでしょうか。
国によって大きく異なっているといえます。チュニジアやカーボベルデといった国では教育に関するMDGsをほぼ達成できる見込みですが、ニジェールなどの国では依然厳しい状況です。
教育について、主たる責任は政府にあります。一方で、この分野において積極的に取り組んでいる機関も多くあります。民間セクターや、NGO・慈善団体といった市民社会組織ですね。もちろん我々AfDBもそうです。
では、教育分野におけるAfDBの取り組みについてお聞かせいただけますか。
初等教育はもちろん、教育に関する全ての分野において金融支援を行なっています。最近では特に高等教育・科学技術に注力していますね。現代においては専門的なノウハウが欠かせなくなってきていますが、科学技術はすべての教育の基礎となるからです。
また、多くのアフリカ諸国では慢性的に失業率が高い傾向にありますが、こういった問題に対処するべく、技能を身につけるための技術・職業訓練も支援しています。
2011年から2013年にかけては、新たに約30の教育関連プロジェクトに資金を提供する予定です。
具体的にどういったプロジェクトを手掛けていらっしゃるのでしょうか。
一例として、チュニジアの中等教育支援プロジェクトIIをご紹介しましょう。このプロジェクトは、中等教育の拡大および教育の質を高めることを目的としています。具体的には、
(1)新たに58,000人の生徒に中等教育の機会を提供する
(2)新しいカリキュラムや教材・設備の導入および教師の訓練等を通じて、教育の質を高める
(3)計画的な教育とモニタリングおよび評価体制を構築する
といった内容が挙げられます。AfDBは、このプロジェクトに対して5,980万ユーロを融資しました。
他のプロジェクトについては、四半期毎の報告書やアニュアルレポートでご確認いただけます。
やはり教育には多大な資金が必要なんですね。こういったAfDBの教育関連事業をサポートするために、8月には『アフリカ 教育ボンド』を発行されるとのことですが、それについて教えていただけますか。
今回の『アフリカ 教育ボンド』は、AfDBが発行する3年満期の南アフリカ・ランド建債券です。調達した資金は、子どもに質の高い教育を提供するために、例えば先述のチュニジアの事例のような、教育分野におけるプロジェクトに活用する予定です。
資金使途を教育分野に特化した債券は、AfDBにとっても初の試みです。ぜひ我々の活動を知っていただき、債券投資を通じてアフリカにおける教育の普及・拡大に向けた取り組みをご支援いただければと思います。
(2010年7月)

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