グリーンボンド特集
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グリーンボンド特集

地球温暖化問題が途上国に与える影響

地球温暖化問題が途上国に与える影響
地球温暖化はあらゆる国々にとって重大な脅威となっていますが、その影響を最初に受けるのは途上国であり、最も大きな影響を受けるのも途上国です。例えば、地球温暖化の影響で食糧価格が高騰したとき、豊かな国であればそのショックを吸収することができますが、貧しい国々は避けようのない飢餓に直面することになります。
「世界開発報告(World Development Report)2010:開発と気候変動」は、地球温暖化がもたらす損害の75〜80%を、こうした国々が被ることになるとの見通しを示し、次のように警鐘を鳴らします。「地球温暖化が進めば、降雨パターンが変化し、干ばつ、洪水、山火事などの災害が多発する。沿岸の人口密集地や島嶼国の何百万人という人々は海面上昇によって住む家を失うだろう。アフリカ、アジア、またそれ以外の地域でも、貧しい人々が、凶作、農業生産性の低下、飢餓、栄養不良、疾病の増大といった危機に直面する。ミレニアム開発目標の達成は一層脅かされ、2015年以降に安全で持続可能な世界を確保することは益々難しくなる」。
これまで数十年にわたって積み上げてきた貧困削減への取り組みが、地球温暖化によってあっという間に台無しになってしまう可能性があるのです。もはや、貧困問題と地球温暖化問題を切り離して考えることはできません。しかしながら、途上国ができることは極めて限られています。貧しい人々の将来は、先進国や新興国のなかでも経済力を高めつつある国々がこの問題に対してどれだけ真剣に取り組むにかかっているともいえるでしょう。

先進国から途上国への資金フローが鍵

先進国から途上国への資金フローが鍵
第15回国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP15)でも明らかになったように、地球温暖化問題に対して各国政府間のコンセンサスを醸成することは容易ではありません。その最大の要因が、地球温暖化への対応にはおカネがかかるという事実です。
途上国で必要とされる温室効果ガス削減投資額は、向こう20年で年間2,650億ドルから5,650億ドルに達するといわれています[1]。また、地球温暖化の被害を防止するために必要な、いわゆる適応投資額は、2050年までの年平均で300億ドルから1,000億ドルに達します[2]。年間1,000億ドルという数字は、開発援助のために現在投じられている金額と概ね同水準であり、いかに巨額の資金が必要とされているかがわかります。
一方で、実際に地球温暖化対策として途上国に提供されている資金は年間100億ドルにすぎません。資金が圧倒的に足りないのです。COP15でとりまとめられた「コペンハーゲン合意」では、先進国は途上国に2010年から2012年の3年間で計300億ドルを提供し、2020年時点で官民双方から1,000億ドルの資金提供が可能になるように努力することが盛り込まれましたが、それでも必要とされる金額には遠く及びません。さらに先進国自らも巨額の投資を行わなければならず、例えば、世界のエネルギー体系を転換させるためには、研究開発に年間1,000億ドルから7,000億ドルの投資が必要とされています[3]
先進国各国の財政事情が厳しいなか、こうした数千億ドル規模の資金ギャップを埋めるうえで欠かせないのが、民間の投資資金の活用です。世界のSRI(社会的責任投資)市場規模は2007年末で7兆ドル超となっており、有力な資金源であることは間違いありません。2008年秋の金融危機以降、持続可能な投資というものへの関心が高まっていることも、追い風となっています。
[1]〜[3]:「世界開発報告(World Development Report)2010:開発と気候変動」
SRI市場規模
出所:European SRI Study 2008より大和証券作成

世界銀行の「グリーンボンド」

このような流れの中、資本市場を通じた資金調達を行っている世界銀行グループは、民間資金を活用した地球温暖化対策に積極的に取り組んでいます。
貧困から脱却するための地域開発が環境破壊という高い代償と共に達成されるものであってはなりません。重要となるのは、経済成長と地球環境のバランスです。経済発展に伴いエネルギー消費は増大し続けるでしょう。地域によっては森林伐採が進展したり温室効果ガスの排出が加速するなど、経済成長の影響は様々です。
貧困の削減を使命とする世界銀行グループは、地球環境に配慮した開発支援を行っており、その事業内容は、産業インフラの開発融資だけでなく、クリーンエネルギー利用促進、森林保護、地球温暖化に迅速かつ適切に対応する都市の建設など多岐にわたります。
温室効果ガスの排出を抑制し、避けられない地球温暖化の影響に対処し、新技術を導入するためには巨額の投資が必要となります。しかしながら、既に述べたとおり、現在の地球温暖化対策資金は予測できる必要額をはるかに下回っており、官民双方から資金をスムーズに集めるための枠組みづくりが急務となっています。
「グリーンボンド」は地球温暖化対策に必要なおカネを民間から調達する画期的なアプローチの一つです。世界銀行はこれまで総額30億米ドル相当を超えるグリーンボンドを発行しており、グリーンボンドは社会貢献型債券の先駆者として同市場の拡大を主導しているといえます。グリーンボンドを通じて調達された資金は、世界銀行の地球温暖化問題専門家により選定される適格プロジェクトに充当されます。地球温暖化の要因となる温室効果ガスの排出を抑える事業(再生可能エネルギーの導入支援、エネルギー効率の高い輸送技術の導入支援、森林管理など)や、既に顕在化している問題への対応(気候情報の収集および予測の改善、耐乾性穀物の開発・導入支援、土地利用・森林開発・開墾に関する専門知識の提供など)に活用されるのです。先進国の投資資金を途上国の地球温暖化対策に役立てる効果的な仕組みとして、グリーンボンドはいま大きな注目を集めています。
過去の発行事例
  第1回債(2008年11月) 第2回債(2009年4月) 第3回債(2009年12月) 第4回債(2010年1月)
発行日 2008年11月12日
2008年11月24日
2009年2月13日
2009年4月24日 2009年12月4日 2010年2月2日
発行額 28億5000万クローネ
(約336億円)
3億米ドル
(約292億円)
1億3000万米ドル
(約118億円)
1億5,000万NZドル
(約97億円)
通貨 スウェーデンクローネ建て 米ドル建て 米ドル建て ニュージーランド・ドル建て
年限 6年 3年 4年 5年
利率 固定金利(年3.5%) 変動金利 固定金利(年2.0%) 固定金利(年5.23%)
投資家 スウェーデン第2公的年金基金(AP2)
スウェーデン第3公的年金基金(AP3)
国連職員合同年金基金(UNJSPF)
その他
カリフォルニア州 財務局 カリフォルニア州教職員退職年金基金(CalSTRS)
スウェーデン第2公的年金基金(AP2)
スウェーデン第3公的年金基金(AP3)
国連職員合同年金基金(UNJSPF)
その他
個人を中心とした日本の投資家
※日本国内での初めての販売。
(大和証券による取扱い)
* 円換算発行額は発行日の為替レートで算出
プロジェクトの参考事例
© Curt Carnemark / The World Bank
プロジェクトの参考事例
◆コロンビア : エネルギー効率の高い輸送システムを導入するプロジェクト
◆トルコ : 民間セクターにおける再生可能エネルギーとエネルギー効率化プロジェクト
◆ドミニカ共和国 : 非常事態からの復旧と災害管理に関するプロジェクト
◆モンテネグロ : 省電力システムや太陽熱を活用した新技術を公共施設に導入するプロジェクト
◆中国 : 強い温室効果のあるメタンガスの分解やバイオガス技術で、農業の廃棄物を活用した発電プロジェクト
◆メキシコ : 森林再生や森林保護、土壌整備等を一体化し、再生可能エネルギーを普及させ省エネルギーを実現するプロジェクト
投資を通じた社会貢献−インパクト・インベストメント−
大和証券グループ本社
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